おばんでがんす
愈愈明日はご先祖様が帰る日だ、送り盆の準備の清浄切りをした
盆にお客に来るご先祖様は早く來たいと急いで来るので、蝉や蝶や蜻蛉、等の翅のある早く移動で
きる昆虫たちに乗ってくる、だから当家では8月1日から8月16日までは昆虫を取ってはいけない
家例だ、だから子供のころの夏休みの昆虫採集はできなかった思い出がある
そして帰りは後ろ髪引かれる思いで生家や故郷をを後にするのでゆっくりと帰る為に牛や馬と言っ
た動物に乗って帰る、
当家は茄子の馬だけの清浄切りである、牛は作らない、馬は丈夫な青鹿毛である
胴体は茄子で、足は今年出た桑の枝で蚕が沢山取れる様にと願う現生の者のお願いが込められている
そして尻尾は玉蜀黍の雌花が枯れたもので、豆の豊作を祈願するものだ
そして佛の使いなので。蓮の葉の上に乗って先祖の帰りを待つ、旅の途中の飼葉は、桑の新枝を
細かくはぎったものと蓮の葉の茎を鋏ではぎった物だ。
因みに蓮の茎は蓮根と同じに穴が開いている、視野の狭い人間を「蓮の髄から天井を覗く」と言う
粘着性の高い液が出て糸を曳く
立派な門馬ができた、送り盆の時に門の両脇の柱の下に置いておく馬なので、門馬ともいう
此方は少し小柄な牝馬であり向かって右側、つまり盆棚側からは左にしとやかに待つ
此方は大柄な光沢のある逞しい牡馬でご先祖側から見て右側で待つ、少し封建的に右の男を立てる
と言う図式になっている
こうして御仏の仲間入りができた馬に今度は鞍、腹帯、手綱、などをつける
饂飩を捏ねて造る鞍はちゃんと掴まる手置きがある、そして鞍を固定する腹帯をまく
最後は細い饂飩で手綱をつける、これで完成だ、しっかりと御先祖様を天界まで送って欲しい
これが清浄切りの一部始終だ
この馬を載せる為だけに蓮を栽培している、花を見るのは付録だ
そしてこの饂飩の残りでお昼にするのが家例である
そんじゃあまたはなすべえ
遊童子
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