ラヂオ惑星モルファス

「処理水」問題その2 中国の大気圏内核実験について



前回、メルトダウンを起こした原子炉の中で直接核燃料に触れた「汚染水」をALPSで放射性物質の多くを除去した「処理水」の海洋放出への疑問を書いた。中国の政府の身勝手な反応や扇動された民衆の「政治的」迷惑電話などは論外。一方で日本政府の誠実かつ科学的、論理的な対応に欠ける面が大いにあるとも記述した。

今回は、表題のとおり、中国の大気圏内での核実験について、中国は人類共通の財産の一つの「大気」を汚してきたことを指摘したい。
日本が海洋に処理水なるものを放出することは、原発を有する国のすべてが行っていることではある。そのことを、中国は自らの原発から放出される冷却水の中にトリチウムが含まれていること、日本よりも排出量が多いにもかかわらず、韓国のように自国の状況を説明したりせずに、日本の対応だけを非難している。
しかし、1980年まで大気圏内で核実験を行い空中に放射線を放出して大気を汚染してきたのは中国である。大気中に放出された放射性降下物は明らかに海洋にも降下し、全く処理されていない「汚染物質」として、地表や潰瘍を汚染してきた。日本の処理水を非難する前に自らの核物質による地球汚染を謝罪すべきではないのか?
環境省のホームページには、大気中及び体内残留のセシウム137の測定結果がグラフになっている。その記述の一部を引用すると
『大気圏核実験が行われていた時代には大量の人工放射性核種が環境中に放出されました。これらの人工放射性核種は気流に運ばれて全世界を取り巻き、大気圏から地球表面に向けて徐々に降下してきました。このような放射性降下物をフォールアウトと呼びます。フォールアウトの量は大気圏核実験が禁止される直前の1963年が最も高く、それ以降減少傾向を示しています。
食品へのセシウム移行や消費等の時間的ずれがあるため、日常食中の放射性セシウムの量は1964年で最大となり、その後1967年までに急速に低下し、それ以降は比較的緩慢に減少してきました。』

1963年7月25日、大気圏内での核実験禁止を定めた「部分的核実験禁止条約」がアメリカ、ソ連(当時)などの間で締結されたが、中国はこれを批准せず。先に記述した通り1980年まで大気圏内の核実験を行い、放射性降下物をばら撒いて来た。政治的な理由はどうあれ、中国は地球の大気を放射能で汚してきたことを十分反省し、近隣諸国に誠実に説明する責任があると思うがどうだろう。

また、韓国国内では野党を中心に、中国同様、日本を非難する動きもあるようだが、まあ、前回日本政府の科学的・実証的ならざる誠実さに欠ける対応はどの国に対しても良いことではないが、かつての中国の核実験に対してはどうだったのだろうか?中国をどの程度非難したのだろうか?偏西風を考えると放射性降下物は韓国にも日本にも相当降り注いだはずだが・・・

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