人生いろは坂

人生は山あり谷あり、そんなしんどい人生だから面白い。あの坂を登りきったら新しい景色が見えてくる。

黄砂降る

2008-03-05 09:28:02 | Weblog
 先の天気予報では大量の黄砂が降るとのことであったが、ここ倉敷は
その日の朝から雨が降っていた。そして雨が止んだ午後からは周辺の
山が霞むほどの黄砂であった。

 その日の夜は、中国の貧しい農村地帯の実体を紹介したNHK特集
を見た。上海など都会の裕福な家庭に育った大学出の子弟達が農村に
出向いて貧困家庭の子女の教育ボランティアとなる活動を紹介していた。
 彼らは、漠然と農村の貧しさは知っていたものの、その実体の
ひどさに驚き、教え子の進路指導に一緒になって思い悩む姿が印象的
であった。
 農村の貧困から抜け出すには、高等教育を受けることが一番の近道
ではあっても、先立つものはお金であった。借金を抱えた貧しい農家
では進学費用を作ることは至難の業であった。家族の一人を上級学校
へ進学させるためには家族全員の協力と何らかの犠牲が必要であった。

 一方、この農村地帯には、ほとんど緑が失われていた。厳寒期だった
事もあろうが、なだらかな起伏に見える赤茶けたむき出しの台地が延々
と続いていた。起伏に見えたのは、かつての山々だったようだ。
 少しでも農作物を得るために山の木々を切り畑を増やして来たのでは
ないだろうか。「耕して天に至る」とは、こんな景色のことを言うの
であろう。
 かつて瀬戸内海の島々でも見られた景色である。新藤兼人監督が
作った映画「裸の島」を見ていただきたい。山に木がなければ大地は
どんどん痩せていく。こうして、大地の砂漠化は進んでいくのでは
あるまいか。

 気候変動も一因ではあろうが、砂漠化の原因を作ってきたのはやはり
人間のようだ。黄砂のニュースを聞きながら、この番組に出てきたむき
出しの大地のことを思い出していた。
 今日飛んできた黄砂はいったい中国のどの当たりから来たものだろう。
貧しい農村と砂漠化が進む広大な大地。何かしら中国の未来を暗示する
ようなドキュメンタリーであった。

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