NPO法人労働相談センターのパワハラ相談を『毎日新聞』が紹介
2013年6月1日付『毎日新聞』朝刊が、全国の労働局の「個別労働紛争解決制度」に寄せられた相談内容のうち、「いじめ・嫌がらせ(パワハラ)」が「解雇」を抜いて初めて最多になったことを報じた記事の中で、私たちNPO法人労働相談センターへのパワハラ相談の内容やスタッフのコメントを紹介しました。
記事の筆者は東海林智記者。一面で「労働相談パワハラ最多 『解雇』抜き初 同僚のいじめも」との見出しで掲載されています。以下に記事の該当部分を抜粋します。
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パワハラ:労働相談で最多 「バカ」など中傷、暴言
◇同僚からのいじめも
「食事や休憩もなく9時間怒られ続けた」「夏は冷房、冬は暖房が利かない場所に机を移動させられ仕事をさせられる」??。2004年に設立されたNPO法人「労働相談センター」の窓口にも、耳を疑うようなパワハラ相談が殺到している。
センターによると、08年のリーマン・ショック後からいじめ問題も含め相談が急増。昨年は7775件の相談が寄せられたが、上司や経営者から部下へのパワハラのほか、同僚からのいじめも増えている。センターの須田光照副理事長は「いじめの増加はメンタル疾患の急増にもつながっている。社内競争が激しくなる中、子供のいじめのように『いじめなければ自分がいじめられる』という感覚で広がるケースもあり、異常事態」と話している。
渡辺美樹会長が「365日24時間死ぬまで働け」
2013.06.05 18:00
安倍首相から出馬要請を受け立候補
自民党公認で参院選に出馬する予定の渡辺美樹・ワタミ会長が、「365日24時間死ぬまで働け」、「出来ないと言わない」などと社員に呼びかけていることが週刊文春が入手したワタミの社内冊子からわかった。『理念集』と名付けられた冊子は、ワタミグループ全社員に配布され、渡辺氏が著書で「ワタミの仕事すべてに直結し、根底で支えている思想の原点」、「この理念集を否定したときは、君たちにこの会社を去ってもらう」としている重要文書だ。
また、入社内定者に配布される人材開発部作成の『質疑応答』では、勤務時間について、『「仕事は、成し遂げるもの」と思うならば、「勤務時間そのもの」に捉われることなく仕事をします。なぜなら、「成し遂げる」ことが「仕事の終わり」であり「所定時間働く」ことが「仕事の終わり」ではないから』と記載されている。
ワタミでは2008年に入社3カ月の女性社員が1カ月141時間の時間外労働で抑うつ症状となり、飛び降り自殺。昨年2月に、過労による自殺として労災認定されている。
また、自殺の翌年から昨年にかけて、時間外労働の上限時間を超えて従業員を働かせていたとして、労働基準監督署から10件の是正勧告を受けていることも明らかになっている。
ワタミのバイブル「理念集」
ワタミと渡辺氏の事務所に確認を求めたところ、渡辺氏の事務所が次のように回答した。
「渡辺が29年前に和民を創業して毎日社員のことを思いながら書いたものが、なぜ出てしまうのか、残念でなりません。本件に限らず、個別の社内規定や、社内発言、社内活動に対しては個別企業情報となるため、基本的にお応えは差し控えさせて頂いております」
ワタミには、「ブラック企業」との批判があり、渡辺氏は公式サイトで「一部の情報だけをもって、一方的にワタミグループをブラック企業と呼ぶことは、到底、受け入れられるものではありません」と反論している。今回、複数の社内文書の存在が新たに明らかになったことで、ワタミ・ブラック企業論争は新たな展開を迎えそうだ。