「やらはせん!やらせはせんぞおおおおおおお!!」
数時間前の出来事であった・・・。
ア・バオア・クーと並ぶジオン公国軍の最大拠点とも言われる宇宙要塞ソロモンが連邦政府軍にまさかの陥落を許したのである。しかもそれだけでは悲劇は終わらずジオン公国宇宙攻撃軍司令ドズル・ザビ中将が名誉の戦死を遂げたのである。当然その事実はジオン公国軍内を一瞬にして駆け巡ったのであった。実際には、この時点では公国軍と連邦軍の事実上の戦力差は拮抗していたのであるが、英雄を失った公国軍兵士にとっては敗戦の二文字が頭をよぎってしまうのは致し方のないことであったに違いない。
「キシリア閣下クリスマスイブのこんな真夜中にどうなされましたか?」
時刻はUC0079.12.24.2350である。
今の戦局を理解した上で、全てを悟ったような表情のフラナガン博士はキシリア・ザビ少将に問いかけた。
「すでに解っていることをぬけぬけと(苦笑)」
ニュータイプでなくとも、この展開を理解できないガンダムファンはいないと思うのであるが、一応説明させて頂こう、宇宙要塞ア・バオア・クー内のサイコミュファクトリーは全てキシリア少将の指揮下にあり、ニュータイプ自体の研究やニュータイプ専用MS・MAの実践投入への研究が日々続けられているのである。そのような特殊な施設にキシリア少将が訪問した理由はひとつである、今回のソロモン陥落による自軍の敗戦ムードを払拭させるべく、ニュータイプ部隊の一斉出撃をファクトリーの責任者であるフラナガン博士に直接、要請をするために訪れたのである。
「クスコ・アルのエルメス02は十分準備が整っております。そのほかシャリア・ブルを含めた6名ほどがブラウ・ブロで出れる予定になっております、ただMSN-02は、まだしばらく時間が必要であるのと、使いこなせるパイロットが・・・。」
そのゆったりとした語り口調のフラナガン博士の言葉をさえぎるように、
「あの脚なしを使いこなせるパイロットはわたしのほうで都合する、とにかく実践投入できるよう急ぐのだ。」
「はっ。かしこまりました。今までの研究の成果をすべて出すべく全力で取り掛かります。」
「ぐうむ、これは大変なことになってきたわい。」
それから、一時間後。
「ちょっ、ちょっと待って下さい。通行証を確認させて頂かないと、ここは通過できませんから!それにこんな夜中に!」
「ええい、うるさい。時間がないのだ。ジオン公国グラナダ防衛軍司令官のマハラジャ・カーン大佐が来たと博士に伝えれば、それで解るはずだ。この手を離せ!」
このファクトリー内の警備兵と揉み合いながら無理やり研究所入り口まで押し入って来たのは、ダイクン家と親戚関係にあり、古くから名門と歌われたカーン家の家督を継いだばかりのマハラジャ・カーンであった。もちろんそのような有名人の顔を知らないものはいないのであるが、ものにはルールや順番というものがある。
「何事じゃ、騒がしい。」
この騒ぎを聞きつけたフラナガン博士が研究所のロック付のドアを開けながら、驚いた顔で尋ねた。
「フラナガン博士、一体どういうことですか?!あのお方をここの得体の知れない機体に乗せるなどと!」
フラナガン博士を見るや否やマハラジャ・カーンは怒鳴りつけた。
「普段から冷静沈着なあなたがこれほどまでに興奮するとは、まったく・・・。それに得体も知れない機体というのも失礼じゃないですかね(苦笑)」
「博士は、キシリア様から聞いていないのですか?こちらにある未完成のサイコミュMSのパイロットとしてキャスバル・・いや、赤い彗星を搭乗させようとしていることを!」
「もちろん、察しはついていたし、あのお方をみすみす連邦軍なんぞには殺させはしないですよ。だからこそ、ここにいる連中全員で、不眠不休の緊急大作業をしているのだが、それでもマハラジャ・カーン大佐は不服なのですかね?」
ここでまた、ガンダムファンの読者諸氏であれば知らないといったことは無いと思うのであるが、念のため説明させて頂こう、先ほどマハラジャ・カーンがキャスバルと口走ったのは、シャア・アズナブルの本来の名前であり、先のジオン共和国の創始者ジオン・ズム・ダイクンの遺児であるキャスバル・レム・ダイクンのことである。そしてこの二人には、シャアがキャスバルであることを極秘裏にダイクン家に仕える側近から知らされていたのである。
「ぐぅむ。解りました、博士にお任せします。ご無礼をお許しください。これは赤い彗星の全戦闘データです、お役に立つかどうか解りませんが、どうぞ。」
「おお!最新のゲルググのデータまであるではないか。これは十分参考になる。ありがとう、マハラジャ・カーン大佐。」
「それから、これはわたしの考えなのですが、MSN-02には、その大きさを利用して複座コクピットを採用してはどうでしょう。やはりだめですよね?(笑)」
「!」
フラナガン博士の瞳孔が確実に拡大した。
「詳しくお話願えますかね、マハラジャ大佐。」
「はい、それではご説明します。通常ザクやドムなどのMSは胸部にコクピットがありますが、MSN-02は大きさもジェネレータ出力も十分ありますし、頭部と胸部にそれぞれコクピットを設け、その行き来が出来るようにしたら如何でしょう。さらに頭部は脱出用ユニットにも使用できるようにするのです。」
「!!」
さらにフラナガン博士は瞳を大きく見開き、興奮気味の声で、
「それは、使える、使えますよ。しかもあの大きさだ、すぐにそれくらいであれば対応できる。やはりあなたはすばらしい思考回路の持ち主のようだ。そういえば、マハラジャ大佐は、MS-14ゲルググとMS-15ギャンとの次期主力MSコンペティションプロジェクトの中心的人物でしたよね。しかもご自身でもすばらしいMSパイロットでもあると聞いております。」
「いえ、わたしはジオンのためになることだけを行ってきただけです。わたしにできることがあれば、なんでもします。しばらくわたしもここに滞在させてください。」
この言葉を聞いて、解るようにマハラジャ・カーンという人間はどこまでも誠実で聡明な人物である。
「是非、喜んで。いろいろお知恵をお貸しください。」
ふたりは笑顔でがっちりと握手を交し合った。
それから丁度一週間後、当初80パーセントの完成度で行き詰まり感が否めなかったMSN-02が完全完成したのである。二人の天才がジオンの正当なる継承者を守りたいという単純な理由から知恵出し合った努力の成果であった。
「それではわたしはグラナダに戻ります。博士、本当にありがとうございました。」
「いやいや、こちらこそ本当にありがとうございます。・・・そういえば忙しすぎてMSN-02の機体名を考えていなかったな、大佐、何か良い案はありますかね?」
マハラジャ・カーンは30秒ほど考え込み、はっ!と何かを閃いた顔をしたかと思うと、明るい表情で、
「『ジオング』、あのお方は、ジオンの象徴でもありますし、ジオングでどうでしょう。」
フラナガン博士もなるほどと手を打って、
「それは、いいですね。そうしましょう。それではマハラジャ大佐くれぐれもお気をつけて。」
「はい、フラナガン博士も。久しぶりに楽しい時間がすごせました。」
対ビームコティングの深緑が真新しく輝くムサイ級軽巡洋艦はマハラジャ・カーンを乗せ月の軌道に向けて出港していった。ちなみに余談ではあるが、このマハラジャ・カーンは後にアクシズの指導者となる運命にあり、さらにマハラジャの次女こそが、16歳にして、第一次ネオ・ジオン摂政に就任したハマーン・カーンなのである。
「さて、わしも研究室に戻るとしよう。」
コロニー製のうまいとは言えないタバコを咥えながら、フラナガン博士はまた忙しそうにファクトリー内へと消えて行った。
(ここからは劇中の進行通りである。)
UC0079.12.31.0550
「キシリア様からわたし専用の新型モビルスーツがここにあると聞いてきたのだが、どこかね?」
真紅のジオン軍服に黒のマントを靡かせて颯爽と現れたのは、言わずと知れたジオン軍の英雄・赤い彗星シャア・アズナブルである。
「キシリア様からは一週間前の段階では80パーセントの仕上がりと聞いていたのだが?」
「80パーセント?冗談じゃありません。現状でジオングの性能は100パーセント出せます。」
そう聞かれたフラナガン研究機関の研究員がシャアに対してやや無粋に答えた。ここの研究員たちは相当プライドが高いのであろう、それが赤い彗星からの質問であろうとも、聞かれたことに淡々と回答をしていくだけであった。
「足は付いていないようだが?」
「あんなの飾りです。偉い人にはそれがわからんのですよ。」
「使い方はさっきの説明でわかるが、サイコミュ、私に使えるか?」
「大佐のニュータイプの能力は未知数です、保証できる訳ありません。」
あれだけシャア専用にカスタマイズしたのだ、間違いがあるわけはない、これも生粋の研究者特有の言い回しなのであろうか。
「はっきり言う。気にいらんな(微笑)」
「どうも。」
「気休めかもしれませんが、大佐ならうまくやれますよ。」
はじめてこの研究員から人間らしい笑顔が漏れた。
「ありがとう。信じよう。」
戦局はすでに公国軍の敗戦色が濃厚になっている・・・、久々に真紅以外のモビルスーツに乗り込んだシャアは、ふうと大きく息を吐いた。
そして次の瞬間、いつもの決まりゼリフを残し出撃するのである。
「シャア・アズナブル!ジオング、出るぞ!!」
前回かなり好評だった様なので、今回もまた調子に乗ってフィクションのガンダムサイドストリーを考えてみたのだが、楽しんで頂けたであろうか?登場人物は架空の人物ではないが、適当に役回りを当て込んだので異議がある方も居られるかも知れない、さらに今回は前回と違いマニアックな設定であるのでガンダムファンではない方には読むのが辛いと思う。それら全部ひっくるめて生温かい目で見守って頂きたい。
それにしても、フィクション ハズカシス(照)
数時間前の出来事であった・・・。
ア・バオア・クーと並ぶジオン公国軍の最大拠点とも言われる宇宙要塞ソロモンが連邦政府軍にまさかの陥落を許したのである。しかもそれだけでは悲劇は終わらずジオン公国宇宙攻撃軍司令ドズル・ザビ中将が名誉の戦死を遂げたのである。当然その事実はジオン公国軍内を一瞬にして駆け巡ったのであった。実際には、この時点では公国軍と連邦軍の事実上の戦力差は拮抗していたのであるが、英雄を失った公国軍兵士にとっては敗戦の二文字が頭をよぎってしまうのは致し方のないことであったに違いない。
「キシリア閣下クリスマスイブのこんな真夜中にどうなされましたか?」
時刻はUC0079.12.24.2350である。
今の戦局を理解した上で、全てを悟ったような表情のフラナガン博士はキシリア・ザビ少将に問いかけた。
「すでに解っていることをぬけぬけと(苦笑)」
ニュータイプでなくとも、この展開を理解できないガンダムファンはいないと思うのであるが、一応説明させて頂こう、宇宙要塞ア・バオア・クー内のサイコミュファクトリーは全てキシリア少将の指揮下にあり、ニュータイプ自体の研究やニュータイプ専用MS・MAの実践投入への研究が日々続けられているのである。そのような特殊な施設にキシリア少将が訪問した理由はひとつである、今回のソロモン陥落による自軍の敗戦ムードを払拭させるべく、ニュータイプ部隊の一斉出撃をファクトリーの責任者であるフラナガン博士に直接、要請をするために訪れたのである。
「クスコ・アルのエルメス02は十分準備が整っております。そのほかシャリア・ブルを含めた6名ほどがブラウ・ブロで出れる予定になっております、ただMSN-02は、まだしばらく時間が必要であるのと、使いこなせるパイロットが・・・。」
そのゆったりとした語り口調のフラナガン博士の言葉をさえぎるように、
「あの脚なしを使いこなせるパイロットはわたしのほうで都合する、とにかく実践投入できるよう急ぐのだ。」
「はっ。かしこまりました。今までの研究の成果をすべて出すべく全力で取り掛かります。」
「ぐうむ、これは大変なことになってきたわい。」
それから、一時間後。
「ちょっ、ちょっと待って下さい。通行証を確認させて頂かないと、ここは通過できませんから!それにこんな夜中に!」
「ええい、うるさい。時間がないのだ。ジオン公国グラナダ防衛軍司令官のマハラジャ・カーン大佐が来たと博士に伝えれば、それで解るはずだ。この手を離せ!」
このファクトリー内の警備兵と揉み合いながら無理やり研究所入り口まで押し入って来たのは、ダイクン家と親戚関係にあり、古くから名門と歌われたカーン家の家督を継いだばかりのマハラジャ・カーンであった。もちろんそのような有名人の顔を知らないものはいないのであるが、ものにはルールや順番というものがある。
「何事じゃ、騒がしい。」
この騒ぎを聞きつけたフラナガン博士が研究所のロック付のドアを開けながら、驚いた顔で尋ねた。
「フラナガン博士、一体どういうことですか?!あのお方をここの得体の知れない機体に乗せるなどと!」
フラナガン博士を見るや否やマハラジャ・カーンは怒鳴りつけた。
「普段から冷静沈着なあなたがこれほどまでに興奮するとは、まったく・・・。それに得体も知れない機体というのも失礼じゃないですかね(苦笑)」
「博士は、キシリア様から聞いていないのですか?こちらにある未完成のサイコミュMSのパイロットとしてキャスバル・・いや、赤い彗星を搭乗させようとしていることを!」
「もちろん、察しはついていたし、あのお方をみすみす連邦軍なんぞには殺させはしないですよ。だからこそ、ここにいる連中全員で、不眠不休の緊急大作業をしているのだが、それでもマハラジャ・カーン大佐は不服なのですかね?」
ここでまた、ガンダムファンの読者諸氏であれば知らないといったことは無いと思うのであるが、念のため説明させて頂こう、先ほどマハラジャ・カーンがキャスバルと口走ったのは、シャア・アズナブルの本来の名前であり、先のジオン共和国の創始者ジオン・ズム・ダイクンの遺児であるキャスバル・レム・ダイクンのことである。そしてこの二人には、シャアがキャスバルであることを極秘裏にダイクン家に仕える側近から知らされていたのである。
「ぐぅむ。解りました、博士にお任せします。ご無礼をお許しください。これは赤い彗星の全戦闘データです、お役に立つかどうか解りませんが、どうぞ。」
「おお!最新のゲルググのデータまであるではないか。これは十分参考になる。ありがとう、マハラジャ・カーン大佐。」
「それから、これはわたしの考えなのですが、MSN-02には、その大きさを利用して複座コクピットを採用してはどうでしょう。やはりだめですよね?(笑)」
「!」
フラナガン博士の瞳孔が確実に拡大した。
「詳しくお話願えますかね、マハラジャ大佐。」
「はい、それではご説明します。通常ザクやドムなどのMSは胸部にコクピットがありますが、MSN-02は大きさもジェネレータ出力も十分ありますし、頭部と胸部にそれぞれコクピットを設け、その行き来が出来るようにしたら如何でしょう。さらに頭部は脱出用ユニットにも使用できるようにするのです。」
「!!」
さらにフラナガン博士は瞳を大きく見開き、興奮気味の声で、
「それは、使える、使えますよ。しかもあの大きさだ、すぐにそれくらいであれば対応できる。やはりあなたはすばらしい思考回路の持ち主のようだ。そういえば、マハラジャ大佐は、MS-14ゲルググとMS-15ギャンとの次期主力MSコンペティションプロジェクトの中心的人物でしたよね。しかもご自身でもすばらしいMSパイロットでもあると聞いております。」
「いえ、わたしはジオンのためになることだけを行ってきただけです。わたしにできることがあれば、なんでもします。しばらくわたしもここに滞在させてください。」
この言葉を聞いて、解るようにマハラジャ・カーンという人間はどこまでも誠実で聡明な人物である。
「是非、喜んで。いろいろお知恵をお貸しください。」
ふたりは笑顔でがっちりと握手を交し合った。
それから丁度一週間後、当初80パーセントの完成度で行き詰まり感が否めなかったMSN-02が完全完成したのである。二人の天才がジオンの正当なる継承者を守りたいという単純な理由から知恵出し合った努力の成果であった。
「それではわたしはグラナダに戻ります。博士、本当にありがとうございました。」
「いやいや、こちらこそ本当にありがとうございます。・・・そういえば忙しすぎてMSN-02の機体名を考えていなかったな、大佐、何か良い案はありますかね?」
マハラジャ・カーンは30秒ほど考え込み、はっ!と何かを閃いた顔をしたかと思うと、明るい表情で、
「『ジオング』、あのお方は、ジオンの象徴でもありますし、ジオングでどうでしょう。」
フラナガン博士もなるほどと手を打って、
「それは、いいですね。そうしましょう。それではマハラジャ大佐くれぐれもお気をつけて。」
「はい、フラナガン博士も。久しぶりに楽しい時間がすごせました。」
対ビームコティングの深緑が真新しく輝くムサイ級軽巡洋艦はマハラジャ・カーンを乗せ月の軌道に向けて出港していった。ちなみに余談ではあるが、このマハラジャ・カーンは後にアクシズの指導者となる運命にあり、さらにマハラジャの次女こそが、16歳にして、第一次ネオ・ジオン摂政に就任したハマーン・カーンなのである。
「さて、わしも研究室に戻るとしよう。」
コロニー製のうまいとは言えないタバコを咥えながら、フラナガン博士はまた忙しそうにファクトリー内へと消えて行った。
(ここからは劇中の進行通りである。)
UC0079.12.31.0550
「キシリア様からわたし専用の新型モビルスーツがここにあると聞いてきたのだが、どこかね?」
真紅のジオン軍服に黒のマントを靡かせて颯爽と現れたのは、言わずと知れたジオン軍の英雄・赤い彗星シャア・アズナブルである。
「キシリア様からは一週間前の段階では80パーセントの仕上がりと聞いていたのだが?」
「80パーセント?冗談じゃありません。現状でジオングの性能は100パーセント出せます。」
そう聞かれたフラナガン研究機関の研究員がシャアに対してやや無粋に答えた。ここの研究員たちは相当プライドが高いのであろう、それが赤い彗星からの質問であろうとも、聞かれたことに淡々と回答をしていくだけであった。
「足は付いていないようだが?」
「あんなの飾りです。偉い人にはそれがわからんのですよ。」
「使い方はさっきの説明でわかるが、サイコミュ、私に使えるか?」
「大佐のニュータイプの能力は未知数です、保証できる訳ありません。」
あれだけシャア専用にカスタマイズしたのだ、間違いがあるわけはない、これも生粋の研究者特有の言い回しなのであろうか。
「はっきり言う。気にいらんな(微笑)」
「どうも。」
「気休めかもしれませんが、大佐ならうまくやれますよ。」
はじめてこの研究員から人間らしい笑顔が漏れた。
「ありがとう。信じよう。」
戦局はすでに公国軍の敗戦色が濃厚になっている・・・、久々に真紅以外のモビルスーツに乗り込んだシャアは、ふうと大きく息を吐いた。
そして次の瞬間、いつもの決まりゼリフを残し出撃するのである。
「シャア・アズナブル!ジオング、出るぞ!!」
前回かなり好評だった様なので、今回もまた調子に乗ってフィクションのガンダムサイドストリーを考えてみたのだが、楽しんで頂けたであろうか?登場人物は架空の人物ではないが、適当に役回りを当て込んだので異議がある方も居られるかも知れない、さらに今回は前回と違いマニアックな設定であるのでガンダムファンではない方には読むのが辛いと思う。それら全部ひっくるめて生温かい目で見守って頂きたい。
それにしても、フィクション ハズカシス(照)