笑いがいちばん/NHK総合テレビ
2007(H19)/06/24(日) 13:05-13:35
漫才:
ザブングル
落語:
笑福亭たま 「ショート落語」
紙きり:
林家二楽
漫才:
青空球児・好児
2007(H19)/ 収録日? 東京・渋谷 NHK放送センター 102スタジオ 収録
司会:
九代目 林家正蔵 中川翔子
*今回は出演者が4組 「企画コーナー」がなかった
*次週 別番組で放送なし
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ラジオ名人寄席/NHKラジオ第1
2007(H19)/06/24(日) 16:05-16:53
初代 金原亭馬の助 「六尺棒」 (音源データ アナウンスなし)
春風亭枝雀 「音曲吹き寄せ」 (音源データ アナウンスなし)
席亭:玉置宏
「残しておきたい江戸情緒 下座のお囃子 寄席幟」
「ラジオ名人寄席」 席亭の玉置でございます 御来場 誠に有難う存じます
この「ラジオ名人寄席」には 嘗て一世を風靡致した 東西演芸界の「名人」「上手」「人気者」が
お得意の出し物で御機嫌を伺います
◆席亭解説(前半 演目放送前)
今席は「落語」と「音曲吹き寄せ」でございます
まずは 先代の金原亭馬の助さん「六尺棒」でございます
「六尺棒」 「樫(かし)」という 硬~い木がございます これで作った「棒」の事でございまして
まぁ 泥棒退治なんかには 大いに役立ったというんですがぁ
え~ 御案内の通り 「落語の国」の若旦那ってな もう「夜遊びの名人揃い」でございますが 「六尺棒」でも
御多分にもれず 若旦那 親父をてこずらせております
一人息子の遊蕩三昧に業を煮やしながらも まっ 雇い人は寝かせて ひとり起きて 倅(せがれ)の帰りを
待っている
「親の心 子知らず」というやつでございますねっ
以外や以外 この「禁演落語」のひとつに この「六尺棒」も入っていたんだそうでございます
え~ 「禁演落語」って云えば 大体「艶笑噺」 艶っぽいものが多いと思っていたんでございますが
まっ「六尺棒」は例外と言えるかも知れません
まっ あ~ 「忠義」とか「孝行」とか 喧しく云われた当時を思えば あ~ まぁ 何て云うんでしょうか?
「当局からの厳しい命令で 拠無く(よんどころなく)」って云うんではなく う~ん 噺家さんの方から自発的に
まっ 「これは禁演落語にした」という風に 解釈するのが宜しいかと思います
もう 馬の助さん 十八番にしてらっしゃいました 「六尺棒」でございます
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●演目放送 初代 金原亭馬の助 「六尺棒」
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◆席亭解説(前半 演目放送後)
先代 金原亭馬の助さんの「六尺棒」でございました
この「六尺棒」の使い道でございますがねぇ う~ん 「お店(おたな)」の場合 つまり「商店」ですねっ
え~ この場合は 大体 戸締まりの心張り棒ではなくて お店の大戸(おおど)を上げます
それを「ドーン」とまた 元に戻らないように そこに「突っかい棒」に使う これが本来の使い道であった様で
ございます
「長屋」或いは「普通の家」では 心張り棒にしたんでございますが これは「樫」である必要はないんですねっ
樫の棒ってのは 随分高かった様でございます
え~ そこで「杉」 その他の木材で心張り棒を作った これが一般庶民でございました
でぇ~ 噺家の お伝えする時は もう何でもかんでも「六尺あるから 六尺棒」 こういう格好で皆さんにも
理解して頂く 進行でございますが 四尺程度の長さのものでも まぁ 全て「六尺棒」と云った様でございます
さて この「六尺棒」の始りっていうのを ちょっと調べてみましたらねぇ
江戸の初期に「辻番」っていうのがございましたねぇ 辻々で警戒に当たる 治安の為に「辻番」というのが
立っておりました
この辻番が持っていたのが う~ん 「六尺棒」なんでございます
これは「棒術の稽古」 つまり「剣術」その他 色々ございますが 「棒術」というのがあって
これをちゃんと身に付けている辻番 つまり「何か 胡散臭いのがいる」 逃げて行く者を 足元目掛けて
この六尺棒を投げ付ける
で 着物の裾に これを絡げて その者を倒して捕まえる
まっ こういう役目を果たしていたのが「六尺棒」の始まりの様でございます
「犬も歩けば 棒に当たる」 これは六尺棒の事を云ったもんでございましょう
え~ 持ち時間が短い時に (五代目古今亭)志ん生さんが 良くこれを掛けておりました
当然の事の様に え~ 志ん生一門に当たる(金原亭)馬の助さんも また (十代目金原亭)馬生さんも
後年は (三代目古今亭)志ん朝さんも ちょこっと時間の少ない時に これを掛けていらっしゃいました
え~ 道楽もんの若旦那の名前は 大抵「孝太郎(幸太郎)」でございますねっ
志ん生さんの本名が 美濃部孝蔵さん 仲間内では「孝(こう)ちゃん」で通っておりました
何か そんな事を思い出すと 非常に面白うございます
そういえば 「よかちょろ」の若旦那も「孝太郎(幸太郎)」であった様な気が致します
道楽もんに「孝太郎(幸太郎)」 え~ 「こう」の字は どういう「こう」を使ったのか? ねぇ
「孝行」の「孝」だと よっぽど可笑しいんでございますが
今日は まず一席目 「六尺棒」をお聴き頂きました
では 「お中入り」 パーシー・フェイス・オーケストラの美しい演奏でございます
ラテンの名曲「ベサメ・ムーチョ」
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◇16:23-16:26 中入り(音楽)(関東地方では 音楽をバックに道路交通情報)
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◆席亭解説(後半 演目放送前)
さて 「お中入り後」は 「音曲吹き寄せ」でございます
「音曲」 まっ 邦楽全般を 日本の「楽」ですねっ 「邦楽」 そう云う様でございますが
「音楽と曲」つまり「楽器と歌詞」 これが 本来の意味でございましょう
え~ その音曲を高座で演じます芸人さんを「音曲師」 こう云った訳でございます
大体「膝替わり」に 良く使われておりました
「膝替わり」と申しますのは「トリのすぐ前」 最後に高座に上がる方のすぐ前に出演する
従いまして「しつっこい演じ方」は トリの方に嫌われるんでございますねっ
そ~ですねぇ わたくし共が寄席に行きだした頃は え~ 柳家小半治さん 橘家米蔵さん それから
初代・二代目柳家三亀松さん 文の家かしくさん 橘家圓太郎さん そして 今日 登場する春風亭枝雀さん
また 女性では 都家かつ江さん 瀧の家鯉香さん(*01) 桧山さくらさん 玉川スミさん
そうですねぇ 今 一番の長老格は 柳家紫朝さん こういったメンバーでございました
う~ん 東京の現役では 只今は 桧山うめ吉さん それに 松乃家扇鶴(せんかく)さん 柳家亀太郎さん
三遊亭小圓歌さん
民謡では柳月三郎さん 柳家紫文さん 太田家元九郎さん 柳家小菊さん
沢山の方々が寄席で活躍をしてらっしゃいます(*02)
では 「音曲吹き寄せ」 たっぷりと 春風亭枝雀さんでございます
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●演目放送 春風亭枝雀 「音曲吹き寄せ」
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◆席亭解説(後半 演目放送後)
鮮やかなもんでしょ~
春風亭枝雀さん 「音曲吹き寄せ」でございました
お聴きの通り「大津絵」「さのさ」「深川」「都々逸」等 もう色々取り混ぜて 音曲師が唄う芸を「吹き寄せ」
と こう云ったんでございますねっ
で 他に「女道楽」というジャンルもございました
女性の芸人さんが二人以上 三味線を高座で巧みに弾きこなしたり また 踊ったりする芸でございますが
まっ これは「三人漫才」の様な形に変化しております
え~ もう 現在はございませんが「シャンバロー(*03)」等が その例でございましょう
東京の「女道楽」は 千家松人形・お鯉さんを 最後に姿を消しております
関西には 内海英華さん等が また 新しい形で「女道楽」を看板にしてらっしゃいます
今日は 「六尺棒」金原亭馬の助さん そして 只今の「音曲吹き寄せ」 春風亭枝雀さんでお楽しみ頂きました
お相手は席亭の わたくし玉置でございました それでは 次回をお楽しみに
次回は「上方落語」を予定しております 御期待下さい
では 本日も「ラジオ名人寄席」への御来場 誠に有難う存じました
*(*01)もしかしたら「滝の家鯉香」なのかも?
*(*02)太田家元九郎は民謡(津軽三味線)はやるが 柳家紫文 柳家小菊 は普段は民謡はやっていないと思う
*(*03)シャンバローは 男性の楽器を使った歌謡漫才のグループ
先年亡くなった 漫談のローカル岡もメンバーだったことがある
*次週放送 放送演目予定
三代目 桂文我「日和違い」 七代目 橘ノ圓都「長者番付」
※最新の番組表等で確認の事