統治のトリセツ

2018-01-23 12:42:45 | 司法試験関連

統治はの論文問題は,人権問題に比べれば遥かに定型性があり書きやすいのです。答案を書くとき(=勉強の時の)のポイントを示します。

統治は,背後にある大きな憲法理念から考えるのが常套手段です。立法権は民主主義,行政権は福祉主義,司法権は自由主義,地方自治は地方自治の本旨(住民自治=民主主義と団体自治=対中央との関係で自由主義)が背後に鎮座しておりますです。これらから翻って全て説明できるようにすればokです。

あと,「国民からの距離」をイメージすることも重要です。「主権者国民→国会→内閣→裁判所」です。国会・内閣までは,民主主義が支配し,結果多数派の意見が反映されやすい過程になります。また政治的過程でもあり,「ホットゾーン」です。裁判所は,自由主義が支配し,少数派の意見を守る過程です。そのため,非政治的プロセスであり「クール」な過程です。

間接民主制が原則で直接民主的制度は極めて例外的にしか認めない,ということも知っておきましょう。統治の論点は,三権分立でいう三権同士の権限の抵触の問題(これに国民の関与はどこまで許容されるか,というアレンジもあります。国民投票と41条,裁判員制度と76条などである),というのがあります。要は他の機関の権原を侵食していないか,という問題ですね。

それから憲法典は,「人権保障が目的で,統治機構はその達成手段に過ぎない」ということも忘れないようにしましょう。自由主義と民主主義の関係もあえて言うならば,「自由が主であり,民主が従」と言う関係です。

憲法の論文で現実に出てくる可能性があるのは,地方自治、財政,委任立法あたりでしょうか。少し毛色が異なりますが,私人間効力や部分社会の法理も要注意です。出たときに論点落とししやすいので注意ですよ~。

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