もういい加減この話題はいいかな、と思ったんだけど、ごく簡単に。ラフォレ先生が新しいエントリを立てられて、今まで情報がなかったMajesticモードなるものに言及されているので追記。Majesticモードとは独りでMoVIを操作するための方法らしく、この開発に相当の工夫が必要だったらしい。特許出願中だそうだ。前々回のエントリで、「3人必要」とDPさんが書いたのをそのままにしておくと、相当な誤解を生みそうだったのでなんかちょっと責任を感じてごくごく簡単にご紹介。
MōVI Update – Answers to common question MōVI、質問に答えます!
以下抄訳
MōVIのテスト動画は一切ポスプロでのスタビライズはしていない。すればもっと滑らかにできるだろうと思ったがわざとそのままにした。
MōVI M10は10ポンドまでいけるのでほとんどのカメラに対応できる。C300、F55も大丈夫。
ただし重心をとらないといけないのでレンズを交換するたびに5分くらいの時間が必要。重心が変わらないズームレンズがあれば最高だろう。
MoVIを買うと、リグとリモコンがついてくる。リモコンはRCラジコンのようなもの。バッテリもついてきて1日はもつ。
リモコンにsmallHD via Vincent Laforet's Blog
開発に非常に苦労したMajesticモードがあり、独りで簡単にMoVIを操作できる。特許出願中だ。
そして二人で操作するということはDPにとって福音であろう。ステディショットでDPはいままでちょっと画角を変えたいと思っても何もできなかった。ステディカムオペレーターに何もかも任せなければならなかった。それが自分の手元で操作できるようになるのだから。
ステディカムは物理的なバランスが全てで操作中カメラに触ることはご法度だった。MoVIは電動なのでその点、多少融通がきく。とは言ってもやっぱ触れないので被写体との距離が複雑に変わるショットではワイヤレスフォローフォーカスが欲しくなるだろう。
そして優秀な第一撮影助手がいると相当助かるはず。
フォーカス、アイリス、ズームを一体化するリモコンも将来的には出す予定
ステディカムと同じ点がもしあるとすると「バランスを取る必要がある」という点。3軸にバランスが取れてないとモーターに負荷がかかる。(訳注:前回のエントリ にこのことが詳しいです)。バランスとるのは慣れれば5分くらい。
MoVIはステディカムほど熟練を要しない。何年もかからない。数日練習すればOK。
ああ確かにこの操作はムズそうだ。でもおもろそう! via Vincent Laforet's Blog
特にビデオゲームをやりこんでコントローラーの操作に慣れている人は習熟が早いだろう。
値段が高いという人もいるかもしれないが、時間と勝負のプロの現場を考えると破格(訳注:これは僕は全面的に同意)
スライダーやドリーを使ったことがあれば分かると思うが、ちょっと高さや位置を変えるだけで何十分もかかる。MoVIなら一瞬。
5D Mark IIほどゲームチェンジャーじゃない、っていうけど自分はそう信じているし長い期間をかけて変わっていくだろうと思っている。5D Mark IIが出たときどれだけ周辺機器が悪夢だったか、覚えてる?(訳注:覚えてます)
ということです。なのでMagesticモードっつうもんがあるっていうことを、いちおう膾炙しておきたくこのエントリ立てました。ただしそのMajesticモードがなんなのかはまだ分かりません。
それにしても今年のNABはRED DRAGON 6K、BMCC 4K、KiniRAW mini 2K、Phantom Flex 4K、FS700+Odessey7Q、と、もうHDは相手にされてませんね。大変だ。
前々前回のエントリ にも書きましたがMoVIのGH3で撮ったエクストラフッテージがVimeo On DemandにUPされています(VODへのリンク )。1本3ドル。売上は全額寄付。寄付先は Lollipo Theater Networkという団体で、病院から出られず見たい映画も見られない子供たちに映画を届けたいという団体です。よかったらぜひVODをご利用ください。MoVIに興味があれば見る価値はあります。
※追記
やっとNABでの実機レポートが出てきました。この動画での状態がMajesticモードだそうで、ジョイスティック(リモコン)で操作するのではないのだと。先生が話している内容は基本的には上に書かれているのと一緒。Jared、もっと先生にマイクを近づけてよ~、、Jaredの声が一番でかい、、、
Movi at NAB 2013 with Vincent Laforet
そしてこれはNAB会場のラフォレ先生の部屋と思われる。当然こういう応用はいくらでもきくよね。楽しそう!!!
MōVI was just the beginning (Vimeo)
この短いビデオが一番分かりやすい。カメラの手渡しや独りモードの形がよく分かる。
Movi by ProVideo Coalition (Vimeo)
こちらはNewsshooterのレポート。記事によると 今夜3000ドルのデポジットで予約受付。秋ごろ出荷予定だそうだ。秋かあ。。
Vincent Laforet talks mobility, money, and MōVI (Vimeo)
このビデオがいまのところ一番Majesticモードのことを説明しているだがやっぱりよく分からない。リモコンを使わず、「オペレーターの動きを理解しパンやティルトができるテクノロジーだ」と先生はいっている。確かにやじろべえ式のスタビライザーだとカメラに動きを伝えるのが難しくそこが大変なんだが、MoVIはそれがうまくいくということなのだろうか?特許出願中というその技術のキモがやっぱり分からんのだが、誰もそこを突っ込んでくれない。。
もう一点、リグは折りたたみ式で、たたむとフラットになるので相当コンパクトだということ。それはいいね。
※追記(2013.4.10)
双葉電子 のリモコン、8FG super (14(12+2)ch-2.4GHz 専用モデル) だということが分かりました。であれば日本での使用も問題なさそうかな?(※追記:ダメだそうです)
※追記(2013.4.11)
新しいBTSがUPされてた。これみると運用の方法が非常によく分かる。オペレーター間の手渡しも非常にスムーズで、クレーンが要らない、、、という意味が分かる。
Passion for Motion - Behind the Scenes (Vimeo)
このインタビューが最も説明が詳しい。5年前からラフォレ先生はFreeFlyと仕事をしており、かなり前から「ジンバルをヘリから外して手持ちにする」というアイデアに取り組んでいたらしい。ただ外して手持ちいしただけではなくソフトウェアの開発がキモだったと。いくつか重要なことを話している。
1)2人操作とMajesticモードはシームレスにつなぐことができる。(2分あたり)
2)Majesticモードのときステディカムとの最大の違いは、トルクをダイヤルで変更でき、例えばピタっと止めることもできる。ピタッと思い通りに止めるのが熟練したステディカムオペレーターの技だが、MoVIはその訓練はいらない。(2分30秒)
3)カメラの角度を変えるのも簡単。カメラを真下に向けることもできる。(6分30秒)
FreeFly Movi M10 camera stabilizer (Vimeo)
※追記(2013.4.16)
NextWaveDVさんはどのインタビューも突っ込んで聞いてくれるんでどれも素晴らしいけど、これもいい。「MoVIを見た人はみんな『こんなの新しくないしオレでも作れるよ』っていうけどどこが違うの?」。いい質問だ。答えは、、、、
NAB 2013: Freefly MoVI M10 Camera Stabilizer with Advanced Gyro & Gimbal
こちらのビデオはラフォレ先生みずからの解説。ピタっと止まる様子がよく分かる。
NEW Hands On with the MoVI Camera Stabilizer from FreeFly - NAB 2013
片手でパン・チルトができるsteadycamとなれば画期的な製品かと。
sonyの空間光学手ブレ補正も同じような制御かと思いますが、こちらはパン尻がぴったり止まらず少し戻るようですので非常に難しい技術かと思います。
上のNewsshooterの動画みてると、どうも「オペレーターの動きを感知してパンティルトできる」ってふうには見えないんですよね。。
ただ仰るようにSteadycamの左手操作のようなものは必要なく出来るっぽい。。。
ううむ。続報を待ちたい。。
あ、また横道逸れますが(すみません!)Odyssey7QのFS700記録、2KがCinemaDNG、4KはDPXフォーマットだそうですよ~!
それはもっとも気になってたところというか、3軸ではやっぱムリですよね。
つまり5軸でないとダメというか。
パン・ティルト・ロール、に上下&左右の動きをカウンターさせないと。。。
もともとヘリは急激な上下の動きはないわけで必要なかったんでしょうね。
https://vimeo.com/63672082#
↑
これですよね!!FS700化け物になりましたね!!
良かった~FS700買って。。。F5、F55は残念な感じになっちゃった。。。。
リモコンとおっしゃっているプロポに関して、勘違いなされているところがあるようなのでコメントさせていただきます。
海外で売られている8FG SUPERは、国内の技適を通っていないため電波法違反になりますが、国内向けの8FG SUPERであれば問題はありません。
ちなみに、プロポはMOVI専用ではなく、RC向け汎用品ですので、8chの送受信機であれば8FGに限らずどの機種でも使える筈です。
電波法繋がりでもう一点。
プロポに付いているモニターとMovi間での映像の送受信です。
MoViの映像通信方法は明らかにされていませんが、wifiにせよビデオトランスミッターにせよ、Moviデフォルトをそのまま使用すると、電波法違反になる可能性が高いです。
少なくとも、国内技適を受けているビデオトランスミッターにコンバートする必要があります。(有名なのは塚本無線のWTW-TR23)
業務での使用となると、コンプライアンス云々と面倒なこともあるかと思いますので、導入される際はそのあたりも含めての運用を考えた方が良さそうですね。
おおそうなんですね。情報ありがとうございます。ではサイアクの場合、技適を通っているプロポを買えば問題なく使えるんだ。なるほど。
映像のトランスミッタに関してはParalinx社のものを使っていると言っているので、このMoviセットには含まれないようです。自分で用意しなければならない。
例えばランサーリンクさんのとかが有名かと。
http://lancerlink.shop24.makeshop.jp/shopdetail/001005000008/
10年ちょい前に同じような映像を得るには、ワイヤレスの3軸リモートヘッドのロールビジョンとステディカムの組合せで行いましたが大変でした(^_^;)
操作に習熟したオペレーターが2人必要だし重いし、パンとティルトはどっちでしようかな?なんて事でしたし(>_<)
現在はMK-VのARが5、年くらい前かな?
誕生したので操作は1人で行えるようになりましたけど、重いのは変り無いですからね(>_<)
まぁ、どちらもかなり特殊な機材です。
フォーカスはやはり別の人が操作せねばなりません。
早くMoVIを試したいで~す( ´ ▽ ` )ノ
どもです!
同じような技術はあったにせよ、「今だからこそ」可能になったのかもしれませんね、そういわれてみると。
この機材でもう一点、ラフォレ先生がそうとう強調していたのが「現場の時間を買う」という点で、それも時代の要請なのかもしれません。。
あと、まるめさん。いままで僕にとって「お遊び」に過ぎなかったステディショットを、真剣に考える良い機会になってます。
なぜ、ロッキーのフィラデルフィアはステディカムである必要があったのか、、、
ロッキーの中の件のショットについては、
DVDか何かの特典映像でステディカムの
誕生秘話的なコメンタリーを、
ギャレット・ブラウンさんご本人が
為れていたのが在りましたね(^_^)
私個人は基本的には、お芝居に寄り添う為に
とても効果的では?と常々感じて止みません。
しかしながら最近は、その便利なところを
活かそうとするシチュエイションに多く
当るような気がします(^_^)
時間の無い中、レールを敷設せずとも
移動カットを稼げてしまう、など
でしょうか?
CMなどでは身体に装着するソフトマウント
よりも、寧ろドリーやカートなどとの併用で
あるハードマウント、ビークルマウントの
方が多く活用されているのでは?と感じます。
MoVIにも弱点がイロイロと(例えばピッチの
コントロールはどうやら苦手?など)
在る事が、ご紹介頂いた様々な映像から
伺う事が出来ました。
やはり特機と言うか、道具と言うモノは
適材適所なのだなァ、と改めて知る
好い機会になったような気がします(^_^)
今回のMoVI騒動でラフォレ先生も含めたくさんの人が「じゃあその絵で何を伝えたいの?」が一番重要って言っていたのは面白かったです。
カメラがグルングルン動くはいいけどそれ意味あるの?って。機材の発達と共に、三脚のショットのほうが良くない?って思うようなカットも今後増えてくるかもですね。
僕自身ほんと映像文化や歴史にムチなのでステディショットの意味をこれからボチボチ考えていきます。。。。ご教授ください。。