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~サッカーを中心に日々の雑感など~

一つだけ例外

2013年10月11日 | ドラマ

 この頃のTVはニュースや情報番組、ドキュメンタリー番組、あとはWOWOWの映画くらいか…というほど見るものがないけど、一つだけ例外がWOWOWで放送されている中国ドラマ『項羽(こうう)と劉邦(りゅうほう)King’s War』。毎週土曜日、午前9時から2話放送されている。

 最初から見たわけじゃないんだけど、たまたま見ているうちに面白くなってだんだん引きこまれ、とうとう前半総集編まで辿りついてしまった。中国紀元前206~202年に全土で繰り広げられた楚漢(そかん)戦争を描いた…そうで、なんせ約35億円もの史上最高額を投入して製作されたとか。項羽を演じるのは台湾のスター、ピーター・ホー、劉邦は中国の国民的俳優、チェン・ダミオン…と聞いてもはじめて見る役者。二人ともなかなかいい顔しているよ。やっぱりリーダーだからね、それなりの品格とか、顔じゃないとピンとこないもの。

秦の始皇帝が死んだあと、その後が宦官の趙高(ちょうこう)に実権を握られ、長子は殺害され、二代目の皇帝にしてもらった胡亥(こがい)はいいように操られ、最後は自害を強要される有様。今では観光客で溢れている万里の長城、その後の始皇帝陵も当時の民衆は過酷な労働を強いられ、それから逃れようもなく各地で反乱が相次いだという。趙高を演じる役者がうまくて、この回あたりは朝廷ドラマを見ているようだった。

反乱軍の中で頭角を現したのが24歳の楚国、旧貴族の子孫項羽(ピーター・ホー)と46歳の小官吏、劉邦(チェン・ダオミン)。項羽は血筋もいいし、戦場では勝利を重ね、統率のとれた軍隊を率いて圧倒的な力を見せつける。一方の劉邦はせいぜい小集団の親分くらいにしか見えないけど、これが人望があって、項羽の軍勢に負けては慕ってくる子分たちに助けられるという対象的な二人。 

けれども項羽は勝利する度に増えていく何十万の捕虜たちに食べさせると自軍の兵隊は飢えてしまう、と降伏してきた捕虜たちを生き埋めにして皆殺しにしてしまう。なにしろすぐ殺してしまうのだから、周囲の者も怖くて何も言えなくなる。

その後、楚国の王が先に関中(秦の都があったところ)に入ったものを王とすると宣言、劉邦が先に入城し秦王を降伏させ、王になるとその事を知った項羽は激怒。側近は劉邦を殺せというが、劉邦は項羽陣営の中へ参謀の張良と出かけて行き、殺されそうになるところを何とか逃げ果せる。このときも張良(ちょうりょう)というかつて秦に滅ぼされて恨みを持つ韓人に助けられる。このあたりの緊迫したやり取りが面白かったなあ。

関中からあっさり引き上げた劉邦に代わって王になった項羽は、かつて秦の皇帝がいた宮殿も街も側近が止めるのも聞かず、燃やしてしまえと命令。強力な軍勢に守られていた項羽もこれでは人心が離れていくのも時間の問題。

劉邦は領地をもらって引っ込み、項羽は戦いに疲れただろうからと自軍の兵士を故郷へ帰し、自分も故郷の楚国へ帰るといい始める。ところが兵士はすんなり故郷へ帰らず…というところまで。まあ、最後は劉邦が項羽との戦いに勝つのだから、この後の展開がどうなるのか楽しみ。

なにしろ役名の漢字が難しくて、振り仮名をふってもらわないと読めない。日本人の作家もこのお話はいろいろ書いているらしいけど、そういうものは興味ないしね。おまけに中国の歴史はあまり覚えてないから、あちこち検索してはこっちもお勉強。綺麗な女優さんたちが何人も登場する。余り残酷シーンもないし、秋の夜長を楽しむには打ってつけ、見ごたえ十分のドラマ。 



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