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かくして殺人へ

2016年12月21日 | JDカー
「原稿料以外の収入を得る唯一の方法、映画に売れるようにする」(「推理の芸術」P78)
クイーンはそれを実践して「中途の家」から「ドラゴンの歯」までの作品を書いたと思われますが、
残念ながらそれらの作品は映画化はされませんでした。

盟友のカーもクイーンからの入れ知恵なのかどうか、映画脚本の仕事を受けています。
ハリウッドとイギリスの映画産業の差はあれども、カーも映画原作のほうが費用対効果がいい、
と思ったに違いありません。
おりよく創元推理文庫からカーの「かくして殺人へ」が文庫化されます。
場所は映画撮影所、死人は出ない、など「映画化してくれ」といわんばかりの設定と物語展開です。
このころのカー作品は、少ない登場人物と巧みなミスディレクションを駆使して
コンパクトなミステリになっています。
もしかすると、映画化を期待してそういった方向の作品構成にしていたのかもしれません。
「かくして殺人へ」はその努力が実ったのか、テレビムービーとして映像化されているようです。
(「奇蹟を解く男」カー書誌P43)
「かくして殺人へ」の評価はいまひとつ低いようですが、あえてこうしているんだ、と
カーおじさんが憮然とした顔で反論していそうです。
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2 コメント

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Unknown (後輩(無印))
2016-12-29 23:21:12
バーナード嬢を見ていたら、エクストリームアニメ先輩のことを思い出しました。
来たる1月期、ボクは何見たらいいんでしょう!
未見 (非哲学的先輩)
2016-12-30 00:10:49
ド嬢は、こっちで未放映なんだ。
ATXやDアニメっていう手もあるけど、
放映分だけで一杯なんだよ~。
表紙の黒い本がおしゃれとは思わんがなア。

どうでもいいけど、来期は「鬼平」だって言ってたじゃないか(^^♪

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