久々に字幕ナシで映画です。でも内容が単純だったので大体わかりました。
紀元前1万年前の物語ですが、もちろん完全なるフィクション。
ある日村を襲撃され、妻・エヴァレットを奪われた主人公は、彼女(と他にさらわれた村の仲間)を救う為、はるかなる旅路に向かう。
ここでポイントなのは村のオババ。
色々予言したりするが、旅の途中は一緒に旅をしているかの様に、彼らにおそいかかる困難を追体験していた。
旅の一行は、艱難辛苦を乗り越えて、同じ様に村を襲撃された集落の人々を仲間につけて、いつしか大軍隊へと形を変える。
途中、でっかくて凶暴なダチョウみたいな鳥が出てきたり、すっごくかっこいいトラが出てくるが、まぁ余興なんだなと思う。
私は物語にはかなりのめりこむ方なので、さらわれた人々が踏みつけにされたりしているのを、遠くから見る事しかできない状況とか、奴隷として過酷な労働にさらされている時の辛さとかを思うと思わず涙してしまったが、そもそもこの映画は内容自体は薄いと考えてよいと思う。
全体的にベタだし。
妻がさらわれた先は、王を神とあがめてピラミッドみたいなものを作ろうとしているほど文明の高い都市。力強いマンモスも、ここでは強制労働にさらされています。
しかし妻はその美しさから、奴隷ではなく、軍人の妻としてその身を売られる事に・・。
この軍人、エヴァレットに一目ぼれらしく、道中一度も手を出さないばかりか、部下が手を出しそうになったら、部下をムチで打つ事までした。
けっこう純情。
でもそれがアダとなって、その部下の密告により罪人扱いされるわけなんだけど。
妻を取り返したいだけだった主人公は、いつしか多国籍軍のリーダーみたいになって、みんなを導いていく。
これが俺の運命なのね。と目覚めるのは良いが、肝心の妻は軍人の引いた矢で死んでしまう。
なんてことだっ!俺は一体何のためにここまで来たんだ!!
しかしここでオババ再登場。
今まで旅の仲間だったくせに、急にヒロインに立場を成り代わったらしく、エヴァレットの最後の息吹の瞬間、オババが身代わりに死んで、エヴァレットはなんと生き返ったのだ!まさに奇跡!っつーかファンタジー!!
私はここで、「オババめ、ヒロインのつもりだったとは・・」と思ってしまいました。それとも今後、オババはエヴァレットとして生きるのでしょうか・・。
こうして奴隷も全て解放され、各々の集落へと帰る事に。
途中で稲作文化を教えられ、主人公の村にも稲作が導入されたのでした。
めでたしめでたし。
というのが全体の話。
さすが、としか言い様がないぐらい中身が薄い(っつーか行き当たりばったり)ですが、けっこう楽しかったです。
腹が立たないのは、製作者の能天気さが作品ににじみ出ているせいでしょうか。
日本では「紀元前1万年」というタイトルで4月公開。
http://wwws.warnerbros.co.jp/10000bc/
撮影がNZで行なわれたという話を聞きました。