「水と油の分離シミュレーション」動画で、界面活性剤いれてシミュレーションしたらどうなるの?という質問があったので試してみました。
ミセルができたりするかな?なんて期待しながらやってみましたが、あんまりきれいな構造にはならず、途中で断念。
やっぱりきちんと水・油・界面活性剤の比率とか、界面活性剤の分子の種類とかを吟味してからやらないといけないかな?
使用した分子
油は前回使用したペンタンをそのまま使用。
界面活性剤としてはカプリル酸のナトリウム塩を想定。
実際の石鹸等に含まれている成分はもっと疎水性の鎖(CH2)が長いですが、シミュレーションを行う際には、小さい分子のほうが都合がよいので、カプリル酸を使用。
カプリル酸ナトリウムを水に溶かすとナトリウムが外れ、Na+イオンとして溶け出すのでNa+イオンも入れました。
カプリル酸は疎水性の部分を白で、親水性の部分(COO-)は赤・青で描画しました。
MDシミュレーション 1ナノ秒経過後の構造
ペンタン‐水系のシミュレーションとは違って、1つの塊になることはなく、いくつかの塊に分かれました。
カプリル酸の油とよくなじむ疎水性の部分(白色)がペンタン(水色)と固まっています。
一方で水とよくなじむ親水性の部分(赤・青色)は水と接するようになっています。
ちなみにこのシミュレーション系の原子数は約6万。
私の手元のコンピュータでやるにはこのくらいのサイズで限界です・・・
1ナノ秒の計算でほぼ丸一日かかりました。