枯野

写真の楽しみ

観音寺

2006-06-29 | 写真








                  

                       

株主総会の変貌

2006-06-26 | 雑文


                         アメリカ型の株主総会へ

 大和証券グループ本社の株主総会は、6月24日(土)午前、赤坂プリンス・ホテル(昨年までは、会社本店の会場)で、1,681名(昨年は、375名)の出席者により開かれ、12名の株主から質問があったが、平穏に正午頃終了、その後バイキング形式の昼食が出され、1 時過ぎから総研と堺屋太一氏の講演会があり(この講演会には、約1,100名が参加)、虎屋の羊羹のお土産付で、閉会したということのようである。
 会社の休日である土曜日開催というのも画期的であり(今後は、日曜日開催も考えられる)、また、古来、3月決算会社(上場会社の大部分)の総会は、法的な期限(会社法124条2項)ぎりぎりの6月末日(万一の事態を考慮して、1日の余裕を置いて6月29日午前10時)に一斉に集中して開催される一種の商慣行であったことからしても異例である。もっとも後者の6月29日午前10時集中開催については、総会屋の出席をできるだけ押さえる必要性も、以前に較べるとかなり薄れてきていることもあって、取引所の希望に沿って、かなり分散、回避されてきているようであるが。
 これだけ多数の一般株主の出席者で、広い会場で開催されるということになると、一言物申そうと意気込んで来た総会屋も、いささかシュリンクしてしまうことになろう。これまでとは違った意味での、アメリカと同様なお祭り気分のシャンシャン総会になるのは、必然である。
 このような傾向は、今後ますます強まることが予想される。株主総会の形骸化が日本でもこういう形で定着してくるとは、これまでの日本的風土からして、いささか意外ともいえる。もっとも、上場会社の場合、総会に付議される議案は、議決権行使書(または委任状)により、通常、総会前に事実上、原案どおり承認可決、成立しているわけであるから(会社法311条1項、2項、310条1項)、実際に開かれる総会がどうであるか(決議事項について活発な質疑応答が行われ、十分な審議がなされたか、それとも逆に「異議なし」、「異議なし」の連発で、何ら質疑応答などもなく短時間のうちに閉会となったか)は、いずれにしても総会の目的である決議の成立にはなんら影響するところもなく、関係もないのであるから、さして重要ではないわけである。この点からいっても、和やかに盛大に行われた今回の大和証券の例は、まことに結構なことで、大いに歓迎されるところといえよう。

[リンク] 会社法
[参考文献] 大阪証券代行代行部「アメリカの株主総会」(商事法務研究会)