兵庫県姫路市は22日、世界遺産・国宝の姫路城で2月1日から入城料をクレジットカードで支払えるようにすると発表した。「平成の大修理」を終え2015年3月に再オープンして以降、訪日外国人(インバウンド)の入城が増えており、利便性の向上を図る。城内に置くパンフレットの多言語化も進める。
VISAとマスターカードのクレジットカードが使えるようにする。これまでは現金か旅行会社が発行するクーポン券だけだった。カード決済が普及している海外からの観光客の「日本円の手持ちが少なく、城に入れない」といった声に対応した。
城内の外国語パンフレットは現在、英語、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語、フランス語で作成しているが、3月までにタイ語やドイツ語なども加え、合計で20カ国語前後まで広げる。日本政府観光局(JNTO)による国別集計をもとに、日本を訪れる外国人客全体の9割程度をカバーできるよう言語数を増やす。
姫路城の15年度(15年末時点)の入城者数は232万8000人に上り、日本の城郭の年間記録を更新中だ。そのうち外国人客は23万5000人で、14年度実績の8万3000人を大きく上回っている。姫路市は反動減による16年度以降の入城者数の落ち込みを抑えるため、インバウンド対応を強化する。