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今日の本紹介

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本紹介41「また君と出会う未来のために」

2021-01-09 17:11:00 | 日記

仙台の大学に通う青年・支倉爽太は、人には秘密にしている過去があった。 
失意の底にいた小学校三年生の頃、幽霊が出ると噂のある海で溺れたことをきっかけに、遠い未来――2070年――へと時間を超えたことがあったのだ。 
そして現代に戻れたあとも、未来で出会った年上の女性を忘れられずにいた。再会する方法など分かるはずもなく、気持ちを押し殺して大学とアルバイトに明け暮れていた爽太。 
しかし、大学の室内楽サークルに入っている友人達の揉め事に関わる中で親しくなった八宮和希という青年に「おれは、過去から来た人に会ったことがある」と告げられて…? 

大好評を博した『どこよりも遠い場所にいる君へ』に続く、様々な「出会い」の物語! 


以前紹介した「どこよりも遠い場所にいる君へ」と同じ世界線を共有する作品。時系列的には本作は数年後の世界である。

ブクログの感想にも書いたことだけど、人と人は見えない何かで繋がっている。空間や時間を超えて。それは以前からなんとなく思っていたことだった。

本作は自分にとってそれが証明された小説だった。世界は素晴らしいと思わせてくれる小説です。


   『また君と出会う未来のために (集英社オレンジ文庫)』の感想

運命とは常に無情。しかしそれをこじ開けていく者は常に有情。人はどこかで繋がっている。空間を超え、目には見えない線で繋がっている。それが形を成した時奇跡は必然的に起こりうる。そんな哲学を感じてしまった。

#ブクログ




本紹介40「果つる底なき」

2021-01-08 17:41:00 | 日記
半沢直樹で有名、池井戸潤さん著であり、江戸川乱歩賞を取った不朽の名作!
謎の言葉を残して、債権回収担当の銀行員・坂本が死んだ。死因はアレルギー性ショック。彼の妻・曜子は、かつて伊木の恋人だった……。坂本のため、曜子のため、そして何かを失いかけている自分のため、伊木はただ1人、銀行の暗闇に立ち向かう!

この話も池井戸潤さん特有の企業系であり、多くのビジネスマンが登場するが、皆欲望の塊である。その中でいかに潔く生きられるか、社会とは俗に言われる「戦場」だと改めて思った。是非読んで見てください。
『果つる底なき (講談社文庫)』 池井戸潤 #ブクログ
https://booklog.jp/item/1/4062731797

本紹介39「貴族と奴隷」

2021-01-07 10:09:00 | 日記
少し遅くなりましたが、あけましておめでとうございます⛩今年もよろしくお願いします!
新年一発目に紹介する本は、山田悠介著「貴族と奴隷」


「貴族の命令は絶対! 」――盲目の少年・伸也は、共に拉致された中学生たちと30人、この世の地獄に放り込まれた。「貴族」と「奴隷」に分けられ、劣悪な環境での強制労働。つきまとう死の恐怖。異常な環境で、少年たちの感覚は麻痺し、大切な友人までが壊れていく。伸也は誰より過酷な扱いを受けるも、優しさを失わなかったが、ついに……。


全盲だが、触覚に優れている主人公とその友人が突然ある実験に巻き込まれ、人間の本性に痛ぶられる話だが、惨たらしさは一級品である。
人間の本性は非常時にこそ現れる。そしてその暴走は最早止める術は無い。そうした悪意は悪意を持つことでしか対抗できない。
人間は皆同じだと伝えたかったのか、復讐なのかは定かではないが、主人公だけは無自覚な悪意に呑み込まれないことを願わずにはいられない終わり方だった。
スタンフォード大学の監獄実験を想起させるお話。

『貴族と奴隷 (幻冬舎文庫)』 山田悠介 #ブクログ
https://booklog.jp/item/1/4344427335




本紹介38「クララ殺し」

2020-12-27 17:24:00 | 日記
以前紹介した「アリス殺し」の正統続編。今回は童話「アルプスの少女ハイジ」がモチーフとなっている。
現実では決して起こり得ない事象やトリックがここでは当たり前に起きる。それが読者の頭を捻らせる。これを読めば、多少の人間不信に陥るかもしれない。
童話×ミステリーの織りなす世界観を体験できるのはここだけ!是非読んで見てください。

『クララ殺し (創元推理文庫)』 小林泰三 #ブクログ
https://booklog.jp/item/1/448842015X

本紹介37「ブラック」

2020-12-26 13:35:00 | 日記
事故で未来を奪われた野球少年に、勇気を与えようと奮起する老プロ野球選手。不治の病で隔離された少年たちが、長年寄付を続ける謎の男に託す想い。そして、迫害されていた自分たちに、唯一手を差し伸べてくれた少女への恩返し。追い詰められた彼らは、最期の想いを遂げられるのか!絶望の中で生きる意味を問う、命と絆の感動ストーリー!

時代や生物に関係無く、生きる意味を懸命に探すお話。生物はいつか必ず死ぬ。だからこそ、生きている我々は、今この時を大事に生きなければならない。それを改めて教えてくれた作品。
また、人は何気ない言動で救われたり、逆に傷ついたりする。ならば少しでも他者に思いやりを持って生活したいものである。

『【文庫】 ブラック (文芸社文庫)』 山田悠介 #ブクログ
https://booklog.jp/item/1/4286161072