実質的価値をシビアに考える

最近、ご両親がまさに日本家屋という建物を残し他界されたというお話しを伺いました。
どうするか迷われているようでした。

確かに財産は、それを有していた人の心や思い出等を内在しています。単なるモノとして
扱えないのは、当然のことだと思います。しかし、ここはシビアに経済価値を判断される
ことを、お勧めしました。

現状の建物に、そのまま住めるなら、ご自身で住まなくても、それを賃貸しても良いかも
知れません。そのままでは住めないとしても、古民家好きの人達に、改装を許可して貸す
ケースもあり得ます。今、古民家はブームとも言えるかも知れないからです。
しかし、問題はあと何年建物が持つかだと思います。たとえば、あと10年持たせるために
多大な修繕投資が必要になるとするなら、解体を考えた方が合理的かも知れません。
建物の寿命と、修繕費用を見極めながら、無理のない選択をすることが肝要です。

例えば、マイカーを高額で買った時でも、その車が数年先に売却可能なら、購入時に
支払った金額ではなく、購入額と売却額の差が、その車の実質価格だと言えます。

生命保険をはじめとする保険も同様で、将来“解約返戻金”があるタイプの保険なら、
支払った保険料と受取った解約返戻金の差が、その保険の実質コストになるわけです。
生命保険の基本は死亡保障にありますが、その実質コストの考え方には、十分な注意が
必要です。
保険の見直しでもそうです。既契約保険を継続した場合と、新たな保険に切り替えた
ケースを、合理的に比較して選択する必要があります。そして、適切な選択をされる為に
正確な情報を集められることを、強くお勧めいたします。