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ビクトリア空港の撮影地指南書

2016-02-01 22:45:00 | バス・航空機撮影記
いつもは半年遅れの役に立たない記事ばかり書いている弊ブログですが(他のビクトリア在住の人のブログ見てるととてもアレな気分になる)、今日はちょっと役に立つことを書きますよ。
題名にもある通りビクトリア空港で飛行機を撮影するときにおすすめな門外不出のスポットを教えてしまおうという記事だ。黙っててもしょうがないからね(´・ω・`)



ビクトリア空港はビクトリアのダウンタウンから約20km北にある空港。車で行くと30分位かかるんでちょっと遠い。
ビクトリアはブリティッシュコロンビア州の州都ですが街の規模はバンクーバーの方が断然巨大です(日本のように県庁所在地が県内で一番栄えているというようなケースは少なく、行政の中心と経済の中心は分けていくのが北米流のようだ)。
空港の機能もビクトリア空港は、カナダ西海岸のハブ空港であるバンクーバー国際空港から伸びるスポークの先っちょのひとつに過ぎません。それでもエアカナダのシャトル便がビクトリア~バンクーバーを1時間ヘッドで運航しているのを始めとして、地方空港規模にしては就航路線は比較的多く機材も多様性があり中々飽きの来ない空港だと思います。


そも、ビクトリア空港は元々カナダ空軍の軍事基地として1930年代に建設されました。当時はパトリシア・ベイ基地 RCAF Station Patricia Bay、略してパットベイ基地 RCAF Station Pat Bayとも呼ばれていた模様。
当初はパイロット養成基地、哨戒飛行基地および戦闘機基地としての役割を求められていました。全く目立っていませんが水上飛行機の基地も飛行場の西側にあり、こちらも民間飛行場として現役。が、1941年に日本軍がアメリカに戦争をふっかけると、後方の訓練基地から一転、カナダ西海岸の要衝として一気に前線基地に躍り出ます。
幸い戦場になることはありませんでしたが、大戦末期には日本陸軍がアメリカ本土を直接攻撃するためにばら撒いたふ号兵器こと風船爆弾の撃墜任務を担当していました。風船爆弾撃墜のために極秘で警戒レーダーを建設したりしていました。
戦後は軍事基地としての価値は薄れ、1948年にカナダ運輸省に引き渡され以降民間飛行場として運用されることになります。1952年にはカナダ空軍は撤退し、1959年に現在の空港名に名前が変更されました。
ただしカナダ空軍は1980年代後半に戻ってきていて、第443海洋ヘリコプター飛行隊が現在に至るまで駐留しています。時々飛んでます。

ちなみにビクトリア空港は英語だとVictoria International Airportと長ったらしくてかなわんので現地ではIATAコードの"YYJ"と呼ばれています。この記事でも以降はYYJと記します。

という経緯のYYJ、元訓練基地だったためかまず滑走路が3本もあります。しかもそれぞれが交差していて各方位を満遍なくカバーしているのでどの風向きで吹いても対応しやすいという、地方空港にしては贅沢な造りになっています。これは撮影時にはなかなか厄介になります。


色々書き込んだYYJの地図です。
まず滑走路。3本あると上に書きましたが、東西に延びるRWY09/27、南西から北東へ延びるRWY03/21、北西から南東へ延びるRWY14/32で構成されています。RWY14のアイコンだけ何故か半透明ですが深い意味は無いです。3本のうちRWY09/27だけが全長約2100m、残り2本が全長約1500mです。この600mの差は結構大きいです。
青い線は空港の外周を走っている道路で、どの方位からでも撮影できます。全長は約9kmで、ちょっとしたランニングコースです。実際、ランニングしている人達を見かけます。

飛来してくる機材は、小さいものでセスナ機クラスから、大きいものでボーイング737-800クラスまでです。ジェット機はあまり飛来して来ず、大半はプロペラ機が占めています。あとは、航空学校が併設されているのでよくセスナ機が飛んでいますし、カナダ空軍のヘリコプターが飛んでいるところも見えます。珍客としては、プライベートジェット機がたまに飛んできます。運がいいと古典機も来ます。日本ではお目にかかれない機材も飛来するので、運次第という面もありますが楽しもうと思えば結構楽しめる空港なのです。

さて、では実際に撮影に行こうとなるわけですが、飛行機はどの滑走路を使うのか見当をつけておく必要があります。大抵の空港は1方向の滑走路しか持ってないんで東か西かあるいは北か南かの二択で済むんですが、YYJはなにせ全方位をカバーしているのでどの風が吹いても最適な角度から離着陸できるのです。撮る方からすればたまったもんじゃありません。
事前にその日の風向きチェックは必須です。画面上で飛行機の航路を追跡できるflightradar 24を使ってどこから離着陸しているのかを実際に見てみるのもいいでしょう。ただし実は、flightradarはYYJではあまり役に立つともいえません(後述)。
どこの空港でもそうでしょうが、基本的には風上に向かって離着陸します。東西に吹く風であるなら使用滑走路はRWY09/27の一択である可能性が高いのですが、南北の風だとRWY03/21かRWY14/32か読みづらい部分があります。


が、使用滑走路が限定される機材があります。ジェット機、大型プロペラ機、航空学校練習機です。これらは必ずといっていいくらいRWY09/27を使用します。
滑走距離が長いジェット機は全長1500mの滑走路(RWY03/21とRWY14/32)は距離が足りないので使えません。ジェット機は必ず絶対RWY09/27を使うと言っても過言ではありません。ちなみにYYJに飛来するジェット機はボーイング737、エアバスA320、ボンバルディアCRJ、まれにボーイング727と小型機ばかり。これ以上の大きさになると全長2100mでも足りないと思います。
次に大型プロペラ機。これはボンバルディアDHC-8-Q400にほぼ限定されるのでこれに限った話をします。これも1500m滑走路だと心もとないのかRWY09/27を基本的には使います。ただし、RWY03/21とRWY14/32を使う場合もたまにあるので注意しておいてください。
最後に航空学校の練習機ですが、理由はよく分かりませんw 主に飛んでいるのは小型のセスナ機なんですが、1500mでも余裕なはず。不測の事態に備えて滑走距離を長めに取っている?くらいしか想像できやせん。まあとにかく、練習機もRWY09/27を使います。
あとはプライベートジェット機も09/27を使うと思います。断言できませんが。


逆に中型プロペラ機以下の機材、ボンバルディアDHC-8-300やサーブ340、ビーチ1900などコミューター機はどの滑走路も使用するので注意を払う必要があります。
この時特に着陸時の進入滑走路の予測をつけるのに使えるのがFlightradar24なのですがこれらの機材はオレンジ色のアイコンである場合がほとんどで、これはリアルタイムで表示される黄色のアイコンと違い5分遅れで表示されています。なので早めに見当をつけておく必要が有りにけりということで、やや使いづらいなあという印象です。


文章が長くなってしまったので再掲。
次は地図に示した撮影スポットをご紹介をば。RWY27から時計回りに行きます。参考写真は地図に載せてあります。
なお筆者の使用機材はSony α6000にSEL55210レンズ(55-210mm)です。航空機撮影界隈から見ると貧弱といえる装備でしょう(悲
スポット名はテキトーに名前つけたんでそんなに怒らないでちょ。あと、この記事を読んで撮影に出掛けて不利益を被っても当ブログは一切責任を追わないので、はい、一応お約束。

【RWY27 end on Ocean Ave. W】
オーシャンアベニュー・ウェスト沿いから撮影。RWY09/27がアクティブの時に使用。同滑走路を離着陸する機材を撮影可能。特に後述するRWY27 end at Canora Rd.はRWY27から着陸する(東から西へ向けて着陸する)機材を撮影しづらいのでこのシチュエーション時に威力を発揮します。
駐車場はないので路駐するか適当なところから歩いてくる。

【RWY27 end on Canora Rd.】
道路の行き止まりにある撮影地。駐車場があるので自動車でもOK。RWY09/27がアクティブの時に使用。同滑走路を離着陸およびタキシングする機材と撮影できる機会が比較的多いため、同滑走路が使われている時はここが安牌となるでしょう。
欠点は、金網越しの撮影になるためやや離着陸時の撮影がしづらいこと。特にRWY27からの着陸時は有刺鉄線と被りやすい(写真3枚目)。超望遠か脚立を使えば有刺鉄線をかわすのは容易いと思われる(どちらも実践経験無し)。こういう時は上記のOcean Ave.沿いから撮影するのがよいと思います。
なお、航空学校の練習機や個人のビジネスジェット機はこのスポットの脇に駐機されます。
上記2つのスポットは近くに路線バスのバス停があるのでそれを使ってのアクセスも可能。ただし本数は少ない。

【Victoria Flying Club's parking apron】
航空学校のビクトリア・フライング・クラブの駐機エプロンです。ここでは離着陸する機材の撮影には向きませんが、駐機している航空学校の練習機を見ることが出来ます。
運がいいと写真のような南昌CJ-6を拝めます。CJ-6同士で編隊を組んで飛んでいるのをたまに見かけるんで、ここをホームベースにしている可能性はあります。

【Observation lounge】
YYJターミナルビル3階にある展望ラウンジ。屋内ラウンジなので夏は涼しく冬は温かく雨にも降られない他のスポットと違ってアクセスも超簡単という非常に過ごしやすい環境なのですが、撮影環境としては下という評価にしかならんでしょう。
実質的に取れる画角は正面だけで、まともに撮れるのは1枚目に写っているエアカナダのDHC-8だけです。他のゲートに駐機している機材は全く撮れません。後はこのDHC-8の奥をタキシングしていく機材くらいです。
次に滑走路が遠く、一番遠いWY09/27だと写真2枚目のようになります。400mmくらいのレンズそれかテレコンがないとキツイでしょう、これ。
そもそも空港の撮影地開拓を始めたのもこのラウンジがあまりにへっぽこだったのがきっかけです。どうもいわゆる屋上の展望デッキはカナダには無いんじゃないか疑惑が私の中で話題ですが実際どうなんでしょうかね。バンクーバー空港にも無かったし。
それでも他のスポットにはないいい部分もありまして、駐機している貨物用飛行機を見ることが出来ます(写真3枚目)。ここが唯一まともに見られるスポットです。それでも望遠がまだ足りてないんですけどね。たまにボーイング727も飛来してくるので見かけたらラッキーですよ。なお動いているところはまだ未回収。

【Observation hill】
ターミナルビルの西側にある小さな丘。空港敷地内なのでアクセスは簡単だが、やはり画角が限定されるのであまり使えない。使えないので写真も撮っていない・・・。
こちら側からはボーイング737などボーディングブリッジを使用するような機材が駐機されるため、上記の展望ラウンジとは違った機材を見られる。が、ここから見て一番手前のゲートに駐機する機材しかまともに撮影できない。あとは手前のボーディングブリッジに隠れてしまうのだ・・・。
あとはタキシングしていく機材の撮影くらいしか取り柄がないといえます。

【RWY 03 end】
Willingdon Rd.沿いから撮影。付近の誘導路をタキシングする機材やRWY03/21を離着陸する機材を撮影可。ただし離着陸機は今のところ未撮影なので使いやすさは未知数です。
どうにか空港から歩いて行けるかも?という距離ですね。

【RWY 09 end on Willingdon Rd.】
RWY09/27を離着陸する機材を撮影可。私の場合は特に、RWY09から離陸する機材を撮影するときによく使います。

【RWY 09 end on W Saanich Rd.】
RWY09/27を離着陸する機材を撮影可。私の場合は特に、RWY09から着陸する機材を撮影するときによく使います。機体が向かってくる方向は海なので遮るものがなく撮影しやすい場所です。
航空学校の練習機もここをパスします。

【The former site of the hospital】
昔存在した病院の跡地に建てられた展望台。RWY09/27を離着陸する機材を撮影可。
望遠性能が貧弱だと写真のように鉄柵が入り込みます。というかまず終日逆光なので撮影にはあまり・・・。見る分にはいいと思いますけれど。
ちなみに公園においてあるような給水器が設置されていて、水分補給が可能です。

【RWY 14 end】
RWY14/32を離着陸する機材を撮影可。低木と被ることがあるのでそこはうまく工夫してください(


こんなものです、はい。後半になると書くのだるくなってしまっていい加減な説明に・・・。
RWY03/21関連のスポットが少ないですが、撮影に行った時にここがアクティブになることが少ないのと逆光になってよろしくないというのが理由でゲス。
というわけで、ビクトリアに来るようなことがある時は飛行機を撮るのもいいですよということでした。
本当書くの疲れた・・・。


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