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■ 霧積温泉 「金湯館」 〔 Pick Up温泉 〕



<霧積温泉「金湯館」> (群馬県安中市(旧 松井田町)松井田町坂本1928、10:00~19:00(時間確認要)、500円、027-395-3851)
オフィシャルHP

西毛最奥の霧積温泉は、石膏泉の名湯として知られています。
霧積は、明治期に軽井沢に先んじて開け、政財界、文学界の重鎮の避暑地として栄えました。
HPによると「伊藤博文を筆頭とするメンバー30人ほどで来訪し、当館にて明治憲法も草案されております。」とのことで、玄関脇には勝海舟の揮毫による碑も残っています。
また、同じくHPによると与謝野晶子は当地で

 北海にむかはん汽車の声なども 聞く霧積の碓氷峠

という歌を残している歴史あるお湯で、日本秘湯を守る会会員宿でもあります。

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母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?
ええ、夏、碓氷から霧積へゆくみちで、
谷底へ落としたあの麦わら帽子ですよ。
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西条八十の”帽子”を冒頭に措き、一世を風靡した『人間の証明』でも、”霧積”が舞台になっています。


【写真 上(左)】 姉妹館の「きりづみ館」
【写真 下(右)】 看板

前回レポでは林道を走り車でアプローチしましたが、今回は「きりづみ館」よこのPに駐車して歩いていきました。


【写真 上(左)】 アプローチ
【写真 下(右)】 ところどころに看板

前回レポでは「谷沿いを約20分歩く」などといい加減なことを書いていますが (^^;; 、実際は途中からけっこうきついつづら折りの山道となります。
それでも距離はさほどなく、20~25分ほどで到着できるかと思います。
ところどころに、宿までの距離を書いた黄色い看板があるのでわかりやすいです。


【写真 上(左)】 遠景
【写真 下(右)】 風格ある外観

明治16年築総ケヤキ造の風格ある旧館は健在で、玄関前には温泉犬もおりました。


【写真 上(左)】 温泉犬
【写真 下(右)】 帳場

11時半頃訪れて、湯を入れ替えた浴槽がちょうどオーバーフローしはじめるところ。
紅葉時期というのに浴場は独占状態。
まったりと長湯して出てきたらグループ客が何組か到着。タイミングよくベストな状態でお湯を楽しめたようです。


【写真 上(左)】 洗面所にも温泉
【写真 下(右)】 浴場入口

浴室は廊下の奥にあり、手前が女湯、奥が男湯。
外からみるとけっこう風格ある湯屋ですが、なかはわりあいふつうです(^^)
女湯の手前にある洗面所のカランからも温泉が出ます。


【写真 上(左)】 湯屋
【写真 下(右)】 女湯

窓の外に林をのぞむ男湯は、石枠タイル貼5-6人の浴槽ひとつとシンプル。
もうひとつ小さな浴槽らしきものがありますが蓋をされています。
カラン5、シャワーなし、シャンプーあり、ドライヤーなし。
カランも温泉ですが、ひとつだけ真水のがあるように思います。


【写真 上(左)】 男湯
【写真 下(右)】 つかわれていない?浴槽

しっかりと白いイオウの湯の花の出た石の湯口から、40℃くらいの源泉を潤沢に投入で、湯口そばにはコップがおいてあります。
槽内注排湯はなく、切欠があるものの排湯が追いつかず浴槽ふち全面からのオーバーフロー。
女湯は窓がなく、3-4人の石枠タイル貼浴槽ひとつですが、コップとざこざこオーバーフローは同様にあったそうです。


【写真 上(左)】 超ざこざこ
【写真 下(右)】 イオウ系の湯の花

無色透明のお湯には細かな気泡がたくさんただよい、ほこほことした石膏味に微たまご味。
かなり強い石膏臭+甘イオウ臭に弱いながらミシン油系のアブラ臭が混じります。
このアブラ臭がこのお湯に個性を与えているのだと思います。


【写真 上(左)】 男湯の湯口
【写真 下(右)】 女湯の湯口

かなりの量のアワつきによるぬるぬるがありますが、本質は石膏泉系のキシキシした湯ざわり。
とろみが効いたお湯は、適度な重さのあるすこぶる入り心地のいいもので出たくなくなります。これはやはり名湯でしょう。
湯温は前回レポ時よりもこころなしか熱めのようで、浴室入口に掲示されている分析書の泉温も以前の39℃から40℃に書き換えられていました。

またしても、山菜そば(700円)を食べながら、大女将とすこし話しをしました。
以前は本当に水車で自家発電をしていたこと、冬場は沢筋が凍ってとてもきれいなこと、最近の原油価格の高騰でわかし湯の宿はどこも苦しんでいるが、ここは燃料代がいらないので助かっていること、新しい温泉犬はけっこう凶暴なこと (^^; ・・・。

2002年レポしたとき、法師、水上諏訪、湯宿、霧積と続けてまわり、石膏泉を結論づけてくれたのがこのお湯でした。(芒硝泉の教科書は、いまのところ中伊豆の青羽根温泉かな?)
こんどは日帰りでなく、泊まりでじっくりとこの名湯を味わってみたいと思います。

Ca-硫酸塩泉 40℃、300L/min、成分総計=1822.14mg/kg、Na^+=54.00mg/kg (8.95mval%)、Ca^2+=476 (90.60)、Cl^-=45.46 (4.83)、SO_4^2-=1181 (92.72) <S58.7.11分析> (源泉名:霧積温泉 入之湯)

■ → 一郷一会100名湯

〔 2009年7月21日修正・画像追加UP (2005年12月 4日レポ) 〕

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<霧積温泉「金湯館」>(群馬県松井田町、時間要問合せ、500円、027-395-3851)

霧積川最奥の歴史ある名湯。やませみさんレポあります。
アプローチは新緑のトンネルで、ところどころ満開の山桜が彩りを添えています。
宿のそばまで車でアプローチできますが、直前約2㎞は本格的なダートで駐車場も少ないので、手前の「きりづみ館」に駐車し、谷沿いを約20分歩いた方が、カラダにも車にも ^^) よいのでは?(「きりづみ館」までは山道ですが舗装路)

沢沿いに建つ明治16年築総ケヤキ造の旧館には、独特の風格が漂っています。
山ぶかい沢沿いは木々の芽吹きがはじまったばかりで、土間のストーブにはまだ火が入っていました。
浴室は廊下を渡った奥。タイル造4-5人のシンプルな内湯のみでカラン5、シャワーなし、シャンプーあり、ドライヤーなし。土曜13時で男女湯とも独占でした。

岩の湯口から飲泉可の40℃弱の源泉を約50L/minほども大量注湯。湯口の岩には緑白の結晶と黄褐色の変色があり、湯口には白い湯の花も・・・。
湯船のふち全面から潤沢にオーバーフローする完璧なかけ流し。

無色の澄んだお湯には、よくみると細かい気泡がたくさん。
水上の「諏訪ノ湯」と同系の温泉臭がありますが、こちらの方が強く若干のイオウ臭も混じって甘い感じの香り。
味も「諏訪ノ湯」に似た少しのどに引っかかる粉っぽいようなもので、やはり、この臭いと味が石膏泉の特徴なのだと思います。

おどろいたのはアワつきの量です。
入ってしばらくするとカラダが白っぽくなってきたので何かと思ったら、毛先に細かな気泡がびっしり。全身を手でぬぐうと一斉にアワ立ちサイダー状態に・・・。
でも1分もしないうちにまたアワアワ達が着いてきます。

ぬるめの湯はやはり「とろり」とした感じ。
からだの内側からじっくりと温まってくるような名湯にふさわしいやわらかな浴感で、いくらでも入れそうです。
ここはやはり泊まりでじっくり味わうお湯だと思います。

宿は山小屋(実際登山者らしき人が何人か来てました)の風情で設備重視派にはちょっとキツイでしょう。でも山の湯ファンにはこたえられない貴重な宿かと思います。
山菜そば(700円)は、山菜、きのこ、半熟たまご、わかめ入りで美味しかったです。
人なつこい犬もウサギも元気でした ^^)

〔 2002年4月21日初入湯のレポ 〕
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