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日本の、東京の居酒屋巡りをお届けしてきたブログ・・
信州への転居に伴い、内容も一新してリニューアル!!

春ですね

2012年04月16日 | Weblog

春ですね。ふるさと福岡は既に葉桜と聞きます。東京も既に桜は散る季節。我が信州はこれからが桜の季節なんです。信州は広く、北と南に寒暖差があるため、1ヶ月近い長期間桜を楽しむことができる県なのです。
さて春は桜の季節ですが旬の素材も出回ってきます。長く厳しい冬の越え、スーパーや道の駅にもたくさんの野菜が並び始めます。
さて最近食べたおいしいものを少しご紹介。まずは伊那谷で収穫されたアスパラガス!太いのが7本くらいの束になり150円。20センチ近くあるアスパラを半分に切り、ピーラーで筋を取ったらストーブ鍋を温めオリーブオイルを垂らし、そこにアスパラを並べて3分程度炒めます。そしたら塩、コショウをふりかけ、さらにパルメザンチーズを上にかけ、フタをして1分程度蒸し焼きに。こんがりほくほくにグリルされたアスパラのソテーが出来上がります。アスパラの料理市場最高の味わい。ゆでてもおいしいですがゆでることで大事な栄養素がお湯に逃げてしまいますがこれなら全てを吸収できるのです。


そして道の駅や物産展で仕入れてきた春野菜を天麩羅に。フキノトウ、新タマネギ、肉厚しいたけ、シシトウ、レンコン。そして富山からやってきた白エビと、地場のニンジンは細切りにしてかき揚げに。これを抹茶塩につけて食べるわけです。かぁぁぁぁ~日本酒に合う。今宵は薄井君の大雪渓純米吟醸と、その後は高山の友人からもらった山車の大吟醸を合わせます。
天麩羅を揚げる際の跳ね返りの油でしょうか、顔が多少べたつきますがさわやかな気分です。やはり春は良い!


これからたらの芽や新筍も出てきますし、おいしい初カツオ、ホタルイカなど、旬の食材が食卓に並びます。幸せな季節です。

そしてイチゴ狩りに出かけたりもして。普段フルーツを食べない僕は何年分かのイチゴを摂取するのです。紅ほっぺうまし!!
食料研究が進む現代。たいていの野菜や果物、そして海産物は養殖や近代農業の発展のおかげで一年中何時でも食べることができます。それはそれで幸せなことですが、旬の価値観がやや薄まるのも否定できません。一年中スーパーに並ぶ食材にも必ず旬の時期がある。その旬をしっかり感じて体に取り入れることで人間の体は内面から季節を感じ、季節の力を飲み込むものです。本やネットで情報を仕入れ、旬の素材を旬の時期に見つけ、おいしく食することを忘れてはいけません。食道楽はその辺も大切にしなくては。


城下町ほろ酔い散歩2012春

2012年04月09日 | Weblog

昨年秋に松本市内の日本酒居酒屋4軒が主催し開催した福島の酒を飲む素晴らしいイベント。その2回目が開催された。今回は風林火山の姉妹店も参加して5軒の居酒屋を舞台にし、参加する蔵も2蔵増えた10蔵になり、イベントの質量共に充実した内容だった。

(ばんざい家でスタート。女将の挨拶で開会です)
昼の12時から7時までゆっくり飲み歩いた全てをここに記す事はできないが、どの蔵のお酒も個性があり、季節柄フレッシュな味わいに心地好く酔う事ができた。朴訥な語らいが微笑ましい若い蔵人の語らいも楽しかったし、「この酒は人肌より少し熱いくらいの燗酒が最高」と飲み方まで薦めてくれる敏腕営業も素敵であった。

(やり手営業マンは手を止めず口も止めず。すばらしい)

そしてやはりなにより松本に美味い酒を持ってきてくれた事への感謝と、このイベントを実現させた居酒屋店主とスタッフに感謝である。

 


(厨十兵衛さんのおつまみプレートおそるべし)

(NOMDOSのプレートはNOMDOSらしく。各店の料理の切磋琢磨も醍醐味)

(最後はホーム風林火山で店主と語らい。こでらんに、旨し!)

と、気持ち良くイベントに参加し、一晩考えてみたがどうしても納得できないことがある。書くかどうか迷ったがやはり書いておきたい。とある居酒屋に入店。僕と相棒はテーブル席へ通される。イベントだし、席数も限られるから相席になることなんて問題ない。酒を頼み飲み始めて数分。店主が現れ席を立てと隣のテーブルのお客さんに継げる。みな好意的に席を立つ。どうやらテーブルの配置向きが逆だったようでテーブルの向きをぐるりと180度回転させた。続いて僕らのテーブルにも席を立てと、丁寧でもないが雑な言い方でもない口調で継げる。こちらも好意的に席を立ち、テーブルがぐるりと回転する様子を眺める。店主は二つのテーブルの間にはめ込み板を付けて、二つのテーブルを繋げて大きなテーブルに変身させ、次に入店してきたお客さんをそこに入れたかったのだ。そこに問題はなにもない。限らたスペースを活かして一人でも多く席に通す工夫だ。がその後が悪い。テーブルを回転させることで最初に置かれていた酒やおしぼりも回転しており、ぱっと見どれが誰の酒かわからない。が、店主はそれで自分の役目は終わったとばかりに厨房へ戻る。僕らは相
席のお客さんと確認しながら酒を入れ替えつつ、席を移動し、更には新しく入ってきたお客さんの席を案内する始末。店の都合で客を立たせてテーブルを動かす以上、お酒やおしぼりの管理ぐらい店がやるべきでは?おしぼりくらい新しいのを出し直しては?ありがとうの一言くらい言ってみては?イベントの中で納得いかない唯一の事だ。更に料理の提供も遅いようで、僕らより先に来ていたご夫婦の料理は、僕らが短い入店時間を終えて早めに店を出るまで届かず。マンパワーが無いのはわかるが、接客まで酒店の方に丸投げ。店主の気持ちも温度も何も伝わってこない。残念な店だ。この店にも寄らなきゃいけないかと思うと次のイベントへのモチベーションが霞む。相棒とも次回はこの店飛ばして回ろうかと話しもした。
僕はサラリーマンだが、昔飲食業を5年間経験している。だから理不尽なクレームはつけないが、おかしいことにおかしいと言うためのメガネは持っているつもりだ。
この文章を書き、ブログにアップするまでにもう少し考えた。考えたなりの結論であえて書く。関係各位に悪いとも思うが書く。
やはりよくして欲しいと思うがゆえの事であると理解して欲しい。
でも他の時間は非常に楽しかった。酒蔵のみなさん。居酒屋店主とスタッフに感謝とお疲れ様の言葉を送りたいと思います。そして三回目待ってます!


久々に考える 我が町松本の居酒屋

2012年04月05日 | Weblog

松本へ来て5年。松本だけではなく信州と言う地域にずいぶん詳しくなったものだ。友人もたくさん増えたし、いろんな行事に参加し、信州の素晴らしさに触れた。そして何より松本にたくさんの行きつけの店ができたことがうれしい。
そこで今回は久々に松本の僕のお気に入りを評してみたい。賛否両論あるでしょう。これはあくまでも僕(少し嫁さんの)の嗜好と感性を文章にしただけのものです。その辺あしからず。

風林火山
大衆酒場のなんたるかを具現化している姿勢が素敵。松本の大切な店である。僕が松本と言う土地を愛せた土台はこの店に起因することが多い。この先10年後、20年後、風林火山がどのように松本の空気になっているかが今から楽しみである。というのも店主も理解しているだろうが、都会の大衆酒場のレベルにはまだ達していない。店主も知る「あのレベル」に達するには歴史と言うエッセンスが必要不可欠である。それは時間というものでしか作りようが無い。
信州と言う土地で醸される日本酒の価値を高めるための大役を担うポジションにいる事実に、店主自らが気付いてないのが笑えるが、間違いなく松本のこれからの酒文化の中心にあるべき店である。

サラリーマン
常連だけで成り立つという飲食店の王道であり理想像を見せ付ける名店。料理も酒も決して飾らない、いつも変わらぬ姿がここにはある。
毎日通っても苦にならない空気と価格帯。これぞ実は今時点の松本大衆酒場の最高峰かもしれない。
女将さんが一心不乱に焼くなんてことない焼き鳥はその辺の焼き鳥屋をしのぐ味わい。そして我ら松本イザケン認定の「松本一うまいモツ煮込」を出す店である。
こういう店をばかにしちゃいけない!人は、店は歴史なり!

そらのかなた
ここを飲み屋のカテゴリーに入れて良いのか迷うが、お酒を置く以上仕方ない。割烹というか小料理屋というか…ジャンルはわからないがここは松本屈指の名店であることに変わりない。
飲食業がサービス業である以上、いろんな意味で最高のサービスが提供できている数少ない名店である。料理、酒、器、空気どれをとっても満足できる。ここにくるとそれを感じる。居心地という言葉の意味を考える時、松本で外せない店である。


エイトオンス
松本にある飲食店の中で、東京に出しても恥ずかしくないレベルの店と言えば間違いなくここである。平出酒店が経営する立ち飲み屋であるが、この完成度はプライスレスである。
テーブルに置かれるスパイス、メニュー、お箸などの調度品の計算された無駄の無さと完成度は絶対真似できないレベルであり、松本唯一であり屈指のハイセンス。エイトオンスの魅力は低価格という点に当てられがちだが、それは違う。そのたたずまいこそが存在価値なのである。


以上が僕の好きな松本の飲み屋の代表格です。他にも素晴らしい店はあります。日本酒へのこだわりは松本屈指「厨十兵衛」。日本酒とフレンチの自然な融合「NOMDOS」。松本でモツを食すならここ「谷椿」などなど。まだ訪問したことのない名店もあるでしょう。
あと何年この町で暮らせるかはわからないけど、それまでに何度も通いたい店ができた幸運をこの先も味わいたいと思うのであった。