Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

根津美術館「初夏の茶」ほか

2012年05月09日 00時00分09秒 | 美術館・博物館etc.
根津美術館 サイト
 『KORIN展 国宝「燕子花図」とメトロポリタン美術館所蔵「八橋図」』 ※5月20日(日)まで  

見事な競演を楽しんだ後は2階へ。

展示室4は青銅器。
入場券になっている動物のアレはさすがに「同じだ」とわかるものの、
他は展示替えしているのかどうかさえ、わからない。
それでも、出光で見てきたので「なるごど、確かに南宋の青磁のフォルムに似ている」
くらいは思えるようになった。

展示室5は「「きらめく螺鈿」
中国の元・南宋、明代の螺鈿と日本の江戸時代の螺鈿の競演。
どちらも見事。
改めて、「元」という国家は芸術を保護したのだなぁと思う。
遊牧民という先入観ゆえに中国的で精巧な工芸品とは無縁なのかと誤解していたけど、
ここ3年ほどの美術館めぐりで「そうではない」ことがわかってきた。
もっとも、実際に携わっていたのは前の国家からの漢民族系の人たちなのかな。

興味深かったのは明代とされる花鳥文の茶箱。
あえて表現するならば瓢形?
大きな円筒系に小さい円筒形がくっついた形。
蓋が閉まったままなので、中の構造は不明。(中が見たかった~
外見から見る限りでは、小さい円筒形の大きさは茶筅を入れるのにピッタリ。
そして、大きな円筒形は茶碗が収まる大きさ。

使っているところが見てみたい

日本のものでは葵紋の薬入。紐もついているし、ちょっと昔の水筒の形。
波千鳥の蒔絵が画かれた刀掛もよかった。
(ちょうど前日にサントリー美術館で見たのとはまた違う魅力)

いずれも螺鈿がはいっているから、展示室全体がキラキラしていた。

展示室6は「初夏の茶」。
テーマ通りの清々しい取り合わせ。
茶事の順番に並んでいるので、見ていても想像できて楽しい。

掛け物は酒井抱一の画賛。「茶の水に 花の影くめ わたし守」

寄付の汲み出しは肥前の色絵だけど、色彩がオランダっぽいというか明るい色合い。
やはり土地柄か。日本のものなのに、異国情緒がかすかに感じられるところが面白い。

明代の手付籠。(今読んでいる瓢阿さんの本が面白いので、けっこー注目)
茶室のところは毎度のことながら暗いので難儀する。
虫明焼の釣瓶水指、もっと近くで見たかった。
薩摩の文琳茶入「亀尾」も。縦長で亀っぽい形?
箱書に和歌「亀の尾の山のいわ根を とめて落つる 瀧のしら玉 千代の数かも」。

茶碗が伯庵茶碗。でも、高麗ではなくて、瀬戸または美濃だって。相変わらず謎。

展示ケースの綴目水指(楽山)。形がゆがんでいて軽やか。
光悦の一重切花生「山鳥」。やはり、芸術的?

鼠志野茶碗「山の端」。
五島美術館のは紅葉だけど、こちらは五月雨がやんだ時に見える山の端。
「青雨 星ひとつ見つけたる 夜のうれしさは 月にもまさる みたれのそら」

盛阿弥の黒漆大棗も飴色っぽくなっていて、これはこれで味があった。

といったところ。

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★根津美術館バックナンバー
2011.12月 『中国の陶磁・漆・青銅』『夜咄の茶』→こちら
2011.10月 根津美術館の露地と茶室 →こちら
2011.10月 『春日の風景』『名残の茶』 →こちら
2011.7月 『古筆切 ともに楽しむために』→こちら
2011.6月 『伊万里・柿右衛門・鍋島 肥前磁器の華』→こちら
2011.4月 『燕子花図屏風と初風炉の茶』→こちら
2010年10月『南宋の青磁 宙(そら)をうつすうつわ』→こちら
2010年1月『観るやきもの・使ううつわ 陶磁器ふたつの愉楽』→こちら
2009年11月『根津青山の茶の湯』→こちら
2009.10月『新・根津美術館展 国宝那智瀧図と自然の造形』→こちら

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