未来を考えるために、歴史から。

国際情勢と歴史について書いてみた。そんなに面白味なさそうな、興味あるない分かれそうだ。

製紙法伝来

2016-11-01 20:48:38 | 日記
先週、紙を発明したのは中国人という記事を書いた。現代では当たり前のように使われている紙は、中国から世界各地に伝わった。西側へは、アラブを経由して伝わった。きっかけは751年のタラスの戦い。唐(中国)VSイスラム(イラクのアッバース朝)の戦闘で、イスラムが勝利した。そのさなか、中国人の捕虜に紙すき職人が居た。紙をはじめて見たイスラム教徒は、その技術を取り入れ、紙はアラビアにも広まった。

ヨーロッパに伝わるのは、中世の後期である。最初に伝わったのはイベリア半島、今のスペイン・ポルトガルだった。12世紀にようやくヨーロッパ人が紙にふれた。時代が下がって15世紀のドイツでグーテンベルクが活版印刷機を発明し、書物の大量生産が可能になった。今日の刊本は、15世紀に洋装本が発明されたことで生まれた。

ちなみに、印刷術もはじめ中国で発達した。これは木版で、産業化はされなかった。最初のものは9世紀の「金剛般若経」であった。朝鮮でもヨーロッパや日本より早く紙を取り入れ、14世紀には金属活字による印刷ができた。グーテンベルクが15世紀の人であったことをふまえると、印刷術は西洋よりも東洋で先に発達したとみることができる。今ではヨーロッパ(欧米)が中国よりも多くの点で優位にある。しかし、少なくとも中世においてアジアの技術は、ヨーロッパの上をいっていた。最近、アジアの経済発展がめざましい。これからはアジアの国々が強くなるだろう。将来、アジアは欧米よりも高い技術を生み出せるだろうか。