3RD EYE STUDiOS
街角の映像制作下請け零細業者のブログ




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映像制作をやっていて避けられないのがナレーション録音とそれに伴うスタジオに入ってのMA作業である。MAとはMulti Audioの略で、つまりマルチトラックを使っていろんな音をMIXしていく作業を昔そう呼んでいた名残である。今やすべてデジタル化されたのでフリーソフトでも100トラック可能なくらいなので、いまどきMulti Audioもクソもないのだが今でもMAスタジオと呼んでいる。それはさておき、僕はこのナレーション録音が大嫌いなのだ。


都内某スタジオのナレーションブース。いつもお世話になっています。

何もかもがデジタル化されて、MA作業なんてノウハウさえあればパソコン内で完璧にできてしまう。昔みたいに色んなトラックを入出力する大きなミキサー卓なんて必要ないし、リアルタイムでMIXしなくてもタイムライン上で作業して2MIXのWAVファイルに出力してしまう方が早い。のに何がうれしくてMAスタジオに入らねばならないか。


ウチのモニタースピーカーはFOSTEX。カッコいい。

それはひとえにナレーションブースというハードウエアだけがどうしても置き換えられないからだ。ナレーションブースというとカッコいいけど、要するに防音室だ。

僕がMA作業が嫌いな理由。

  1. スケジュール調整してスタジオを抑えるのがめんどくさい
  2. スタジオ搬入用にすべての映像、音を自宅PCから出力して持って行くのがめんどくさい
  3. MA中に絵音に影響がある直しが出たら対応がめんどくさい
  4. MIX後に直しが出たら何もかもやり直すのが超めんどくさい
  5. 箱によって音が違うので直しが出たら同じスタジオの同じ箱を確保しないといけないのがめんどくさい。
  6. 何よりMAスタジオに行くのがめんどくさい

と、要するにめんどくさいのだ。どんだけ無精やねんという話なのだが、ほんと毎度毎度忙しいとMA室に行く移動の往復1時間は相当な無駄だし、さらにそのための準備、そのために止まるすべての作業、いろんなことを考えるとMA作業のために犠牲になることはバカにならない。 なので何とかしてナレーション録音を自宅で出来ないかともうずーっと考えていた。そのために必要なのはナレーションブース=防音室。


うちのノイマン。そう、廉価版です。。仮ナレはこれで録音。

欲しい欲しいぞ!作りたい!

10年以上昔、2chのDTV板で、もうスレッドのタイトルも忘れてしまったのだが、大阪の映像制作会社の社員さんが立てた「社長に命令されてナレーションブースを自作するはめになったから手伝ってほしい!」的なスレッドがあって、これが超おもしろかった。毎日のように出来上がっていくナレーションブースのようすと、奇怪な社長さんや奥さんたちの行動が記されて、あまりにおもしろくて僕もよくカキコしていた。そのときはナレーションブースを作ろうとは1mgも考えてなかったんだが、へ~ナレーションブースって自作できるもんなんだ~、とけっこうなインパクトだった。。いまとなってはなぜそんなものを作っていたのかよく分かるのだが、映像制作会社さんで自前のナレーションブースを持っていらっしゃるところもけっこうあるのではないかと思うがどんなもんだろうか?

あれからもう10数年。

いまや様々なユニット式の防音室が出ており、価格もだいぶ下がってきた。ついに実現できるかもしれない!と思い始めたのが2年ほど前。いろいろ防音室の見積もりを取ったりして、ようやく実現できるかもというところまで漕ぎ着けた。というわけで、新しいこのシリーズ(?)。次回は様々なナレーションブース(防音室)を紹介したい。

ほんとに作るかはまだわかりませんが。


うちのオーディオインターフェースはスタインバーグ。IEEE接続なんでちょっとめんどう。



コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
防音室 (ふじのん)
2012-04-04 12:24:30
うちは当初ホームシアター仕様で20畳の部屋を作ったので多少の防音になってます。ただ簡易防音なので横の道路を大型のトラックが走ると低音のゴーという音が多少入ってきますが…田舎なので頻度は少なくどうしてもうるさいやつが走ったときは録り直します(笑)
仕様は一般木造民家で壁を石膏ボード+コンパネ+石膏ボードの3枚構造にしてグラスウールを100mmのモノにした程度です。なので追加費用は余りかかってません。
これに鉛シートでも挟めばトラックの音も跳ね返したんでしょうけど。
もうひとつ、窓を作ってないということです。
窓の防音はけっこう大変なのでどうせ真っ暗にするホームシアターだからということで換気用の小さな鎧戸を付けたくらいです。
あと、録音を始めて残響が多かったので吸音用のウレタンをあちこちに貼ってます。完全な無響室まではいきませんが適度な艶が残る感じです。

スタジオ内は常設でグリーンを貼ってるので同録スタジオとして使ってます。
またナレーション録音もブースでなくそのままオープンな形で録ってます。ナレーターには好評のようで録音してすぐ波形を一緒に見ながら「ここがちょっと強すぎるから抑えて…」とか指示もできるので。
PCのファンノイズが気になるので静かなPCにしてます。

参考までに。
 
 
 
素晴らしい環境ですね。 (3RD EYE(管理人))
2012-04-04 16:45:27
> 波形を一緒に見ながら「ここがちょっと強すぎるから抑えて…」

なんか素晴らしい環境ですね。うらやましいです。クライアントさんもお見えになるんですか?もしそうならなおのこと羨ましい。。

結局、周囲の音をシャットアウトできればなんでもいいんですよね。。。ただMAって最後の儀式的なことがあるので立派なスタジオで、、、みたいなことは結構いまだにありまして、、
 
 
 
Unknown (ふじのん)
2012-04-04 17:52:14
ローカルの低予算CMなんでほぼお任せ編集、MAです。
発注から納品までネットで顔を合わさずなんてこともけっこうあったり…(笑)
 
 
 
低予算お任せ、、 (3RD EYE(管理人))
2012-04-04 20:15:21
僕も今回のNAブースは基本低予算お任せ仕事で使おうと考えています。

安く上げるための武器になるかな、、と。

また何か疑問がありましたら教えてください~!
 
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