本なんて昔はいつでも作れた
2022年、ニューヨーク。爆発的な人口増加のせいで人々は住む場所を失い食糧難も常態化、さらに急激な気候変動によって街は熱波にさらされていた。
超格差社会となった世界では、多くの人々が政府から週に一度配給される栄養食品「ソイレント」を待つだけの無為な日々を過ごしている。
そんな中、究極の栄養食をうたう新製品「ソイレント・グリーン」を発表したばかりのソイレント社幹部サイモンソンが何者かに殺害される事件が発生し、殺人課の刑事ソーンが捜査に乗り出すが。(「作品資料」より)
1973年製作、日本でも同じ年に公開された作品。
デジタルリマスター版でのリバイバル公開で初鑑賞。
時代は人工過剰となった2022年のニューヨークを舞台としているので、近未来を舞台としたSF作品ということになる。
大半の人が住む場所もなく、食糧も不足している状況。
政府とソイレント社が開発した〝ソイレント・グリーン〟なる合成食品が週に1度配給される。
そんな中、ソイレント社の管理者が高級アパートで殺される事件が発生。
刑事のソーンは暗殺であると判断し捜査を進めていく。
荒廃した未来を描いた作品は多々あり、本作も崩壊しかかっている近未来を描いているが、それが2022年ともう現実的には今頃の話であるな。
〝本〟と呼ばれる知識を持った者が存在し、ソーンに情報を提供したりするが、今ではコンピュータだな。
〝家具〟と呼ばれる女性がアパートやマンションにいるという設定もあり。
事件には秘密が隠されており、上層部から捜査中止の圧力がかかるが、ソーンは頑として捜査を続け、命を狙われることとなる。
サスペンスでもある。
やがて最終的に辿り着く真実は、考えられることではあったが、驚愕なものだった。
製作当時の社会から未来に警鐘を鳴らしたような話で、今はそれなりに環境問題などに取り組んでいるから、ここまでにはなっていないのだろう。
サスペンスとしては王道的だったと思うが、近未来の設定として興味深く観られた作品だった。
/5
監督:リチャード・フライシャー
出演:チャールトン・ヘストン、リー・テイラー・ヤング、エドワード・G・ロビンソン、ジョセフ・コットン、チャック・コナーズ、ブロック・ピータース、ポーラ・ケリー
於:シネマート新宿
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