9月26日土曜日、プレミアリーグ第7週、ここまで開幕6連勝で首位、負けなしだったチェルシーに試合前の予想では圧倒的に不利だったウィガン・アスレティックが本拠地ウィガンにあるJJBスタジアムで勝利。アーセナルにもマンチェスターユナイテッドにも木っ端微塵に敗れたチームが、見事な立ち直りを見せた。
何より興味深いのは1973年生まれ、36歳で最年少監督というロベルト・マルティネス監督。スペイン人なのに選手としてもイングランドのチームでプレーしていたという経歴を持つ。品格のある落ち着きと静かな知性、まっすぐな澄んだ瞳、これですっかりファンになった。
イングランド特有の長いパスを前線へ放り込むというサッカーではなく、ショートパスをつなぎながらのパスサッカーを志向、バルサのようなサッカーと言われたこともあるそうだ。
試合はチェルシーにパスを回されながらも、ウィガンの選手たちは執拗にボールを追いかけて守備をすると、チェルシーもなかなかいつものようにリズムが作れないでいる。
前半15分、普通に攻めたのでは得点は望み薄とばかり、ウィガンはよく考えてショートコーナーを使った。長いクロスにブランブルという選手が力強いヘディングシュートで先制点を奪う。これが幸先いいスタート。1-0.
スタジアムのカメラが白と青のユニフォームを着たウィガンサポーター、若いお母さんが赤ちゃんを《前抱っこ》して立ったまま応援している姿を映し出す。赤ちゃんにはスタジアムの騒音を遮断するのか耳当てのようなものをつけ、そのせいかすやすやと胸に抱かれて眠っているようだった。
1-0で折り返した後半46分、チェルシーはマルダのクロスを受けたFWドログバが至近距離からボールをネットに押し込んで同点にする。俄然勢いを増したチェルシー。
ところが50分、チェルシーのGKツェフがエリア内の相手選手の足を自分の足で引っ掛けて倒したとしてPKの判定。しかも1発レッド退場。これにより(元ミランの監督だった)チェルシーのアンチェロッティはマルダを下げて第2GKを入れる。アネルカとドログバの2トップは前線に残し、4-3-2に変える。
この交代したGKはなかなかしたたかで、蹴るボールを芝の上にセットしているウィガンの選手のそばまで行き、ずっと見ているではないか。これにはウィガンの選手たちが余計なことをするなと怒る。53分、プレッシャーをはねのけてロダジェガ(RODALLEGA)という選手が自分で勝ち取ったPKを決め、2-1とする。
技術では負けるが足では負けないとウィガンの選手たちは攻守の切り替え速く、ボールをつなぎながらよく動き回り、チェルシーの選手たちはそれを追いかけて次第に疲れが見えてくる。
その疲れが足に出て、とうとうチェルシーはDFアシュリー・コールが怪我でピッチの外へ。どうやら状態悪く戻れないようだった。すでに交代枠3人を使ったチェルシーは9人になりさらにピンチ。
なんとかチェルシーの攻撃をかわし漕ぎ着けたロスタイム、クロスに飛び込んだシャーナーが押し込んでゴールネットを揺らし、3-1となる。これでいよいよ勝利が近づいてきた。スタンドも経験したことがない勝利へ向かって、懸命の応援をしている。ついに試練を乗り越え、試合終了のホイッスル。
マルティネス監督は今までの対戦相手にはリスペクトしすぎていた。自信を持ってやろう。歴史を作ろうと選手たちを送り出したそうだ。1980年以来勝てなかったチェルシーに対して、スタジアムと一体になって勝ち取った歴史的な勝利。歓喜に包まれた選手たち、スタンドのサポーター。まるでドキュメンタリー映画のような緊迫した2時間。素晴らしい試合だった。
何より興味深いのは1973年生まれ、36歳で最年少監督というロベルト・マルティネス監督。スペイン人なのに選手としてもイングランドのチームでプレーしていたという経歴を持つ。品格のある落ち着きと静かな知性、まっすぐな澄んだ瞳、これですっかりファンになった。
イングランド特有の長いパスを前線へ放り込むというサッカーではなく、ショートパスをつなぎながらのパスサッカーを志向、バルサのようなサッカーと言われたこともあるそうだ。
試合はチェルシーにパスを回されながらも、ウィガンの選手たちは執拗にボールを追いかけて守備をすると、チェルシーもなかなかいつものようにリズムが作れないでいる。
前半15分、普通に攻めたのでは得点は望み薄とばかり、ウィガンはよく考えてショートコーナーを使った。長いクロスにブランブルという選手が力強いヘディングシュートで先制点を奪う。これが幸先いいスタート。1-0.
スタジアムのカメラが白と青のユニフォームを着たウィガンサポーター、若いお母さんが赤ちゃんを《前抱っこ》して立ったまま応援している姿を映し出す。赤ちゃんにはスタジアムの騒音を遮断するのか耳当てのようなものをつけ、そのせいかすやすやと胸に抱かれて眠っているようだった。
1-0で折り返した後半46分、チェルシーはマルダのクロスを受けたFWドログバが至近距離からボールをネットに押し込んで同点にする。俄然勢いを増したチェルシー。
ところが50分、チェルシーのGKツェフがエリア内の相手選手の足を自分の足で引っ掛けて倒したとしてPKの判定。しかも1発レッド退場。これにより(元ミランの監督だった)チェルシーのアンチェロッティはマルダを下げて第2GKを入れる。アネルカとドログバの2トップは前線に残し、4-3-2に変える。
この交代したGKはなかなかしたたかで、蹴るボールを芝の上にセットしているウィガンの選手のそばまで行き、ずっと見ているではないか。これにはウィガンの選手たちが余計なことをするなと怒る。53分、プレッシャーをはねのけてロダジェガ(RODALLEGA)という選手が自分で勝ち取ったPKを決め、2-1とする。
技術では負けるが足では負けないとウィガンの選手たちは攻守の切り替え速く、ボールをつなぎながらよく動き回り、チェルシーの選手たちはそれを追いかけて次第に疲れが見えてくる。
その疲れが足に出て、とうとうチェルシーはDFアシュリー・コールが怪我でピッチの外へ。どうやら状態悪く戻れないようだった。すでに交代枠3人を使ったチェルシーは9人になりさらにピンチ。
なんとかチェルシーの攻撃をかわし漕ぎ着けたロスタイム、クロスに飛び込んだシャーナーが押し込んでゴールネットを揺らし、3-1となる。これでいよいよ勝利が近づいてきた。スタンドも経験したことがない勝利へ向かって、懸命の応援をしている。ついに試練を乗り越え、試合終了のホイッスル。
マルティネス監督は今までの対戦相手にはリスペクトしすぎていた。自信を持ってやろう。歴史を作ろうと選手たちを送り出したそうだ。1980年以来勝てなかったチェルシーに対して、スタジアムと一体になって勝ち取った歴史的な勝利。歓喜に包まれた選手たち、スタンドのサポーター。まるでドキュメンタリー映画のような緊迫した2時間。素晴らしい試合だった。