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聴く読む観る買うの備忘録

New York Trio Rec. II: Voices / Marc Copland

2009-12-31 | 音楽
New York Trio Recordings, Vol. 2: Voices

Pirouet

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 Ralph Towner (g). Gary Peacock (b) といったプレーヤーとのDUO作をきっかけに知った Marc Copland の独特のタッチがすっかり気に入ってしまい、何枚か関連CDをオーダー中なのだが、本作はその中でも割と入手し易かったNew York Trio Recordings の1枚。DUOでも相性が良かったGary Peacock にPaul Motian (ds) を加えたピアノトリオ編成である。大好きな"Vignette (#1)"が収録されているので数多くリリースされているピアノトリオ盤の中から最初に聞いてみた。編成がトリオになっても、Coplandの非常に美しいフレーズを重ねながらも華美さを感じさせることもない抑制の効いた演奏は変わらず楽しめるし、時折入るPeacockのソロも格好良い。特に印象的だったのは、やはり#1と、タイトル曲の#4、ラスト#9か。

Marc Coplan (p), Gary Peacock (b), Paul Motian(ds)

1. Vignette
2. Albert
3. River's Run
4. Voices
5. Runner
6. That's It?
7. All Blues
8. At Night

武士道エイティーン / 誉田哲也

2009-12-31 | 
武士道エイティーン
誉田哲也
文藝春秋

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 「~シックスティーン」「~セブンティーン」と続いた剣道少女二人を主人公にした青春小説第3弾。主人公が高校生であることから、おそらくはこれが完結編であろう。前作、前々作とも魅力的なキャラクターと爽やかな読後感が印象的で、本作への期待も大きかったが、今回もやはり一晩で読了してしまった。主人公二人の友情と成長にフォーカスが絞られていた前2作とは趣が異なり、今回は彼女達の周りの人物を主人公にしたサイドストーリーが随所に差し挟まれながら、ベースとなる早苗と香織の物語が進行するオムニバス形式のような小説になっている。短編として先に発表されていたサイドストーリーに書き下ろしでベースのストーリーを差し挟んで1冊に仕上げたようだ。このシリーズには魅力的なキャラクターが多く、登場が少なくて勿体無いと思っていたし、サイドストーリーの内容も、早苗の姉緑子と岡先輩の別離の経緯や、福岡南の顧問の伝説の決闘の秘密等、前々から気がかりだったエピソードだったりするので、非常に楽しめた。また、私自身、高校・大学と弓道に熱中していたこともあり、「すべての道はこの武士道に通じている。」という感慨を持って主人公が旅立って行くラストには非常に共感できた。

Fragile / Keiko Lee

2009-12-30 | 音楽
フラジャイル

SMJ

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ケイコ・リーの新作。スタンダードや様々なジャンルの有名曲を新鮮な解釈を加える手法や、耳に入ってすぐに彼女の声と分かる低めのハスキーヴォイスは相変わらずだが、今回はそれに加えて Kenny Barron を始めとする実力派による演奏も聴きどころの1つになっている。特に印象的だったのは、ピアノとのDUOの#5, Saxがいい味を出している#7,Kenny Barron の十八番でタイトル曲の#8といったところ。

1. Softly As In A Morning Sunrise
2. Tell Me A Bedtime Story
3. Come Together
4. At Last
5. A Nightingale Sang In Berkeley Square
6. All Or Nothing At All
7. Love Won’t Let Me Wait
8. Fragile
9. That’s All
10. All The Things You Are
11. If I Could
12. One Day I’ll Fly Away
13. Street Life

Libenham Landchaft Wine / クリスマスに時計

2009-12-30 | 買物

Libenham Landchaft Wine

クリスマスプレゼントとして妻に買ってもらった時計。SKAGENの黒×オレンジ、ブルーと2本の時計を着まわしていて、赤系の時計も一本欲しいなと思っていたら、雑誌でこの限定色を発見して早速飛びついた。ワインにちなんでグレープとワイン(レッド)の2色それぞれ120本限定だそうである。気付くのが遅すぎたのか、そろそろ売り切れのショップも出てきているようだが、ネットショップを幾つかチェックして確保できた。仕事納めの日に着けて出社してみたら、お客さんや同僚など、結構気付いて声をかけて来る人も多く反響が大きくてびっくり。いい買い物であった。


Canon PIXUS MP640 / プリンタ新調

2009-12-29 | 買物
Canon PIXUS インクジェット複合機 MP640

キヤノン

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5年前位に買ったプリンタが不調なので、年賀状シーズンに備えてプリンタを新調した。売れ筋商品を調べて見ると、Canon&EPSONが2強でHPも対抗という様子だが、前の機種iP4100RもCanon製で使い慣れているので、Canonの中から選ぶことにした。競争の影響なのか年々コストパフォーマンスが増しているようで、いまや写真プリント/無線LAN/フラットヘッドスキャナ込で2万円未満である。ガジェット好きとしては最上位機種のMP990にも惹かれたが、インクの本数が多くて維持費が高そうなので今回は見送り。デジタル一眼でも持っていれば、最上位機種でプリントしたくなるかもしれないが、我が家ではこれで十分という感じである。
 設置してみると、従来スキャナとプリンタを並べて置いていたスペースに半分の面積で置けるのが嬉しい。従来のプリンタのみのスペースで両方使える感じだ。また、本体にモニタがついていることもあり、無線LANの初期設定や、インク交換時のガイドも親切で説明書を殆ど見なくても十分使えるのも好感が助かる。早速、年賀状を作成し家族3人分200枚強の両面を印刷してみたが、正味2~3時間程度で完了。やはり高速になっている。裏面には写真を数枚レイアウトしてみたが、年賀状としては十分綺麗に刷れていた。プリンタなんて十分枯れた製品かと思っていたが、これだけ使い勝手が向上して1.8万円となれば、やはり数年に一度は買い換えた方がいいのかもしれない。

女たちは二度遊ぶ / 吉田修一

2009-12-28 | 
女たちは二度遊ぶ (角川文庫)
吉田修一
角川グループパブリッシング

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 男性視点で、過去に関わった女性との思い出を振り返る11篇の短編集。炊事も洗濯何もしないまま家に居つく女、会社で偶然再会した秘密を持った女、初めてデートした中学の同級生。シチュエーションはそれぞれバラバラだが共通しているのは、彼女達との関係がいずれも始まるともなく始まり、短期間でふいにぷっつりと終わっていること。お互いに関係を維持しようとするような大切な相手でもなく、擦れ違った程度の相手と適当に接して、思い出すとちょっと後味悪そうなエピソードが多い。後悔にも満たない些細なひっかかりが意外と記憶から消えなくて、ふとした弾みに思い出す。確かにそいう思いで振り返るエピソードは自分にもある気がする。

Cantopiano / Giovanni Mirabassi

2009-12-27 | 音楽
カントピアノ
ジョバンニ・ミラバッシ
ビデオアーツ・ミュージック

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素晴らしいソロアルバム"Avanti"が印象的だった Giovanni Mirabassi のピアノソロがもう1枚あるのを発見したので迷わず購入。本作も期待に違わぬ内容だ。全編を通じて、音数が多く繊細で感情豊かな Mirabassi 独特のタッチが味わえる。ソロアルバムというと試聴した時は凄くいいと思っても1枚聴くとダレるパターンも多いのだが、本作についてはそんな心配もなく美しい旋律に身を任せている内に1枚聴き切っている感じだ。静かに始まり、感情が迸るように盛り上がっているドラマティックな抑揚が何かを訴えるようで、演奏に引き込まれてしまう。

Guiovanni MIrabassi (p)

1 Il Venait D'avoir Dix-Huit Ans
2 Manon
3 J'ai Pas Le Temps D'avoir Trente Ans
4 C'que T'es Belle
5 La Canzone Di Marinella
6 Quand Maman Revient
7 Cecile
8 La Fleur Du Large
9 Sans Titre
10 Le Chaland Qui Passe
11 Les Passantes
12 J'aimerais Tant Savoir Comment Tu Te Reveilles
13 Si Tu Me Payes Un Verre
14 Une Ile
15 "Dis, Quand Reviendras-Tu?"

ブレイクスルー・トライアル / 伊園旬

2009-12-26 | 
ブレイクスルー・トライアル ~第5回『このミステリーがすごい!』大賞 大賞受賞作~
伊園旬
宝島社

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 最新のセキュリティ技術の粋を集めた難攻不落の研究所に進入し、12時間以内に指定の物を持ち帰った物に1億円の懸賞金が与えられる「ブレイクスルー・トライアル」。それぞれの事情を抱えながらコンビを組んで参加することになった大学時代の親友、門脇と丹羽は、ダイヤモンド強盗、強盗を追う探偵、ライバル企業のスパイ等、様々な理由で参加するライバルチームと競いながらゴールを目指す。
 特殊なシチュエーションや、魅力的な登場人物、番犬に始まり、生態認証や警備ロボットといったセキュリティを突破するアイディアなど、面白い要素が色々と詰まっており、読んでいる最中は結構楽しいのだが、読後は少々物足りなさが残る作品。色々な要素を詰め込んだものまとめ損なった印象である。ゲームの勝敗にしろ背景となる人間関係にしろ、納得感とともに物語が完結するような構成の工夫が欲しかった。

What It Says / Marc Copland & Gary Peacock

2009-12-25 | 音楽
What It Says

Sketch

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Ralph Towner とのDUOで発見してとても気に入ったMarc Copland、こちらはGary Peacock とのDUOであるが、どちらかが主ということもなく、がっぷり四つに組んだ聴き応えのある内容になっている。Keith Jarrett Trioの作品はほとんど持っているので、Peacockのbassは聴き慣れたつもりになっていたが、~ Trio では控えめにしたいたかと思える位、本作では弾きまくっている。太い音をゴリゴリ響かせて前に出てくるPeacockが実に印象的で格好いい。Marc Copland の方は、余韻を引っ張りながら次の音を重ねていくような独特のタッチが美しくも心地良く、Coplandとの会話的な間合いもばっちりである。派手さはないが味わい深く、繰り返し聞きたくなる演奏で早くも愛聴盤になりそうな予感。見つけるのが遅すぎたと思えるほどだ。

Marc Copland (P), Gary Peacock (B)

1. Ladder
2. Vignette
3. Watching The Silence
4. Around In The Air
5. Colors Of Hue
6. Talkin' Blues
7. Calls & Answers
8. In A Dance
9. From The Well
10. Skim
11. Requiem
12. Vignette

百瀬、こっちを向いて。 / 中田永一

2009-12-24 | 
百瀬、こっちを向いて。
中田永一
祥伝社

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 同学年の美少女と恋人同士のふりをすることになった冴えない高校生、事故が原因で5年の昏睡から目覚めてかつて小学生だった少年と再会した女性、国語の先生が覆面小説家であることを発見してしまった女子高生、ブスメイクをしてひっそりと暮らす本当は超美形の女子高生、少々特殊なシチュエーションの高校生達の恋愛を描いた小説。
 いずれも地味で目立たない存在の主人公が、恋愛未満と言っていいくらいの淡い気持ちを頂くまでの過程を描いた爽やかな小説。プロットを要約してみるとかなりマンガ的な特殊なシチュエーションなのだが、主人公達の地味で控えめな性格もあってあまり無理を感じない。大げさな表現や無理やりな展開も少なく、淡々とした描写の中に主人公や周囲の人物の心の変化が丁寧に描かれている。恋愛に通じる淡い気持ちが芽生えるまでを描しているので、これから何かが始まる予感と共に読み終わることができ、非常に暖かな読後感の残ることも印象的だ。