交響詩篇エウレカセブン 第12話「アクペリエンス・１」 感想

謎だらけ。恐らく今回は５０話近く及ぶストーリーの中で色々な意味を込めて来たところだとは思うんですが、この回を単体で切り取っても恐らく分からない、ストーリーが進んで初めてこの回を見直す必要がある、そのときに５０話近くの話の中で今回の位置付けが分かる、そういう回だったのかもしれないですね。
ゆえに今回は、妄想・予想を膨らませて続きを待つ、僕はそういう楽しみ方をしてみることにします。

それにしても精神世界？での展開とは全く異なるように展開した月光号とイヅモ隊の対決、これは熱かった。
いやマジで燃える展開でしたよ。
だからこそ、そこで並行して展開するレントンとアネモネ、そしてエウレカの話も引き込まれた、そんな感じですかね。

僕個人としては何故か、その意味も分からないまま、ラスト近くのレントンとエウレカが手をつなぎ「一緒に帰ろう」というシーンに妙に感動してしまいました。

■お姉ちゃん
アネモネの「バスクドクライシス」を喰らって精神崩壊しそうなレントンが叫んだのは「お姉ちゃん」でした。
ここはやはりレントン少年の心の拠り所は第１話からここまで一貫してお姉ちゃんなんで、自分の命の危機を感じたときにお姉ちゃんの名前を呼んだということなんでしょうね。
＃この時点ではまだエウレカに対しては恋心だけだから、精神的支柱としては至っていないんだろうな。
＃あくまでこの時点では、なんですが。

そしてニルバーシュ(いや、正確には魂魄ドライブなのか？それとも阿弥陀ドライブなのか？)がレントンの「お姉ちゃん」という気持ちに反応したときに過ぎったのは、ニルバーシュがこれまでレントンが搭乗すると調子が良いということからも、ニルバーシュとお姉ちゃんが非常に近い関係性があるんじゃないかと思ったりしたんですよね。

あちら側の世界(コーラリアンの世界？)で一瞬ダイアンが映るのも印象深くて、この辺上手く言えないんですが、妙に関係があると思ったり思わなかったり。

エウレカのこれまでの対応・反応、そしてヒルダの今回の台詞からもコーラリアンにはエウレカは入った事があると推測されるので、二度目(以上)の突入となった今回、次週どんな台詞が出てくるか楽しみにしたいと思います。

■誰か夢判断してください(笑)
さて、先週の伏線は各人がどんな「夢」を見るのか？だったわけですが、レントンが見た夢？は教室から始まるものでしたね。
上から覗き込むレントンが客観視している自分、箱庭にいるレントンが自分の迷いや気持ち、そういう使い分けだったんでしょうか？

レントンにとっての教室は閉塞感の塊だったはずなんで、そこから逃げようとする表現は閉塞間に押しつぶされそうになる現実からの逃避？だったのか。
そして、冷蔵庫のアネモネ。
これは開けてはいけないパンドラの箱的意味だった？
うーん、分かりません(笑)。

■そうは言ってもポイントとしては
シャーク・アネモネ(笑)に喰われそうになるレントンに手を差し伸べて掴んだのがエウレカだったという点ですね。
第１話～第３話を考えるにレントンを閉塞感という現実から引っ張り上げたのはエウレカで、エウレカの「一緒に行こう」が起点だったわけですよね。
但しこの時点ではレントンがエウレカにとって必要だったから「一緒に行こう」と言ったのではなく、ニルバーシュにとって必要だから「一緒に行こう」だったわけですよね。

で、今回、あそこで手を差し伸べたエウレカはニルバーシュにとって必要だから手を伸ばしたというよりは、レントンに戻って来て欲しいと思ったから「一緒に帰ろう」という表現になって、そしてＯＰでも使われたあの「手を握る」シーンになったと僕は思ってるんです。

そう考えると最初の一緒に行こうからあの「手を握る」シーンに至るまでのレントンとエウレカの関係性の変化というのも徐々にではあるけれど、近づいているんだなぁとも考えることができて、あのシーンは妙に感動してしまいました。

「一緒に行こう」と「一緒に帰ろう」ここの対比というか、ここに至るまでの対比が絶妙だったなと。

■トラパーとは？
今回スカイフィッシュの台詞や、学校の先生のアゲハ蝶の講義なんかは、今後その意味がはっきりと分かる、そういう展開があると思うのですが、今回ではかなりまだ謎部分が多いですよね。

さて、恒例の妄想ですが、トラパーについて僕は結構見過ごしてしまっているような気がしました。

トラパーっていったい何なんだ？

物凄く初歩の疑問なんですが、これまで「ああサーフィンに例えれば波か」とか「エネルギーの流れ」だろ、とか「街のエネルギーは確かトラパー使ってるんだよな」とかそういう認識だったわけです。

第４話でミーシャが、

トラパーは人の心に直接語りかけ、その感情を左右すると言われている
でも、もしそうだとしたらその逆は本当にありえないと私たちは言い切れるのかしら・・・？
本当に・・・。

こういうことを言っているんですが、トラパーっていったいどうやって発生するんだ(一応地殻変動が起きると発生することにはなっているけど本当？)、何でトラパーは人の心に直接語りかけるんだ？とか、実は一番身近な謎だったりします。

ねえねえ知ってる？
世の中には理由のない悪意が山ほどあるんだよ

あたしにも理解出来ないし
あんたに理解なんて出来る訳もない

でもそれは、確かにいる
ほら、そちらこちらにいっぱい散らばってる

名前のない悪意がね

ここも人生での一般論として語っているような気もするし、トラパーが意思を持つものだとしたら・・・？とか考えてしまう。

アゲハ蝶の講義で出てくる「紫外線」、つまりこれはトラパーの例えなわけですが、そこで出てくる「知覚的な枠組みの違いが生物ごとに内在する」という言葉は、つまりトラパーが見える人々は生物として人間と異なっている、そういうことになるんじゃないの？

やっぱりトラパーってエネルギーという概念じゃなく、何か別の概念のような気がしないでもない・・・、今回はそんな妄想が大暴走していました。

■それにしても燃えた
戦艦バトルは相当燃えましたね。
音楽もカッコよかったし、ミサイルが駄目ならレーザー、レーザーが曲がるなら曲げて当ててやる、それでも駄目なら近接戦だ！！そしてお返しレーザー湾曲だ！！みたいな。
それにしても音楽カッコよいなぁ。

■次回
意識を取り戻したレントンとアネモネ、そしてエウレカの対面が非常に楽しみ。
今回のストーリーは恐らく単体では理解できない部分なんだろうけど、ここがパズルのピースをはめるように繋がってきたら鳥肌立つほど興奮しそうです。