枯野

写真の楽しみ

問答河岸跡

2005-10-14 | 写真
  旧東海道の品川宿、今の北品川商店街にある「菊すし総本店」の角にこの碑があります。かって海岸先に波止場があり、3代将軍徳川家光が東海寺に入るとき、沢庵和尚が迎え出て問答をした故事に因んでいます。
 将軍「海近くして東(遠)海寺とはこれ如何に」、和尚「大軍を率いても将(小)軍と言うが如し」と。       
                          良識を示した麻生総務相
 麻生太郎総務相は、14日の閣議後の記者会見で、楽天が、TBSの株式約15%を取得し、経営統合を提案したことについて「民間の会社同士が合併するという話に関していいとか、悪いとか言う立場にない」と述べ、さらに「株主が経営者を選ぶのは分かるが、経営者は株主を選べないのじゃないか。それが嫌なら(株式を)公開しないことだ」として、TBSが上場企業である以上、株式が売買されるのは問題ないとの見方を示したと報ぜられている(14日東京新聞)。
 この発言は、今更いうまでもなく、極めて当たり前の基礎的なことであるが、先のニッポン放送事件以来、揃いも揃って各上場会社の経営者がこの基本的な認識に欠け、自己の立場の保身のみを図るべく、会社を私物化して乗っ取り対抗策などを講じようと画策していることが、端なくも白日のもとに露見されてしまった昨今、改めて上場会社の経営者達によくこころして戴きたく、その意味からしても、極めて時宜を得た適切な発言として注目されるところである。

 なお、「TBSは、企業買収に備え、第三者に新株予約権を割り当てていた。発行済み株数を増やし、買収者の出資比率を下げるポイズンピル(毒薬条項)の一種だが、株主総会の議決は得ていない。中途半端な買収防衛策との印象は否めない」(15日、読売新聞社説)との指摘があるが、このTBSの第三者に対する条件付き新株予約権の割り当ても、かって、突然大株主が現れたのに対抗して、ニッポン放送がその持ち株比率を下げる狙いから、フジテレビに対して大量の新株予約権を発行したのが、違法として裁判所によって差し止められたのと同様に、今度は、泥縄ではなく、時間的な隔たりを置いたというだけのことであって、本質的に何の違いもなく、明らかにやはり違法であり、「中途半端な買収防衛策」どころか、これもまた裁判所によって差し止められる可能性は、ほぼ100%といえよう。
 たとい、その新株予約権に基づく新株の発行に当たって、取締役会が設置した買収防衛策の是非を検討する第三者機関と自称する「企業価値評価特別委員会」のような機関の勧告をまって実行するとしても、このような取締役会が任意に選定した委員会では、裁判所が選任した検査役(会社法33条、207条)のような権威は全くなく、あたかも政府の審議会のような自画自賛の役割を果たす飾り物に過ぎない存在でしかないものであり、勿論、それによってその新株発行の違法性が阻却され、正当化されるものでは決してなく、法的には何の効力も認められないわけである。もとより、単なる営業実績の評価ではない企業価値評価の如きことは、取締役とその友人達(directors & their friends)によってなされるべきものではなく、あくまでも株主によって、かつ、株主だけによってなされるべきものであることを銘記すべきである。