虚構の世界~昭和42年生まれの男の思い~

昭和42年生まれの男から見た人生の様々な交差点を綴っていきます

インスタントラブ~修羅場~

2017-05-15 18:47:08 | 小説
 「お前の母さんって、昔、刑務所に入ってたんだって」


 娘が三年生になるころ、学校から家に帰るとお母さんに聞いてきた。

 人間の情報はどこで過去の接点とつながるかわからない。たまたま彼女が昔つきあった男性の
友達が娘の同級生の父親だった。彼女も面識はあった・・・・・・。

 人生は本当に苦しみの連続・・・。せっかくつかんだ幸せもどこかで音を立てたように崩れていく。人生はいいことも悪いことも連れだってやってくる。

 彼女は彼にも内緒でその男を待ち伏せた。

 「おっなんだよ」彼女の殺気立った雰囲気に男は驚いた。

 男は彼女に何かを言われるものと思っていた。しかし、彼女は男をずっと憐れんだような目で
みるだけだった。

 男は「いいたいことがあるなら言えよ」、そう言った。

「私の過去も含めてて、うちの人は受けいれてくれた。だから何にもこわくない。娘もそう・・・。小学生だけど受け入れれてくれる」

 「だからなんだって言うんだよ」

「お前みたいの人間のクズって言うんだよ」

 それだけ言って彼女は立ち去った・・・。
 


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