ホンダが小型ジェット機「ホンダジェット」の日本での受注を始めた。日本は欧米と比べてビジネスジェットの需要が少なく、欧米や中国などに遅れての投入となった。新たな需要を掘り起こして日本のビジネスジェット市場を拡大し、上昇気流をつかめるかどうかは未知数だ。 創業者の本田宗一郎氏が軽飛行機の開発を宣言してから半世紀余り。ホンダジェットは2015年に米国で1号機を引き渡してから、欧州や中国などに販路を拡大。小型ジェット機(重量5・7トン以下)の出荷数で17年に世界一となった。海外市場での実績をひっさげて日本市場への参入を決めたが、日本の小型ジェット市場は未成熟だ。
日本ビジネス航空協会によると、日本国内で運用されている小型機は官民あわせて90機弱。1万3千機を超える最大市場の米国とは大きな開きがある。小型機用の駐機場を備える空港が少ないことも、普及が進まない一因となっている。
ホンダジェットを手がける子会社、ホンダ・エアクラフト・カンパニーの藤野道格(みちまさ)社長は会見で「欧米諸国と同じぐらい購買能力のある層は日本にもいる。(小型ジェット機を)買いたい人は多い」と述べ、日本市場の開拓に意欲をみせた。