キラ星るみ子の多次元話

摩訶不思議な人生のあれやこれ

誘拐されかけた話①

2022-07-28 17:28:00 | 日記
中学生の頃、誘拐されかけた。

私はある修道院を目指していた。
理由は、もう修道女になりたかったから。
その頃は黒歴史真っ最中で、この世が嫌で仕方なくて逃げ出したかったのだ。
若かったね。
中学生だもんね。

ということで、なぜか私は行ったことのない場所に地図も持たず方向だけを頼りに歩き続けたのだ。当時は携帯も持っていなかったし。
無謀だ。若い。

結果、1時間以上歩き続けても目的地に辿り着かずにへとへとになった。

その時に魔の手は現れた。

一台の車が、プッと鳴らして反対車線側の空き地に停まる。
心身共に疲労していた私は、なんということか「知ってる人?」とその車に近づいてしまったのである。
おお怖い怖い…
見てみると知らないおじさん。
「どうしたー?」とかなんとか聞かれたような気がする。
「○○○に行きたくて…」
「知ってる知ってる!乗りな」

私、なんと、乗ってしまったのである。
地元の人だろうから、目的地に連れて行ってくれるだろうと信じて。

そして車はそのまま進んで行った。
車の中、色々聞かれたり手を握られた。
どんどん山奥へと向かう様子に、私は内心これはヤバいと気付き始める。
咄嗟に嘘をついてみた。
「○○○には事前に私が行くと連絡してあります。遅くなると母に連絡がいくと思います」とかなんとか、アピールした。
ニヤニヤ、頷くおじさん。
ヤバい、ヤバいぞ…と、その時。
進行方向に一件の事務所のような建物が。
「すみません!そこでおろしてください!」
多分、これを逃したらいよいよ建物のない山奥だ。

おじさんは、すんなりおろしてくれた。
私は急いでその建物へ向かい、開けっぱなしのドアから見える中の人達に安堵した。
女の人もいた。
「すみません。知らない人にここまで連れてこられたんですが、○○○という場所は何処にありますか?」
いきなり現れた謎の少女に会話が止まる大人達。
「……そこなら、貴女が来た道をずっと戻った場所だけど…」
私、愕然とする。
まじか!
あのおじさん嘘つき。

私はありがとうございましたとお礼を言って、そのまま建物を出て長い長い道を歩いて戻ろうとした。
泣きそうになった。
途方もないぞ。
あのおじさん戻ってきたらどうしよう。
怖い。

一旦終わります。
つづく…