楽しいブログ生活

日々感じた心の軌跡と手作りの品々のコレクション

23年8月の源氏

2011-08-27 21:30:54 | 
 
紫式部はことあるごとに源氏の美しさや才気をアピールしているのですが、一口に美男といっても時代によって、お国によって基準は変わりますわね。
黄金率の美しさはあるにしても好みかどうかということになると又話は別で、その人の持ってる雰囲気というのが重要なポイントになりますわね。
考えてみればわたくしなどは昔からずいぶん“面食い”だと自覚するところではあるのですが、やっぱり面相がいいだけでは、ほんとうに心を動かされることはないように思います。
顔がいいのに知性的で優しく(忍耐強く)謙虚な人間。たまにいます。
(奇跡的にそんな人が存在するというだけで幸せな気持ちになれますが。)
その点、源氏は自信満々で謙虚さに欠けるので、魅力ある異性として認識はしないのですが、神々しいまでの相貌の美しさは、(ハリ艶のある肌であったり、優雅な仕草であったり、若いというだけでも羨望の的になるだろうから)年寄りなどが涙を流して崇める圧倒的力になることもあるだろうとは思います。
本日は朧月夜との密会が右大臣にばれてしまう緊迫の場面に差しかかったのですが、紫式部の筆運びというのはほんとうにおもしろい。
全般に対比の妙というのが随所で楽しめるのですが、右大臣と左大臣も実に対照的な描き方がされていて、右大臣はまあ言わば“悪役”ですね。
右大臣のことを「何でも思う通リに口から出し、胸中にしまって置く所のおありなさらぬ御性質なのに、それに加えて、ひどく年寄りのひがみまで加わりなさってしまったから、何事でまあ躊躇なさろうか、ずけずけとありにままに・・・」などと性格付けしてあり、思わず吹き出してしまいましたわ。
密会現場を押さえられた源氏があわてず騒がず悠然としているのも“らしいといえばらしい”のですが、可愛げありませんわな。
やっぱり好ましい異性にはなりえませんわ。
さて本日の茶菓子は徳地堂のじょうよう(ススキが描かれています)と姫ういろう。
お隣は暴動騒ぎがあったのでイギリス行きをキャンセルし、代わりに四国一周の旅に出てた友人の松山土産、六時屋タルト。
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