ハイキング・旅行の記録
Mi diario
野帳-タンチョウに魅せられて 2025年1月
阿寒国際ツルセンター(管理・運営 株式会社阿寒町観光振興公社)に行ってきました。これまで自然環境下でタンチョウを見ることはありましたが、餌付けによる場所でタンチョウを見るのは初めてで、これほどたくさんのタンチョウを目にするのも初めてです。JR釧網線・茅沼駅でもたくさん見かけましたが、この数には及びません。
19世紀の初めに生息地の減少や狩猟により絶滅の危機に瀕したタンチョウですが、1993年から始まった「タンチョウ保護増殖事業計画」により1,000羽を超えるまでになりました。餌付け活動を担った地元の方々、市町村、道、国の政策によるものです。
タンチョウと言えば道東なのですが、最近、自分の住む道央圏でもその姿を見かけるようになりました。個人的には千歳や長沼付近でその姿を目撃しています。資料によると2020年頃から4つのつがいが営巣していることが確認されたようです。その数年前から、むかわでタンチョウを見られるという話を野鳥愛好者から聞いていました。
他には2000年前半に道北でもタンチョウの営巣が確認されています。道北で興味深いのは、収集したタンチョウの血液や羽を分析したところ、28個のサンプルのうち8個で大陸の雄に由来すると思われる遺伝子タイプが見つかったということです。絶滅寸前だったため北海道で回復させたタンチョウに遺伝的な多様性がなく、感染症などへの脆弱さが心配されていましたが、別の遺伝子が入ってきたことはまさに朗報と言えます。
調べようとしてずっと忘れていたことがありました。タンチョウは渡り鳥なのかということです。道東のタンチョウが渡りをしているのは聞いたことがありませんので、留鳥なのか?。
調べてみると、日本のタンチョウも昔は渡っていたようです。絶滅寸前になり保護ため餌付けを行うようになり暖かい本州へ渡る必要が無くなったのです。だから日本以外の自然下のタンチョウは渡りをします。
美しいタンチョウを禁断の「餌付け」という方法で、絶滅から救ったのですが、今後はどうして行くのでしょうか。なんとか自然の中へ帰してあげたいものですが、そのためには生育地である湿原の保護が必然です。ところが、残念なことに近年湿原に太陽光発電システムが作られ、実情は反対方向へ向かっているように感じます。人間にとって電気は必要なものなのですから、難しい問題です。「命か自然か」なんて過激なセリフを言うのではなく、なんとか知恵を使って生育地を守って行きたいものです。
眺めるだけで、タンチョウのことは殆ど何も知らない自分ですが、今回、たくさんのタンチョウを眺めて興味を持ったので、調べてみたことを書き留めておくことにしました。すぐに忘れてしまうので、備忘録として。

阿寒国際ツルセンター
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タンチョウがいっぱい!
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タンチョウは羽を広げた姿が美しい。
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上を向いて鳴く。
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茶色の部分がある個体は幼鳥。大きさはもう成鳥と変わりません。
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