FOOTBALL LIFE

~サッカーを中心に日々の雑感など~

レオニー

2010年11月09日 | 映画
先週本屋さんへ行ったとき偶然、入口のところに映画「レオニー」のポスターが張ってあった。今週の土曜日20日に全国公開されるそうだ。そのときは積雪があれば遠出の運転は危ないかなあと、前売り券を買おうかどうしようか迷って帰ってきたが・・・。

何年か前にアメリカ人と結婚しアメリカ在住というノンフィクション作家、ドウス昌代さんの「イサム・ノグチ」~宿命の越境者~を読んだことがあり、(今ではかなり内容も飛んでしまった!)、そのときはとにかく長い本で苦労して読んだという記憶が残っている。

その後札幌に行った折、郊外のモエレ沼公園まで足を運んでその感触を確かめてみた。彫刻家イサム・ノグチの最後の作品は、どこまで行けば終わりになるのかというくらい広大な敷地に作られ、大人も子どもも楽しめる遊びの空間だった。

芸術が一握りの人々のためだけのものであっていいのか、という思いはずっとあったようだから、これだけの大作を作るための大きな空間を、ここでようやく手に入れて実現したということになる。これが遺作となったイサム・ノグチが作る前に下見に訪れた、という映像を何かで見たことがあったので、なんともいえぬ気持ちで胸が一杯になったものだ。

今回のこの映画は朝日新聞でも紹介されていたが、女性映画監督、松井久子さんの第3作目に当たり、日米合作、7年の歳月をかけて作られた松井さん渾身の自信作だそうだ。ドウス昌代さんの本ではイサムの母親、レオニーにも触れられてあるが、当時の男尊女卑、封建性がまだ残る日本でシングルマザーを貫く困難さと、どこまでも英語を押し通すレオニーの頑固さをも描いていたような記憶がある。

この映画ではがんばる母親像だけではなく、レオニーの自我が表れた部分も隠さずに描いたということだから、その点は女性像を美化しがちな男性監督とは違う視点から描いているのではないかと期待している。

インタビュー記事では松井監督ご自身もお子さんがまだ幼いときに離婚を経験されているので、レオニーの生き様に自分が重なって見えるという思いを吐露されていた。今では立派に成長された息子さんがスタッフとして松井さんを支えているそうだ。久しぶりに映画館へ行く土曜日には、暗い画面に浮かぶセリフと映像からどんなメッセージを受け取るのか、今から楽しみ・・・。


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