徒然草紙

読書が大好きな行政書士の思索の日々

妖怪大戦争観ました

2005-08-27 11:49:16 | 日記・エッセイ・コラム
「妖怪大戦争」を観てきました。とっても面白かったです。

昔の「妖怪大戦争」とちがって、今回は戦争は描かれて
いません。ダイモンVS日本妖怪といった図式では描か
れていないのです。

代わりに描かれるのが、お祭りです。盆踊りです。ええ
じゃないかと狂喜乱舞する妖怪たちです。

そこでは、敵役となる加藤保徳と彼に率いられるヨモツモノ
は完全に浮き上がってしまっています。「東京がどえりゃ~
ことになってるだぎゃ。」(言い方がちがっていましたら、お許
しください。)とか言いながら、全国から集まってくる妖怪たち
の圧倒的なエネルギーの前に、加藤保徳の怨念が吹き飛ば
されてしまったという感じです。

加藤保徳と、それに立ち向かう麒麟荘子といった戦いの
構図がどこかへいってしまって、あるのは、絢爛たる百鬼
夜行の世界のみ。どこに戦争があるのだろうといった感じ
です。

製作者の意図はどこにあるのだろうと、考えてみますと、
これはもう形を変えた反戦映画ではないのかと、突拍子
もないことを思いつきました。

妖怪たちは、加藤保徳とヨモツモノを倒すために集まって
くるのではありません。東京でなにか面白いことが起きてる
みたいだ。みんなで騒ごうぜ。こんなのりで集まってくるの
です。そこには、戦いの悲壮感などみじんもありません。

また、ヨモツモノが大爆発を起こして、吹き飛ぶときに、さあ!
盛り上がって参りました!とばかりに、いっしょになって飛ば
されていく妖怪たちの姿をみていると、加藤保徳とヨモツモノ
の怨念に象徴される、戦争を引き起こす「業」といったものを
笑い飛ばしているような思いがしてたまりません。

戦争なんてつまらないことはやめてみんなでワイワイ騒ごうぜ。
こんなことを、映画に登場する妖怪たちが言っている気がします。

映画のラストで、水木しげる扮する妖怪大翁の「馬鹿言っちゃい
けません。戦争は腹がへるだけです。」というセリフは、とても重
いと思いました。戦争で片腕をなくし、九死に一生をえて帰還した
水木しげるにして、はじめて言える言葉だなと思いました。



遺言状その11 遺言執行者について

2005-08-15 15:15:27 | 遺言状
自分の死後、家族やお世話になった友人のために、
遺言状で、財産の分割方法についてきちんと決めて
おくこと。
このことが、遺産をめぐるトラブルを事前に予防する
ために重要であることは、何度も書いてまいりました。

そこで、次に大事な点は、遺言状の内容を確実に履
行していくことです。

遺言状を書いておけば、あとは、残った家族や友人
がなんとかしてくれるだろう、というのはひとつの考え
方かも知れませんが、現実にはどうでしょうか。

遺言状の内容を現実にしていくためには、相続をする
権利をもつひと全員の協力が必要な場合があります。

たとえば、遺言によって被相続人の預金を相続した人
が、預金の名義を変更する場合には、相続人全員の
印鑑証明書が必要です。

このような場合、他の相続人が気持ちよく協力してくれ
ればよいのですが、そうではない場合には、どうなるで
しょうか。
最終的には、印鑑証明書をくれたとしても、思いもよら
ない時間がかかってしまうかもしれません。

そこで、考えられるのが、遺言執行者の選任です。

遺言執行者には、遺言の執行に必要なすべての行為
を単独で行なうことのできる権利が認められています。
そして、相続人は遺言執行者の行為を妨害することは
許されないとされているのです。

上記のような場合、遺言執行者は、他の相続人全員に
速やかに印鑑証明書の提出を求めることができますの
で、不必要に時間がかかることはありません。

このように、遺言執行者には、遺言の内容を現実にして
いくための非常に強い権限が与えられていますので、
遺言状を書く場合には、遺産の分割方法のほかに、遺言
執行者をきめておくことが必要だといえます。


スターウォーズ 再び

2005-08-04 18:16:07 | 日記・エッセイ・コラム
私がブログにスターウォーズの記事を書いてから
2件のTBをいただきました。
本当にありがとうございます。

TBをしていただいた先のブログにお邪魔すると、
たくさんのコメントやTBが書かれてあって、驚いて
しまいました。
また、それとは別にRSSを使ってスターウォーズを
検索してみますと、これがまたいっぱいあって、つく
づくスターウォーズという作品のもっている魅力のす
ごさにあらためて驚いてしまいます。

これも、スターウォーズのもつ世界観の広さや深さが
多くの人々に支持されてきた証拠でしょう。

私は職業柄、スターウォーズ世界の社会制度はどう
なっているんだろうかと、ときどき考えることがあります。
(あくまでも、ときどき です。別につきつめて考えたり
しているわけではありません。)

元老院があって、共和国議会があって、議長がいて
その他に、ジェダイ評議会なるものがあってと、それ
ぞれの位置関係だけをとってもなかなか複雑です。

民主主義という看板を掲げているのですから、ある程度
想像はできますが、そうなると、ジェダイ評議会の位置づ
けがはっきりしなくなってしまいます。

ジェダイ騎士団は、民衆によって選ばれたものではありま
せん。「フォース」という特殊な能力をもった者たちの集団
です。それが、民主主義政体のなかで、どのような位置づ
けになるのか。

別にどうでも良いことなのですが・・・

さて、現実社会では、「郵政民営化法案」をめぐって、政界
が揺れています。否、この問題は単に政治の世界だけの
問題ではなく、日本社会のあり方をめぐる大きな問題だと
思います。

可決されるか、それとも否決されて解散総選挙になるか
わかりませんが、少なくとも、一部の政治家や官僚だけが
得をする社会は一刻も早く変えていかなければならない
と思います。

それを行なう最終的な決定権をにぎっているのは、我々庶
民です。
我々が賢明に政治を監視して、政治家や官僚のうそを見破
っていかなければなりません。
それが我々庶民の権利であり、責任だと思います。




スターウォーズ シスの復讐

2005-08-03 11:22:10 | 日記・エッセイ・コラム
スターウォーズファン様。 TBありがとうございます。
このようなブログがあることは知りませんでした。
これから、ちょくちょくお伺いさせていただきます。

せっかくなので、この間の記事で書けなかったことを
書いてみようかと思います。

スターウォーズに登場する銀河共和国は、(正確には、
パルパティーンに操られて銀河帝国へと変遷していく
銀河共和国は、)何を象徴しているのだろう。映画を観
ながらそんなことをぼんやりと考えていました。

どうも中学のときにメルヴィルの「白鯨」を読んで以来、
小説を読んだり、映画を観たりするときには、その作品
がなにを象徴しているのかを考えるくせがついてしまった
ようです。

それで、ふと思ったのは、銀河共和国は民主主義の末期
症状を象徴しているのだろうということです。

本来、民主主義とは民衆が政治を監視していく体制をいう
のだろうと思います。一握りの権力者の横暴を許さないこ
とが、民主主義のよってたつべき基盤でしょう。

そのためには、民主主義社会に属する人々が賢明である
ことが必要となります。自由とそれにともなう責任とを自覚
した人々によって社会の運営がなされていくのが、民主主
義ではないのかと思います。

自由と放縦とをはきちがえて、面倒なことはみんな他人に
まかせて、権利だけは主張する。このような人々が増えて
くると、民主主義は堕落していきます。そして、よく言われる
ところの「衆愚政治」と化していく。とどのつまりが、ひとりの
カリスマ的な指導者が登場して、独裁制を敷き、民主主義
は滅びてしまう。

以上書いたことは、様々なところで言われていることをまと
めただけに過ぎませんが、現代社会がそのような方向に
向かっていないとは言い切れないと思います。

「シスの復讐」のなかで、パルパティーン議長が「民主主義」
という言葉を使っているのを観ると、いま書いたことが連想
されて、いやな感じがするのは私だけでしょうか。

もっとも、スターウォーズは娯楽映画なのですから、そんな
深刻なことなど考えずに、純粋に楽しめばいいのかなと思い
ますが。

月並みな落ちですみません。


スターウォーズ シスの復讐 観ました

2005-08-01 11:05:16 | 日記・エッセイ・コラム
「スターウォーズ シスの復讐」を観てきました。

面白かったです。スターウォーズの完結偏という
ことで、いままでの欠落部分がすべて描かれて、
まさに、パズルが完成したという気分です。

映画を観ていて思ったことは、この程度のことで
ダークサイドに転落してしまうのかということでした。
ただ、よくよく考えると、これが人間のもつ根本的な
弱さなのではないのかなとも思われました。

物事に対する執着が激しいほど、冷静な判断がで
きなくなるのが、世間一般の理でしょう。アナキンの
場合、パドメに対する愛情がそれにあたり、そこを
シスにつけいれられたのです。映画のラストで悔恨
の叫びをあげるダースベーダーと、その背後で冷や
やかにほくそえむダースシディアスの姿はそのことを
語ってあまりあります。

いかに強力な力をもっていても、それを使うのが人間
である以上、その人間自身がしっかりとしていなけれ
ば、その力は悪魔のものとなってしまう。それだからこ
そ、ジェダイ騎士団は自らに厳格な教えを課したのです。

アナキンの悲劇は精神的に未熟な人間が、並外れて
強力な力をもってしまったことにあります。しかし、その
ことを責めるのはどうかと思います。若くして能力に恵
まれた人間に大人の分別を期待するのは、難しいでしょう。

だが、しかし、悪は滅びなければなりません。どのような
理由があろうとも、ダークサイドに堕ちたアナキンの行為
を正当化することはできません。

「ジェダイの帰還」では、アナキンは息子ルークの勇敢な
行動に眠っていた善の心を呼び覚まされ、ダースシディ
アスを葬り、自らも死を選びます。全銀河を巻き込んだ悲
劇に自ら幕を引くのです。

ルーカスはスターウォーズをダースベーダーの物語だと
言いましたが、「シスの復讐」で、ダースベーダーの誕生
が描かれたことによって、そのことが明確になりました。

ちょっと気取った言葉で言えば、スターウォーズは強力な
力をもった若者の魂の転落と救済の物語だといえるでしょう。

ところで、R2D2ってなかなか強いじゃないですか。