虚構の世界~昭和42年生まれの男の思い~

昭和42年生まれの男から見た人生の様々な交差点を綴っていきます

ギリギリのところで生きている人たち~心療内科~

2017-09-26 18:30:35 | 小説
*このお話はフィクションです。

 私は現在、国立の大学教授として勤務している。年齢は51歳。

 

 研究の業績も評価されている。

 しかし、私は30歳の頃から心療内科に通っている。

 そうパニック障害という病名がやっと誕生したころから通院している。

 当時は講師として教鞭を取っていた。

 ある日、講義をしているときに、いいようのない不安感に襲われた。

 声が震え、胸が苦しくなった。すぐに隣のゼミ室へ逃げ込んだ。

 そんなことが何度か続いた。



 そして、20年前にやっと街並みに見られるようになり認知され始めたころの心療内科を
受診した。




 そこで「パニック障害」という診断を下された。

 


 あれから20年、何とかやってこれた。


 しかし、いつまたパニックになるかという不安はある。そんなギリギリのところで

何とか生きている。




 この世の中に私のようにギリギリのところで生きている人はたくさんいるはずだ。

 先日、私の友人がうつ病と診断された。順調に出世街道を歩み、仕事ができて、周囲の評判もよい、完璧と思えるような男だった。


 先日、彼の自宅に見舞いに行った。夏だというのに奥さんは長袖の冬用の服装だった。
そして、彼を見舞うと、彼も冬布団をかけて寝ていた。部屋にはクーラーが異常とも思える白い風を送っていた。

 窓ガラスが冷気で曇っていた。夏だというのに・・・・・・・・。


 彼もまたギリギリのところで生きている・・・・・・。

 彼もまた心療内科に通っている。


 そんな人たちがこの世の中にはたくさんいる。また、そういった状態になりそうなギリギリのところで生きている人たちもたくさんいる。


 みんな懸命に生きている。ギリギリのところで・・・。

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