小泉純一郎元首相は14日夜、東京都内の日本料理店で自民党の石破茂元幹事長や山崎拓元自民党副総裁らと会食し、今秋の自民党総裁選出馬も取りざたされる石破氏に「首相になるための心構え」を説いた。
会合後、山崎氏が報道陣の取材に明かした。
この日の会合は、定期的に開催されている小泉政権メンバーによる「同窓会」。石破氏は小泉政権の2002年9月から2004年9月まで防衛庁長官を務めており、今回は初めて参加した。
山崎氏によると、石破氏は出席者から「次の総裁選に立つべしという話もあって、激励されていた」という。一方で「総理になるためには才能と努力と運が必要と、小泉さんが何回も諭すように指導されていた。努力の中で義理と人情を大切にしなさいということも言われていた」という。
石破氏は小泉氏の進言を受け「肝に銘ずるということだった」(山崎氏)。当面は「岸田政権を支えることに徹したい」とも述べたといい、出席者は「それでいい」で一致したという。
山崎氏は「これからの政治の流れは分からないが、仮に6月に解散総選挙があれば、思いがけない展開になると思う。総選挙がなくて自民党総裁選になれば、恐らくたくさんの候補が出ると思う」と述べ、石破氏について「その中の1人としてお立ちになると思う」と、石破氏も総裁選に出馬するとの見方を示した。「もともと(世論調査では)人気ナンバーワン。最有力候補と思う」とも述べた。
小泉氏は会合後、「(総裁選の話題は)全然出ない。世間話」とけむに巻き、石破氏も「小泉内閣の思い出話。小泉総理に防衛庁長官につけていただいて、いろんなことが勉強になった。総裁選の話は一切、ありません」と述べ、それぞれ、車に乗り込んだ。会合には武部勤・元自民党幹事長、亀井静香・元自民党政調会長も出席した。