2015年3月28日付の朝日新聞に掲載されたこの記事。
「J1新潟、招待券廃止で勝負 集客減『今は我慢』」
昨年はアルビレックス新潟におけるチケッティング戦略の大幅転換点だったわけですが、
気になるその成果はどうだったのでしょうか?
本日2016年1月8日の日経新聞新潟経済面に田村社長への取材記事が掲載されています。
それによると、2015年の平均観客動員数はクラブがJ1昇格後最小(21,936人で2014年から約1,000人減)
となったものの、チケット収入は2014年よりも約5,000万円増の7億2,000万円ほどに増加。
つまり、戦略転換時の狙いはある程度達成されたという事になります。
(ちなみに記事によれば田村社長はチケット収入目標を10億円に設定されています)
これはクラブにとって非常に大きな成果といえるでしょう。
何故なら、過去の成功モデルを否定し、
新たな戦略を選択することには組織の内外から大きなプレッシャーがかかりますが、
自らの意思決定が間違いでなかったことをを数字で証明できたことで
スタッフは自信を持つことができ、戦略転換に懐疑的であった利害関係者からの理解も得られるからです。
昨年度のリーグ戦成績を鑑みると、現場の方の安堵感は非常に大きいと思います。
さて、新監督が就任した今年に大きな期待をするのは酷かもしれませんが、
チームが好成績を納めれば観戦者も昨年より増加することでしょう。
そうすれば、チケット収入はもちろん、飲食・物販収入、スポンサー収入のアップにもつながります。
クラブ全体の収入が拡大すれば、その分選手強化に投資できる金額も大きくなります。
中長期的に見れば選手年俸総額とリーグ戦の成績との間には強い相関関係がありますので、
強いアルビが見られる可能性も高まりますが、
そうなるためにはやはり継続的に売上を増やす戦略の立案と実施が必要不可欠です。
幸いにもクラブを物心両面で支える組織であるアルビレックス新潟後援会(年間1億円以上を支援)は
2013年に8年ぶりに会員数が増加に転じ、そこから2年連続で会員数が伸びています。
どうやら2015年度も昨年を超える見込みとか。
こうしたファン基盤の増加と、チケッティング戦略、
そしてチームの成績が今年は連動することを願ってやみません。