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指導者とは?

2006-11-27 21:07:05 | weblog
ちょっと長い文章になりますが、まずはこちらのニュースをご覧下さい。
日本大学・長野久義外野手が急転日本ハム入りへ 鈴木博識監督も球団に謝罪の意向

要は巨人以外ではプロ入りしないと言っていた日大の長野(ちょうの、と読む)選手が日本ハムから指名され、最初は拒否していたが、一転して日ハム入りの方向になった、という話です。ここで私が問題視したのは、本人の態度ではありません。リンク先を読んでいただければわかりますが、日大の監督の発言が問題なのです。
日本ハムが指名した当初、
「事前に日本ハムから何の連絡もなかった。(長野が)一番行きたくなかった球団が日本ハム」
という発言をしていたことです。
結局、この監督は発言を誤りと認め、謝罪する意向を表明するのですが、それにしても感情的、かつ不適切な発言と言わざるを得ません。
指名の前に連絡をするものなのかどうかはともかく、意中でない球団から指名されたばかりに、その球団を「一番行きたくない球団」と言ってしまうその神経がわかりません。長野選手本人が言ったならまだわからないでもありませんが(本人が言っても褒められた発言じゃないけど)、何故監督が出しゃばってそういう発言をするのでしょう?監督は選手を何だと思ってるのでしょうか。監督は自分自身の意向で選手の将来を決めようとしているのでしょうか。思い上がりも甚だしいですね。ちょっと怒りを覚えた(無用な怒りだったかもしれないけど)出来事でした。

似たような例は高校生ドラフトでもありました。ソフトバンクと相思相愛と言われていた八重山商工の大嶺投手の交渉権がロッテに行った時の話で、八重山の監督が「ロッテの人間とは会わない、アメリカ人(バレンタイン監督)には気持ちはわからない」という主旨の発言をしていたことがありました。この時も私は疑問を感じましたね。進路を決めるのは大嶺投手本人のハズです。たしかに本人に大きな影響を与えた監督を無視するわけにはいきませんが、それにしても行き過ぎた発言です。沖縄の人、という点を差し引いても褒められたものではありません。たしかこの発言に対し、高野連から注意を受けているはずです。結局大嶺投手はロッテ入りを決めていますが、大変気になった一件でした。

で、何を言いたいのかというと、野球においてちょっと指導者が行き過ぎているケースがあるのではないかと。ドラフトの場合、実際に進路を決め、プレーをするのは選手本人です。監督の役割は大きいのはわかりますが、選手以上に行き過ぎた発言をするべきではないと思います。上記以外にもドラフトで指名を受けたある選手の監督が、「その(指名してきた)チームには出さない」という旨の発言をしています。もう少し考えて発言はしてもらいたいものですね。
また、ドラフトとは関係ありませんが、結構前に少年野球の監督がチームが試合で負けたために罰としてダッシュを尋常ではない回数をやらせて、その結果チームのエースが熱中症で亡くなり、チームは解散したという事件までありました。
ちょっと前にある野球解説者が日経新聞の連載コラムで、指導者の行き過ぎについて書いていたことがありました。「家にはうるさい奥さんがいて思うようにならないが、反面選手たちは子供であり素直で言う事を聞くから、つい行き過ぎたものになりやすい。家庭での反動が指導に出てしまう。」という主旨でした。家庭の事情まではともかく、選手たちをまるでモノのように扱う指導者がいることも確かです。
もちろん、ここに書いたことはレアケースで、ほとんどの指導者がちゃんとした人間で、行き過ぎたことはしないとは思っています。ごく一部の指導者が悪いイメージを抱かせているに過ぎませんけどね。
でも、指導する側の人間はもっとよく考えてほしいものだと思います。ただ野球を教えて上手になるようにすればいいというものではないですし、選手の一生を決める権利もありません。指導者とは一体何なのか、指導者自身がよくよく考えてほしいと思います。

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2 Comments

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石嶺発言 (沖縄在住)
2006-11-28 13:17:36
石嶺監督の発言について、正直、新聞などで知った時には驚きましたが…その後、いろいろ情報を集めてみると、マスコミが監督の言葉を大袈裟に、且つ本意とは異なるような表現をした、という事が分かりました。
まず、ロッテが嫌いとか、アメリカ人を馬鹿にしたような事は一切ない…という事です。沖縄に住んでいるからアメリカ人に対してアレルギーがあるか?否、逆です。沖縄では、基地の問題とアメリカ人個々とは別物で付き合います。ですから、個々の付き合いは、外から見る以上にフレンドリーなのです。
次に、監督がでしゃばりすぎ?
いや、石嶺監督と大嶺選手とは、実の親子か、それ以上の関係なのです。両親を早くから亡くし、不良グループに入ろうとしているのを、殴ってでも野球をさせた程愛情を注いで来ました。学費も監督の清掃作業を手伝いながら、足りない分は監督が出したほど…一監督としてではなく、親としての、全く私利私欲のない発言です。これは地元では広く知られた事実…
貧しい祖父母の家庭事情、肩を故障した過去、沖縄から近い比較的温かい福岡…そういう全てを理解していたソフトバンクに対して、ロッテは全くの白紙状態…会見時はほとんど頭は真っ白だったと推測します。
石嶺監督の名誉の為に…申し添えます

失礼しました
レス (あべしん)
2006-11-28 16:44:22
沖縄在住さま
コメントありがとうございます。なるほど、おっしゃりたい事はわかりました。こちらもマスコミの報道を鵜呑みにし額面どおり受け取ってしまう点は反省しなくてはなりませんね。ただ、今回の文章は選手以上に監督が目立ってしまう状態を憂いたものであり、必要以上に誰かを攻撃しようとして書いたものではないことはご了解下さい。
石嶺監督と大嶺投手の関係については私も度々テレビなどで見ました。実の親子以上のものが2人の間にはあることは理解しています。しかしながら進路を決める本人以上に監督が目立っていいものか?という素朴な疑問がありましたので今回書きました。監督を半ば悪者にしてしまうマスコミの報道も問題だとは思いますが、それを見て受ける印象も人により様々であると思います。

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