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今日の本紹介

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本紹介36「今日は天気がいいので上司を撲殺しようと思います」

2020-12-22 13:47:00 | 日記
労働組合法制定記念日にちなんでの本紹介。パワハラ、セクハラ、マタハラなど、上司からの様々な嫌がらせに耐える子羊に向けて放たれた一縷の光とも言える小説。
世の中には他者を好き勝手に食い物にして横暴をはたらいている輩が少なからず存在する。そういった現実を教えてくれる社会の入門書でもある。
日当たりを歩んできた理想論者には少々酷かもしれないが。
「世の中は、お前が思っている以上によっぽど残酷なんだ」
テレビドラマ「家族ゲーム」の主人公.吉本荒野の名言。それを如実に表していると言えるだろう。
だからこそ自分自身が強くなり、立ち向かうしかない。人の姿をした悪魔に搾取されないためにも。

『今日は天気がいいので上司を撲殺しようと思います (集英社オレンジ文庫)』の感想

勧善懲悪がベースとなっている。オチはなんとなく想像できるが、早く懲悪されてほしいがために、痛感さを求めるがためにストレス無く読み進められる。
しかし、世の中にはこのような悪党がいるのかと疑ってしまうくらいのクズっぷりを発揮する豚野郎共。天気が悪くても〇〇したくなるかもしれない。

#ブクログ

https://booklog.jp/users/c97ff94f00be121e/archives/1/4086802341

僕紹介35「闇に香る嘘」

2020-12-21 15:51:00 | 日記
12月21日は冬至の日。つまり日照時間が一年で一番短い日。それにちなんで真っ暗な話を紹介。
全盲の老人が主人公。あらすじはこちらを参照
『闇に香る嘘 (講談社文庫)』 下村敦史 #ブクログ
https://booklog.jp/item/1/4062934825

この物語のタイトルは、全盲という文字通り真っ暗な状態と過酷な人生と家族を疑う悲しみを真っ暗闇と表しかけている。
そしてこれは、過去と対峙し、決別する儀式の物語である。
真っ暗な闇が続くが、リアルタイムの恐怖体験は読んでいる手が止まらなくなること間違いなし。
是非最後まで読んでほしい。




『闇に香る嘘 (講談社文庫)』の感想

じわじわと襲ってくる恐怖感がリアルだった。自分が全盲になって生きている気にさせる文体であった。悲しみの連鎖の果てに救いがあったことで闇に香る嘘の中にも光はあることを教えてくれたような気がした。

#ブクログ
https://booklog.jp/users/c97ff94f00be121e/archives/1/4062934825

本紹介34「自殺予定日」

2020-12-20 13:47:00 | 日記
イヤミス界にて一二を争う言葉の魔術師、秋吉理香子さんの名作!
父を殺した継母を追求するミステリーだが、とにかく伏線が豊富で惑わされっぱなし。また、ただの謎解きだけではなく、主人公の人間的成長という過程も今作の大きなテーマである。
私はこれを読み、世界の見え方は自分次第でいくらでも変わるという素晴らしい教訓を学んだ。
是非読んで頂きたいです!



『自殺予定日 (創元推理文庫)』の感想

伏線が豊富で飽きずに読めた。風水が好きなど、主人公や登場人物を立体化する術がたくさんある方なのだと思った。幽霊として騙す展開は嫌いではないが無理があるかもと感じた。しかし総じて面白かった。

『自殺予定日 (創元推理文庫)』 秋吉理香子 #ブクログ
https://booklog.jp/item/1/448841821X


本紹介33「空の中」

2020-12-19 12:07:00 | 日記
自衛隊三部作の二作目!今回は、空軍が主役の物語!
人類にとって突如現れた特異点。そのとき、人類の決断やいかに。人の真価、本性が垣間見え、ぶつかり合う展開は興奮間違いなし!
人は必ず間違う。しかしその間違いを認めることで強くなれるということを、この本を読んで学んだ。
あらゆる要素が融合された、最強のエンタメ小説。

『空の中 (角川文庫)』の感想

全ての人間がなんらかの形で報われていてよかったと思った。多様性のある社会とはこうした特異点を寛容に受け入れることも含まれるのではないかと思った。誰一人完全悪にしない描き方がまたいい。

『空の中 (角川文庫)』 有川浩 #ブクログ
https://booklog.jp/item/1/4043898010



本紹介32「掏摸」

2020-12-18 11:15:00 | 日記
中村文則氏の最高傑作!物語はタイトルの通り、人々から物を盗む摺師の悲哀、心の闇がベースとなっている。そしてこの物語の構成は、旧約聖書が元になっている。古来の神話絶対的な存在、運命の下に動く個人、という構図である。
宗教の歴史を交え、運命とは何か、支配とは何かという究極のテーマは格差社会に生きる我々にとって、最早他人事と呼べない。中村文則著書の中でも私はこの小説が大好きです。自分と正面から向き合うことができる小説。

『掏摸(スリ) (河出文庫)』の感想

「その入ってはいけない領域に伸びた指、その指の先端の皮膚に走る、違和感など消え失せる快楽をー。」
これほどかっこよく悲哀を著した文章は他に見たことがない。著者渾身の意欲作。 

『掏摸(スリ) (河出文庫)』 中村文則 #ブクログ
https://booklog.jp/item/1/4309412106