LOTUS BLUE DIARY

インテリアとリビングと手作りのお話

ヴェルナー・パントン展

2009-11-26 09:03:23 | Weblog
東京オペラシティアートギャラリーで開催中の
「ヴェルナー・パントン展」に行って参りました。



ヴェルナー・パントンと言えば「パントンチェアー」(初の、プラスチックの一体成型による椅子)、
「パンテラ」「VPグローブ」(近未来的デザインの照明)で有名な
北欧デザインの巨匠です。

今展示では、代表的なプロダクト以外にインスタレーショナルなインテリア
「ファンタジーランドスケープ」「3Dカーペット」の展示があるのが見逃せません。



図録の表紙になっているのが「ファンタジーランドスケープ」です。
(おまけにぶらさがっているのはパントンチェアーのミニチュア。)

「ファンタジーランドスケープ」は、サイケデリックでフューチャリスティックな洞窟のような空間です。
ドキドキしながら中に入り、そこに腰掛けるというよりは
寝そべりながら抱かれてみて、なんともいえない興奮を味わってしまったというのが私の感想です。
このような機会でもなければ体感できることのないチャンスですので
ぜひともお勧めしたい展示です。

今展示によって、パントンの人物についていくつかのことを知りました。

1950年、パントンがポール・ヘニングセンの継娘トーウェと結婚し
その翌年に離婚していたこと。
にもかかわらず、ヘニングセンはパントンをサポートし続け、
彼をアルネ・ヤコブセンに紹介します。
その後、パントンは「アント・チェア」の開発の現場に立会っています。

1962年に、パントンはスウェーデンの資産家令嬢マリアンネと出会い結婚します。
パントンチェアーに座る美しい女性の、あの有名な写真のモデルは
なんとマリアンネだったのです。



デザインの師となる二人の偉大な人物との出会い、
自身の創作にインスピレーションを与えてくれるミューズ的なパートナーとの
出会いを考えると、パントンという人がいかに魅力的だったか
ゆえにだれよりもラッキーであったかが解ります。

写真のパントンは、いつもほほえんでいて、実にいい顔をしています。
Good lookingなことも確かですが、(はっきりいってタイプです。)
すごく幸せな生涯を送った人に違いないと思うのです。

かつてパントンが「私の作品が、人々の想像力を掻きたてるものであってほしい!」
と語っていたというマリアンネの言葉が、深く私の印象に残りました。







使用前 使用後

2009-11-15 18:46:39 | インテリア
長野県松本市の”小林創建”さんのモデルルームの
スタイリングをして参りました。

今回は、すでに飾付けられたお家を、必要最低限の小物を買い足して
スタイリングし直すというお仕事です。

スタイリング前とスタイリング後を見ていただける
めったにないチャンスとばかりに写真を並べてご紹介します。

こちらは、スタイリング前のリビングの様子です。



ソファーに並んだクッションの柄がまちまちでした。
テーブルの上の植物が、レースの敷物の上に置かれ
クラシックなカップソーサーが一脚置かれていました。

下はスタリング後です。



無地のクッションに替え、クッションの色に合わせて
ニッチの中の小物を選びました。



並んでいるのは”黒板マトリョーシカ”といって、
チョークで顔が描けるようになったマトリョーシカです。
無印良品で見つけました。



テーブルの上には、シンプルなマグカップを置きました。
会社の脇に咲いていたラヴェンダーを数本小さな木製のベースに生け
洋雑誌を一緒に置きました。

こちらはスタイリング前のダイニングの様子。



キッチンカウンターの飾棚がスカスカで寂しげでした。

下はスタイリング後。
棚をギッシリにする必要はありませんが、
ある程度の物を置いてスカスカ感の無いようにしなくてはなりません。



縦長の額を壁にもたせかけます。(引渡し前のお家の壁にキズをつけないように。)
壁にこの額があることでお部屋がずいぶん殺風景でなくなりました。

飾棚には、ダイニングで使うアイテムとして
ワイン、キャンドル、ピッチャー、チーズトレーや洋書の料理の本などを
ゴチャゴチャならないように並べます。
木製のキャニスターは100円ショップで買いました。
ふたにファンシーなイラストがプリントされていたのを
サンドペーパーで消し落しました。
(予算を抑えるために必死です。)

キッチンはこのとうりの状態でした。



コーヒーメーカーなど、営業に必要でどうしても置かなくてはならない物には
クロスをかけて隠すとして、
見せてきれいなキャニスターやオリーブオイルのボトル
ペッパーミルなどを自然な感じで並べます。
ブレッドトレーにパンを置いたり、グリーンをあしらうと
キッチンはより生き生きとした感じになります。



リビングに、ダイニングに、キッチンに、
それぞれ置く必然性のある小物、
空間に合わせシンプルでナチュラルなテイストの物のみを厳選して
少ない予算で取りそろえ、ほんの少しのグリーンと生もの(パンをフルーツ)を
彩りとしてあしらいました。

どうでしょう、使用前と使用後ではずいぶんと変りましたかね。



ファイヤーキングのスナックセット

2009-11-11 08:34:27 | ミルクガラス
つつじヶ丘のリサクルショップ"2nd STREET"で
ファイヤーキングらしきスナックセットを二つ見つけました。



1セット700円という値段だったので、
「これ、ファイヤーキングっぽいけど、にせ物ですかね?」と店員さんに尋ねると
「バックプリントが無いので、おそらくファイヤーキングではないと思います。」ということでした。

もしかしたら、にせ物かもしれないけど
「かわいいから、いいや。」と2セット買いました。



お家に帰ってから、どうしても気になり専門書を開いて調べることに。

ファイヤーキングの"WHEAT"シリーズはこのように
アイテム数が豊富です。
なかでも”スナックトレー”は人気アイテムです。
とても700円で買えるとは思えないのです。

しかし私の買ったスナックセットは、大きさW28cm×D10cm(トレー)、
W10.5×8.5×6cm(カップ)といい、プリントの感じといい
見れば見るほどファイヤーキングです。

ただバックプリントが無いから、本物とみなされないで売られていたのか、
そうでなければ同じ時代に本物とそっくりに他のメーカーが作った
のどちらかしか考えられないとすると、私は前者のほうがあり得る話だ
と思っているのです。

さて本物か偽物か、真相がわかるまで調べて見ることにします。

"2nd STREET"にはファイヤーキングなどのミルクガラスの他に
ヴィンテージ家具なども時々入荷します。
この日もイームズのチェアーを数客見つけました。
その様子はこちらをどうぞ。

ココヤシの床とラタンの椅子

2009-11-07 11:00:51 | インテリア
秋田森のテラスに一週間滞在して、
”蔵”のリフォームをしました。
床にココヤシのタイルを230枚敷く施工を
業者の手を借りずにすべて自分たちでやるという
大胆な偉業を三日間かけて成し遂げました。

施工の完了した床の様子です。



このタイルは、自然素材の床材を扱う”上田敷物”さんの製品です。

普通は風除室スペースやエントランスなどに敷くのに使われる
言ってみれば”タワシ”のような、泥落しマットとしてしか使われない床材を
蔵の広い床に敷く(それも素人が)というので、メーカーもビックリでした。

最初「そんな広いところに敷いた例は未だかつてありません。」
と言われ、一瞬たじろいだのですが、
「きっとかっこよくなる。」と確信し、
「やってみよう。」ということでチャレンジしてみたというわけです。

その施工作業は、大変過酷なものでございましたが
いざ敷込みが完了してこうして見てみると、
山の中の大きな蔵にこれほどふさわしい床材は他にはなかったのではないか
と思えるほどのハマリ具合です。
これからは、裸足になったり床にゴロゴロも可能になったのだと思うと、
蔵がやっとで部屋になったのかなと感慨ひとしおです。

床と同時進行で、ラタン(籐)の椅子を設置しました。



こちらは”ハンギングチェアー”といって、北欧の名作椅子として有名な椅子です。

この椅子は、一般家庭よりもリゾート的なスペースや
インドアよりむしろ半分外のようなパティオやテラスなどによく似合う椅子です。
床と同じく椅子も、このスペースに合うのは「普通ではダメだ。」ということで
オーナーの立ってからの強い希望で選ばれた椅子です。

ブランコのような大きな椅子をユラユラ揺らしながら、
大戸の外の景色(夏はミソハギ、秋はススキ、冬は雪)を
楽しみながらくつろいでいただければうれしいなと思っている私たちです。