スケッチブック

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いよいよ手術

2013-09-10 12:43:52 | 人生


入院二日目、胃や腸の洗浄が終わって手術室からの呼び出しを待つ。手術予定時刻は
午後12時30分。その前日の午後9時から、絶食が続いているから喉の渇きと
飢えがひどい。看護師が出入りして、「前の人の手術が手間取っているので」
予定が遅れると何度も伝えに来る。午後2時になっても3時になっても音沙汰なしだ。

手術の呼び出しは、午後4時20分、つまり予定より4時間遅れている。点滴で水分と栄養を
補給してはいるけれど、飴の一粒でもいいから欲しいと頼んでもにべもなく断られる。
看護師と二人で歩いて手術室まで向かう。なぜか妻は病室で待つこととなる。

大きな自動扉が開くと眼前に現れたのは、驚くほど広い手術室だ。形は正方形で、
広さは目測で40坪はあるだろう。12,3人のスタッフが見えた。まずは、その
部屋を背にして椅子に座らされて名前を確認し腕輪もどきのバーコードを読み取る。
アレルギーの有無や糖尿病の有無など、すでに何度も申告してある事柄を再確認する。

左横にあるベッドに寝かされて、マスクをかけられた。麻酔が始まったのだ。
私は思わずマスクを払いのけて、一言「みなさま、よろしくお願いいたします」と
言ったまま、意識を失ってしまったようだ。それ以降の記憶は一切ありません。

「○○さん、わかりますか?」との言葉で目が覚めた。最初に見えたのは見慣れた
自室の天井の模様だ。「ああ、終わったのか」と初めてさとった。時間の経過の意識が
まったくないのだ。初めて体験する不思議の世界だ。体は、まるで雲の上のように感じる。

明日に続く

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