8月13日神奈川新聞「照明灯」
2015年の日本人の平均寿命は、女性87.05歳、男性80.79歳となった。
厚生労働省によると、男女とも過去最高を更新した。
女性は3年間続いた1位の座を香港に明け渡した。
とはいえ世界に冠たる長寿国には変わりない。
上位の国の顔触れを見ると、1人当たりの国内総生産(GDP)との相関関係がうなづける。
医療技術進歩、衛生環境の向上、豊富な食糧、冷暖房の整備などの国民の長生きに結びついている。
そうした大量のエネルギーを必要とする技術を買える日本は、着実に寿命を延ばしている。
生物学者の本川達雄さんは「人間にとって寿命とはなにか」(角川書店)の中で≪私のような年金世代は技術が作った『人口生命体』です≫と論じた。
ロングセラー「ぞうの時間ネズミの時間」(中公新書)の著者でもある本川さん曰く、哺乳類は心臓が15億回打つと死を迎える。ヒトの場合は41.5歳に相当し、50歳以降は(保証期間切れ)の体で生きていかざるを得ないと表現した。
医療・介護費用が増え続ける超高齢化社会で、長い老後をどう送るかは重大な課題である。
厚生労働省が算出した13年の健康寿命は男性71.19歳、女性74.21歳だった。
まずは自立して暮らす年月を延ばすのが人口生命体の責務となろう。
平均寿命よりも健康寿命で生涯を終わらせたい。
2015年の日本人の平均寿命は、女性87.05歳、男性80.79歳となった。
厚生労働省によると、男女とも過去最高を更新した。
女性は3年間続いた1位の座を香港に明け渡した。
とはいえ世界に冠たる長寿国には変わりない。
上位の国の顔触れを見ると、1人当たりの国内総生産(GDP)との相関関係がうなづける。
医療技術進歩、衛生環境の向上、豊富な食糧、冷暖房の整備などの国民の長生きに結びついている。
そうした大量のエネルギーを必要とする技術を買える日本は、着実に寿命を延ばしている。
生物学者の本川達雄さんは「人間にとって寿命とはなにか」(角川書店)の中で≪私のような年金世代は技術が作った『人口生命体』です≫と論じた。
ロングセラー「ぞうの時間ネズミの時間」(中公新書)の著者でもある本川さん曰く、哺乳類は心臓が15億回打つと死を迎える。ヒトの場合は41.5歳に相当し、50歳以降は(保証期間切れ)の体で生きていかざるを得ないと表現した。
医療・介護費用が増え続ける超高齢化社会で、長い老後をどう送るかは重大な課題である。
厚生労働省が算出した13年の健康寿命は男性71.19歳、女性74.21歳だった。
まずは自立して暮らす年月を延ばすのが人口生命体の責務となろう。
平均寿命よりも健康寿命で生涯を終わらせたい。