LOTUS BLUE DIARY

インテリアとリビングと手作りのお話

Tin - Can Alley

2007-07-25 01:13:17 | コレクション
前回に引き続きコレクションのお話をしたいと思います。

わたしは「缶」が大好きで、いっぱい缶を集めています。
というより、いつの間にやら集まってしまったんですが、
今年3月に地元仙川の”TINY CAFE ”という、いかしたCafeでコレクション展をやらせてもらった時、
改めて缶の数を数えたら175個あったので、我ながら驚いてしまいました。

そのうちの140個の缶を展示したのですが、TINY CAFEに運ぶのに自転車で3回に分けて持っていきました。
自転車を走らせると缶がカタカタいいます。
Tin-Pan Alley みたいじゃないのー。
いや、これって私のTin-Can Alleyなんだーと思ってしまったのです。

一番最初にアンティークの缶を買ったのは学生の時ですから、27年前です。(クラクラめまいがするほど昔です。)
ホストファミリーの知り合いの奥さんがアンティーク好きで、キッチンに古い缶をいくつも並べているのがかわいくてうらやましく、
アンティークタウンに連れていってもらった時、思わず私もと古いチョコレートの缶を買ったのが最初です。

その缶は、今も大切に使っています。

Tin Collection at TINIY Cafe

缶のコレクターはたいていアンティークの価値のある缶を蒐集しているんですが、
私の場合は古い缶あり現行品あり、外国のものあり日本のものありアジアのありといった具合に年代問わず国問わず、ジャンルレスです。

コレクションのほとんどが小さい薄っぺらい缶なんですがそれには理由があります。
いくら好きといっても物で住空間が狭められるのは苦しいので、小さい缶ならさほどかさばらないんじゃないかと現実を考慮した結果なんです。

これらの缶たちは普段はなげしにズラーッと並べています。(地震の時には時々落っこちてます。)
缶の中にお気に入りの切手や小さいラベルなんかを入れているのですが、どの缶に何を入れているのやらわからなくなっていて、展示のために久しぶりに缶を開けてみたら「ここにいれてたんだー。」と忘れていた外国の切手が出てきたりしました。(私はとても整理上手とはいえません。)

缶がもともと何のパッケージだったかと言いますと、お菓子、煙草、薬などなどいろいろです。
仏製の缶だと何が入っていたのか知りたくて、仏語辞書で調べたりしています。(それ以外に仏語の辞書を引くことはめったにありません。)



左端の写真は古い缶です。"MARIA"はレコード針の缶(英国製)、"Walnut"は胡桃のスライスの缶。(同じく英国製です。)

左上の一番左は、雉印のレコード針の缶です。(雉のしっぽがわかるでしょうか。)この缶は、25年ほど前に父がログハウスを建てようとして、もともと建っていた古い農家を取り壊すとき(おしんの家と勝手に名付けてました。)文机の引き出しから出てきたものです。

"新ヲフトサン"は、親戚のおじいちゃんが亡くなってそのあと家を取り壊すときにでてきた缶をいただいたものです。

うさぎの絵の缶は、水彩絵の具の缶です。絵の具のチューブに羽がついて空を飛んでいます。

真ん中の写真は現行品のちいさい缶ばかり。ぴったりのマス箱に入れています。

フランスには"CACHOU"という苦い真っ黒のちいさいキャンディーがあるんですが
缶がかわいいので、妹がフランスに旅行するときに「お土産に買ってきて。」とたのんで買ってきてもらいました。
CACHOUはびっくりするようなすごい味で、(リコリスとかアニスの)「こんなもの子供はたべないでしょー。」と思うような苦い
まずい味です。おそらく肉料理なんかを食べた後の口臭消しなんだと思います。
ソニープラザで買ったCACHOUの缶もあります。(15年ほど前に買いました。)
その後ソニープラザでCACHOUを見かけることは無く、やはり日本人にこの味は無理だったんだと思いました。

右端の写真は、私のコレクションの中では比較的骨董価値の高い古い缶です。

"Kalmine"はフランスのボンボンの缶です。(カルミネと読みます。日本のカルミンはフランス語から取ったんでしょうかね。)
"Pastilles"もボンボンの意味です。"Vichy"は欧州屈指の温泉場の名称で(日本でいえば草津ってとこですか)、"Vichy"のミネラルウオーターのキャンディーだということだと思います。Vichyの缶は小さいのをジャンクショー(骨董市)で買いました。大きいほうは、お友達のカフェ、ギャラリーの"Niwa-coya"さんにフランスの蚤の市からの定期便で入荷した缶を物々交換でゲットしたものです。



「缶が好きで、集めている。」といろんな人に言って周っていると、思いもかけない人から缶がもらえたりします。

こちらの缶はニューヨークに行っていたお友達がチャイナタウンで買ってきてくれた缶です。チャイニーズキッチュの感じが気に入っています。味はなんだかはっきりしない、ひどくB級な味の紅茶でした。



最近また缶を買ってしまいました。

"Niwa-coya"さんが「永井さんのために仕入れといたよ。」というのです。
そう言われると私が買うしかないと、また使命感を持って買ってしまうのです。
インドのチョコレートの缶で、英語とインドの文字の両方印刷されています。
「中を見てよー。」というので、蓋の裏を見てびっくり。なんだーこの母と子はー、と思うような国籍不明の母子のイラスト入りです。
早速、領収書入れとして使っていますが蓋をあけるたびに楽しい気持ちになります。

こうしてまた私の缶コレクションは、じわりじわりと増え続けていくのでありました。

仕事場 と Old Pyrex

2007-07-15 12:24:29 | コレクション
自宅から自転車で5分離れたボロいアパートを仕事場にしています。
今回は思い切ってその様子を公開しちゃいますね。

 キッチンの様子です。

1枚294円の色とりどりのピータイルを、床に貼りました。
最初白黒の市松にしようかと思ったんですが、住むところでないので
思い切り遊んでしまおうと思い、赤,ライムグリーン、グレー、黒、白の5色を
ランダムに敷いています。
宅急便の人に「カラフルでかわいい台所ですねー。」と褒められる
わたしの自慢のセカンドキッチンです。

 こちらが流し台です。

流し台用のドイツ製のカッティングシートを張りました。
シートの保護フィルムのロゴが気に入ったので剝さずにそのまま張ったのですが、
ロゴが揃うように貼るのに苦心した私のリフォームの力作です。

窓のメッシュの金網は100円ショップで見つけ、窓の幅にぴったりだったので全面に取り付けました。
ジョイントは10個100円の洗濯バサミで止めています。
2個100円のSカンでキッチンツールをたくさんぶらさげていますがツールのほとんどが100円です。
ほとんどのキッチンツールがぶらさげ可能なので、引き出しに入れる物はわずかです。
包丁、キッチン鋏、栓抜き、バターナイフはマグネットで壁にくっつけています。(マグネットも100円ショップで見つけました。)

テーマカラーを銀色、スパイスカラーを赤にしてます。
赤いラジオは古くからの愛用品で、もっぱらFENを聞いています。
やかんと洗いかごはいいものをつかっています。
ガスを引いていないので合羽橋道具街で買ったレトロな電熱器(2,800円)を置いています。(普段はこれで十分です。)

 Old Pyrexとミッドセンチュリーの食器です。 

Old Pyrexとはミッドセンチュリーに製造されていた耐熱性のテーブルウェアーで同じ時代に作られていたミルクガラスのFire Kingとともに人気を集めているコレクターズアイテムです。
吹き付けたカラフルな色と、丈夫で普段使いに適したカジュアルさ、そしてなんといっても現行品にはない懐かしい感じが好きで、ついつい買っているうちコレクションが増えてしまいました。
自宅に置ききれなくなったので、仕事場のエレクタシェルフに並べています。

Fire Kingは"JADE-ITE"(ジェダイ)と呼ばれる翡翠色のミルクガラスが有名ですが、高額なので私は1客しか持っていません。
私はパイレックス派で、比較的安価でびくびくしないでガンガン普段使いできる点と、カラフルな色がだんぜん気に入っています。

おんなじマグカップを3個、5個と買ってしまうので妹に「なんでおんなじものをいくつも買うわけ?なんて物欲が強いの。」なんて言われたりするんですが、私のパイレックス熱は単なる物欲だとは自分自身思っていません。
今、集めておかないと今に市場からどんどん少なくなっていく。ファイアーキングのコレクターは多いけどパイレックスに固執してる人は少数じゃないのか。ファイヤーキングのマグは1脚5000円程度から、それに比べパイレックスは1900円ぐらいから買える。決して高くない。というのがOld Pyrexにこだわる理由です。

先日、木造の注文住宅を作っている工務店の社長さんから面白いお話を聞きました。
昔の人は家を建てる時、よい材をふんだんにつかうことを”貯木”と考えていたというのです。
家を取り壊しても、いい木はもう一度使うことができる。だからいい木を使って家を建てるのは貯金ではなく貯木なのだそうです。
ふーん、そうかー。そうゆう考え方からすると、私の場合”貯パイレックス”をしているといえるのではないでしょうか。
いまから”貯パイレックス”(略して貯パイ)しとけば、数十年後パイレックス長者になれませんかねー。

そんなことは実はどうでもよくて、要は気に入ったものにかこまれて暮らしていたい。あれこれいろんなものを手にすることが幸せなのではなくて、本当に好きなものだけを大切に思えるというが、物のあふれた現代を生きるのに必要なことなんじゃないかと思えるのです。

Old Pyrex をよりお知りになりたい方は書店で見て下さい。
いろんな本が出ていますよ。


京都 清水寺

2007-07-14 20:19:27 | インテリア
先日、災害に会いました。

出張で関西方面に行って来たのですが、帰りの高速バスに乗ってすぐ道路の陥没による工事のため新大阪まで1時間半のバスが3時間以上遅れるというのです。
新大阪に着く時間には既に新幹線はなく、大阪に泊まるしかないなとすぐ諦めざるをえませんでした。
新大阪にたどり着いたのは11時ちかく。はらぺこで好物の柿の葉ずしとビールを買って、以前泊まったことのあるホテルになんとか部屋を取りました。

転んでもただでは起きあがらない、ながいです。
この際途中下車して京都にでも行ってみようかなあ、と思い立ち次の日に清水寺界隈へと向かいました。



清水寺は何年ぶりでしょうか。
最近三年坂あたりが様変わりしたと聞いていたので、あちこち行かず目的を清水寺と三年坂にしぼりました。

雨のそぼ降る中傘をさし一人、坂を上りきった高い清水の舞台から見た寺の屋根はひときわ印象的でした。

直線だとばかり思っていた屋根に、意外にも不必要としか思えない曲線の部分があることを見つけ、面白いと思わずシャッターを切りました。
屋根の勾配は緩やかに太鼓のような盛り上がりをなしています。
経年によりうっすらとコケが付き雨にぬれた様子が美しく、屋根という建築のディテールがひどくモダンデザインのように思えました。



社の一つに極彩色の堂をみつけました。

この色彩はどう考えてもインドとかペルシャとか異国のもののようにしか思えません。花や草の装飾模様の中に青い蓮の柄があったのでうれしくなりました。
青蓮(ロータスブルー)だよー。 (分かりづらいんですが、鳳凰の上に小さくあります。)
実はこのミントグリーンが最近の私のはまり色なんです。
家のトイレのテーマカラーをこれと同じミントグリーンで塗り始めた矢先だったのです。(宗教的建築と家のトイレを、インテリア的目線でおんなじにしてしまってすみません。それはさておき、トイレのリフォームが完了したら写真を披露することをここでお約束します。)

マンションやお家の壁は大体白っぽい色と決まっていますが、欧米では思いもかけないような色の壁を見かけます。
塗り壁以外にも濃い柄の壁紙があったりして、一概に壁は白ときめなくてもいいんじゃないかなと思えるのです。
昔の日本の壁の色というのも興味深いものがあります。
私がよく行く佐原には黒漆喰という真っ黒な壁があるんですが100年以上経っているであろう壁が今も顔が映るくらいのテカリで、最初に見たときなんてかっこいいんだろうと思いました。
佐原の「カフェしえと」さんは、カフェの店内の壁を黒漆喰にしています。
テーブルと椅子はごくシンプルでモダンなデザイン、照明はミニマルなモダンなものを合わせていますが、黒漆喰とよく合っています。
古い建築のディテールを取り入れてモダンなものと合わせるというのがかっこい。現代の住宅の中に古い手法をいれていくというアイデアは、難しそうですが面白そうだと思っています。

寺を見終わり坂を下りかけたらちょうどお昼どきです。
なにか京都らしいものを食べて帰らなければと考え、にしん蕎麦を食べることにしました。
その日は雨降りで涼しかったので温かいお蕎麦がちょうどよく、しっかり味のしみ込んだにしんと甘いおつゆ、しろっぽい蕎麦がとってもおいしかったです。

おおきに、御馳走さん。
今回はアクシデントのついでの旅やさかい、ゆっくり見れへんかったけど、
この次はもっとゆっくり来たい思います。

ほんと、京都てええとこやわー。








よい椅子は楽ちんです。

2007-07-11 15:09:07 | インテリア
仕事がらよい椅子をたくさん見ています。

椅子を納品するときは必ず座ってみることにしています。そのたびに実感するのは、良い椅子というのは本当にすわり心地がよく、楽ちんだということです。

工務店さんのインテリアギャラリーや展示場の家具を選ぶお仕事はすごく楽しいんですが、すごく責任の重い仕事でもあります。
家具を選ぶときはまず一番に椅子から選んでいきます。
どんなテイストがいいのか、どういった年代層をターゲットにするのか、予算はどのくらいなのか考慮にいれながら、まず椅子を決定します。
Danish Countryでいこう。H.Wegner の”Y Chair”か”CH36”(Y Chairと脚部が同じで背がよりシンプルなデザインの椅子です。)、もしくはMorgensenの”J39”を導入したいということであればテーブルはなるたけSolid(無垢材)のものを合わせます。
椅子と同じシリーズ、メーカーのテーブル(CarlHansen,Fredericia)はとても高額なので、国内の良い木工メーカーのテーブルをもっぱら合わせています。
その場合、椅子とテーブルの材と仕上げを共通にし、テーブルがナラのオイル仕上げなら、同じように椅子もオーク材、オイルフィニッシュにするというように考えて選んでいくわけです。

インテリアギャラリーといっても、家具やさんではないので家具を売るのが目的ではありません。
あくまでも家がよりよく見えるよう、家に合った家具でなくてはなりません。
ハクがつくから有名デザイナーのすごい椅子を入れちゃおう、そうすれば家もよく見えるでしょ、みたいな品のないあさましい発想で家具をえらぶと大変なことになると思っています。
たとえて言えば、ステテコをはいたおっちゃんがポルシェやアルファロメオを自慢げに乗り回しているような感じ(失礼)で、恥ずかしくて仕方無い気持ちです。
身の丈に合っているということと、バランスが取れているかどうかをいつも大切にしたいと思っています。



とは言え、一流の建築家の設計による良質の木造注文住宅には、それ相応の良い家具を選ばなくてはなりません。

写真左から、松本昌義氏設計(由良工務店)、伊礼智氏設計(田中建設)、中村聖子氏設計(日建ホーム株)の家に合わせて導入した椅子です。

左端は、Conde House の”スウェデッセ”という椅子です(Design;Yngve.Ekstrom)
吹き抜け部分の2階にある贅沢なフリースペースにぜひとも良いイージーチェアーが必要でした。国内メーカーの製品なので、北欧製の椅子に比べれば買い安い価格です。これならばがんばれば買える範囲ですよね、と決まりました。
背の曲線と薄さが美しいプライウッドの曲げ木の椅子で、張布のレザーが家の材質と無理なくマッチしたと思っています。
とても優しげな印象の椅子です。

中心の椅子は、KITANIの” Eliezabeth Chair ”です。(Design;イップ・コッフォード・ラーセン)
北欧の巨匠であるラーセンのこの椅子は大変高額でしたが、ギャラリーの入ってすぐの目立つホールに贅沢なイージーチェアーを入れましょう、とダメモトでご提案し気にいっていただいた椅子です。
1956年発売、その2年後の1958年に現エリザベス女王が購入し愛用しているところからこの椅子の名前が付けられました。
さすが女王のお眼鏡にかなう、クラシカルモダンな美しい椅子です。
石の床とそれに合わせたイランのアンティークの敷物、美しい塗り壁(霧中島壁)と相まって格調高い雰囲気を醸し出すのに成功し、訪れる人の憧れの椅子として人気を博しています。
(KITANIさんは、新宿高島屋10Fにショップをオープンしましたのでそちらでご欄になれます。)

右端の写真は、BC工房さんのつくっている”RIKI安楽椅子”です。(Design;渡辺力)
リビングに1人掛けを置きたいということで、あれこれ悩んだのですが、この工務店さんには、すべて国内デザイナーによる日本デザインで行きましょうとご提案し、これしかないでしょうとイチオシした椅子です。
渡辺力氏は、日本屈指のデザイナーで90歳をこえていっらっしゃる今も尚現役で活躍していらっしゃいます。
木部はしっとりとするくらいたっぷりオイルが浸みこみ、フローリングにオイルがつくのではと心配になるほどの素晴らしい仕上げでした。
(これが北欧のSoren・Horstの椅子だったら3倍の値段になってます。このクオリティーでこの値段は安いと思っています。)

これら3脚のイージーチェアーにはすべて同様にオットマンが製造されています。
デザイン的に、そして座ってくつろぐことを考えると、イージーチェアーとオットマンは2つで1つのものだと思います。
ですのでオットマンを一緒に作っている椅子を買うときは、やはり一緒にオットマンもお買い求めになることをお勧めします。   

先日AIDECさんの新作披露パーティーに行き、また一脚すばらしく美しい、掛け心地の良い椅子に出会いました。

こちらが新作の1P ”INCLINE ”です。

当日の会場は600人のお客様による人だかりで、広いショールームなのに肩と肩がぶつかるくらいの大盛況でした。

入口にあった真白の3人掛けのソファーがひときわ目を引いていました。
若々しいデザインなので、きっとうんと若いデザイナーによるものだと思い込んでいたのですが、いざデザイナーの秋田道夫氏にお会いしてみたら、意外にも落ち着いたロマンスグレーでいらっしゃいました。

     

秋田先生は大変気さくなお人柄で、ずうずうしくも一緒に記念撮影に成功したので写真をご披露しますね。

INCLINE1Pに座ってみたんですが、ボックス型の体を包み込む形のなんともいえず気持ちのいい椅子でした。金属部分はスケート靴をイメージしたんだそうです。
ふーん、なるほどです。
ありそうでなかったデザインだなと思ったのは、ベースの斜めのカッティングです。
なんでも掃除するのに楽なようにとこのラインにしたとおっしゃるのです。
そうゆう発想って好きだなー。いいっ、この椅子。とまた好きな椅子が増えました。

その夜は、おいしいシャンパンが振舞われました。美しい椅子にすわりながらついついおかわりしてしまい、最高の気分で酔っ払ってしまった私なのです。  

庭日和

2007-07-08 13:21:26 | ガーデニング
お天気の良い日は、目覚めると一番に庭にでます。

私の家は小さな平屋で、廻りが全部土という都会のなかにあって珍しいシチュエーションです。
実のなる木が大好きで、ラズベリー、ブラックベリー、ブルーベリー、レッドカラント、ワイルドストロベリーと実のなるものを増やしています。
もともと裏庭にグミの木がありました。
その木のとなりに3年前なんだかわからない木がニョキーと生え、いつのまにやら屋根を越す高さになってしまいました。
木には宝石のような透明のオレンジ色の実がいっぱいなります。
あんまり木が大きくなったので、鳥が遊びに来られるようにバードフィーダー(餌箱)をぶらさげました。
時々パンクズをいれているんですが、バードフィーダーに鳥のとまっている様子は一度も見たことがありません。
きっとほかにおいしいものがあるからなんでしょうかね。
  


ラズベリーは特に人気です。
週末には必ず近所の子供たちが、ラズベリーを食べにきます。
「ながいさーん。ラズベリーくださーい。」「いいよー。」
と家の中と外でやっていたのですが、あんまりしょっちゅうなので面倒くさくなりついに家の前のブロック塀に看板をぶらさげました。
 ”ラズベリーはこちら。Ruspberry Yard " と。

いつでもウエルカムで、ベリーを食べてもらえる庭にしたい。
どんどん実のなる木を充実させてできれば果樹園のようにしたい、という壮大な造園計画(?)が私にはあるのです。
名付けて ロータスブルー ブッシュベリーヤードプロジェクト。(なーんちゃって。)

ラズベリーは熟すとポトリと落っこちてしまうので、せっせと食べなくてはいけません。
もっぱら生のをヨーグルトに入れて食べています。
砂糖を加えてさっと煮て裏ごしして、甘いソースを作ればソーダ水と混ぜておいしいラズベリーソーダができます。
プカリと浮くのがかわいいので3~4粒ラズベリーを浮かべます。
スパークリングワインで同じようにしてオリジナルカクテルもできます。(超贅沢です。)



週末のおやつ時、お隣のひなたちゃん(7歳の私のお友達)がやって来ました。
「ひなたちゃん、いい時に来たよ。おやつ食べよう」
ということで、2人で庭でおやつを食べることにしました。
クリームチーズに刻んだミント(庭にいっぱい生えている)とオニオンを混ぜたディップにポテトチップを添えたものと、ラズベリーのヨーグルト。
ひなたちゃんが、おかあさんの用意してくれたおやつ(フランスパンのスライスにホームメードのカスタードクリームをのっけたクリームパン)を持ってきて、賑やかなおやつとなりました。

あっという間に2人で1袋ポテトチップを平らげてしまいました。
「おいしかったね。はっくん(5歳の弟。超くいしんぼうです。)には内緒にしとこう。」なんて言いながら。



グミは甘くなる前に全部鳥に食べられてしまいました。レッドカラント(房スグリ)はもうすぐ食べごろ。ブラックベリーはだんだん色付きはじめています。

近い将来ベリーづくしのデザートが作れるくらい収穫できないかな、と夢見ながら
7月はとっても楽しみな私の庭なのです。

佐原へ

2007-07-04 22:03:33 | フラワーアレンジメント
千葉県の佐原(現香取市)は、古い商家や蔵の残る町。
小江戸と呼ばれ、町の中心に流れる河づたいにかつて水運で栄えた商いの様子を今なお残している町です。
 佐原の カフェ「しえと」に、私は数か月に一度、花を生けに行きます。
どことなく私の生まれ故郷の飛騨高山に似ている佐原。不思議な縁あって、古民家カフェ「しえと」に花を生けるお仕事をさせていただいて、もう2年になります。
 この時期カフェ「しえと」には、七夕の飾りが生けられます。



「しえと」とは、”江戸時代に栄えた”という意味の古い言葉だそうです。
かつて質屋さんだった商家を改造したカフェ「しえと」に四季折々の花を生けるのが楽しみで、訪れるたびに仕事以上のなんとも言えない満足感と日本人であることの喜びのようなものを感じまたここに花をいけたい、次はどんな花を生けようかと次の仕事に思いをはせながら後ろ髪を引かれるような思いで帰って来るのです。
雛の節句には古いお雛さまと桃の花を生け、秋には秋の七草を。西洋風を古民家に合うように考えながら、ハロウィーンにはかぼちゃを籠にに盛り、そしてクリスマスには隠れキリシタン風(?)に和風クリスマス(?)のしつらえを施します。
5月紫陽花のころにはビバーナム(紫陽花の仲間で、限りなく草に近い色の花)を生けてきました。



畳のスペースはかつて質屋さんの帳場だった部分をそのまま残しています。
そのスペースに、置き床のように李朝のボードを据え大きな甕や花器に、自然に生える姿そのままに花を生けます。



床の間は、”光の掛け軸”と名付けられたボックス照明が美しく、光を受けて幻想的に見えるようその時々に枝をあしらいます。
もっぱら繊細なフラワーアレンジメントではなく大きく枝を生けるのですが、(3mちかくある大枝です)枝を切るのに鋏どころでは仕事ができず、いつも携帯用のこぎりを持参し枝を切って投げ入れています。
最初に”ぼけ”の枝を生けたとき、小さい女がのこぎりを持って枝を切る姿にびっくりしたのか、「花を生けるのって重労働なんですね。」とご主人に言われたことを覚えています。
そうなんですよ、花を生けるってのは自然を相手にした肉体労働で、女らしさとは程遠い世界なんですよ。
今度もまた江戸っ子(?)の心意気で思いっきり男らしくいなせに花を活けてみせるぜ、といつも血が騒ぎます。

佐原は東京駅からバスで1時間20分。
小旅行にはもってこいの私のお勧めの場所で、タイムスリップしたような古い日本の情緒を存分に味わえる小さな江戸なのです。