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静岡県の選挙情勢

2009年08月24日 | Weblog

1~6区で民主優勢 “自民王国”激変の可能性 本紙世論調査・情勢分析

2009年8月23日

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 本紙は22日、第四十五回衆院選(30日投開票)を前に、電話世論調査と独自取材に基づき情勢を分析した。

 静岡県内の有権者への調査結果では、八小選挙区のうち1~6区で民主党が優位に立ち、自民党の現職閣僚が民主新人の挑戦を受ける8区でも横一線

小泉純一郎元首相による“郵政ワンフレーズ選挙”で自民が六区を制した4年前の前回衆院選とは一転し、自民王国とも呼ばれた静岡の政界地図に激変の可能性が出ている。

 7区は無所属元職が優勢に立ち、民主新人と自民前職が追い上げる展開。前回衆院選の際は、「刺客」として擁立された自民前職が「郵政造反組」で自民を離党した無所属元職を破った経緯があり、再激突でもある全国的な注目区。ただ、小選挙区の投票先を「まだ決めていない」とする人は三割に上る。

 一方、比例代表の投票先では民主が32・9%と大きくリードし、自民17・8%、公明6・0%、共産2・5%。

 衆院選への関心が「大いにある」と「ある程度ある」の合計は91・0%に達し、政権選択がかかる“天下分け目の戦い”への注目度の高さを示した。

(文中敬称略)

電話調査は20~22日の3日間、全国の有権者を対象に、コンピューターで無作為に電話番号を発生させて電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施、15万5148人から回答を得た。このうち静岡県内の回答者は4234人。

[1区] 反自民の空気くっきり

1区立候補者=届け出順

牧野 聖修 64 民元

中野 雄太 35 諸新

上川 陽子 56 自前

佐藤  剛 36 み新

池野 元章 49 共新

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 捲土(けんど)重来を期す牧野がリードし、元少子化担当相の上川が激しく追い上げる。

佐藤、池野らは出遅れている。「まだ決めていない」と答えた人は約四割に上る。

 投票先を決めている人のうち、牧野は民主支持層の九割弱を固め、自民、共産両支持層の三割近くにも食い込む。支持政党なし層の半数からも支持を得て、反自民の追い風を如実に示した。

 上川は地道な後援会活動や企業・団体回りで組織を引き締め、自民支持層の約六割、公明支持層の約八割を固めた。選挙区唯一の女性候補として女性の支持が厚い。支持政党なし層への浸透は苦戦している。

 出馬表明が遅れた佐藤は、みんなの党支持層以外への広がりに苦戦。

 池野は、共産支持層の約五割しか固められておらず、自民、民主の二大政党対決に埋没気味だ。

[2区] 津川に勢い 原田が追う

2区立候補者=届け出順

浜口 亘弘 41 諸新

津川 祥吾 37 民元

原田 令嗣 57 自前

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 前回まで小選挙区二連敗の津川が勢いに乗り、原田が追う展開。態度を決めてない人は三割以上いる。

 投票先を決めた人では、津川は民主支持層の九割を固め、自民支持層からも三割近くを取り込む。公明支持層からも一部流れる。4年間の“浪人”中の地道な街頭活動が奏功し、支持政党なし層で七割近い支持。年代別では二十代で圧倒、三十~六十代の年齢層でも支持が広がっている。職業別では商工サービス業、事務・技術職で支持が目立つ。

 原田は自民支持層の支持が六割にとどまる。支持政党なし層への浸透も課題のまま。ただ、推薦を受ける公明支持層では八割近い支持。職業別では、多くの団体の推薦を受ける農林漁業関係者の支持が盤石だ。年齢層では自転車作戦の効果などで主婦層でややリード、七十歳以上の高齢者でも差をつける。陣営は父の代からの地域貢献をアピールしている。

[3区] 大物抑えて若手が優位

3区立候補者=届け出順

江頭 俊満 46 諸新

小山 展弘 33 民新

柳沢 伯夫 74 自前

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 若手の小山が優位に立ち、県内最多の当選8回を数えるベテラン柳沢が追う。態度を決めていない人は二割。

 投票先を決めている人では、小山は民主支持層の八割をまとめ、無党派層からも六割の支持を集める。自民支持層にも二割近くまで食い込む。街頭演説やミニ集会を精力的にこなし「3区こそ政権交代の最前線」と訴えて追い風に乗っている。年代別でも幅広く支持を集め、特に二十代で抜きんでている。地域別では掛川市や磐田市などで圧倒する。

 柳沢は自民支持層の六割程度しか固め切れておらず、支援組織のてこ入れに奔走。大物としての応援を控え、自分の選挙に集中している。経験や経済政策通をアピールしているが、リードが年齢別で三十代と七十代以上に限られたり、職業別で農林漁業と商工サービス業だけとなったりと支持に広がりを欠く。地域別では袋井市や森町で支持が多い。

[4区] 田村 支持基盤に広がり

4区立候補者=届け出順、<前>は比例復活

神沢 一正 47 諸新

田村 謙治 41 民<前>

望月 義夫 62 自前

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 前回比例で復活当選し、今回は選挙区での初勝利を目指す田村が優位に立ち、5連続当選を目指す望月が追い上げる。ただ、三割余りは態度未定だ。

 投票先を決めている人では、田村は民主支持層の九割弱を固めた。今春の静岡市議選で秘書が上位当選するなど支持基盤に広がりがみられ、きめ細かな街頭演説の浸透も示す。自民支持層の二割弱、共産支持層の八割にも食い込んでいる。支持政党なし層の七割にも浸透し、望月の固い地盤の清水区でも支持を広げている。

 望月は自民支持層の七割弱を固めている。「初心に帰って、真心で訴える」として、地域の課題に取り組んできた実績を訴えるとともに、旧清水市議のころから培ってきた強力な後援会組織を生かす。商店主など自営業で支持が目立ち、農協など各種団体の支援も厚い。推薦を受ける公明の支持層からは七割近い支持を得ている。

[5区] カギを握る農林漁業票

5区立候補者=届け出順、<前>は比例復活

堀 慎太郎 34 諸新

斉藤斗志二 64 自<前>

細野 豪志 38 民前

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 細野が優勢を保ち、斉藤が追う。態度未定は三割。

 投票先を決めている人では、細野が民主支持層で九割超を固め、支持政党なし層でも七割の支持。共産などほかの野党支持層にも浸透している。年齢別では大半の層で優位。地域別でも大票田の富士市を筆頭に優勢だ。

 農業を重点政策の一つに掲げ、地域の農業者と地道に対話してきており、職業別で農林漁業の支持が六割に達している。

 斉藤は公示前から地道な支持者回りを続けてきたものの、自民支持層を五割強までしか固め切れておらず、支持政党なし層への浸透も二割弱といまひとつ。本拠地の富士市での支持も三割にとどまり、職種別でも農林漁業で伸び悩む。

 ただ、推薦を得た公明支持層からは八割近くを得ており、支持する自民系市議らも後援会のネットワークをフル活用して、いっそうのてこ入れを図っている。

[6区] 保守地域でも渡辺浸透

6区立候補者=届け出順、<前>は比例復活

倉田 雅年 70 自<前>

加藤 恵三 54 諸新

渡辺  周 47 民前

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 公示直後から優位の渡辺を、倉田が追う。態度未定は四割弱。

 投票先を決めた人では、渡辺は民主支持層の九割弱を固め、支持政党なし層の七割強、自民支持層の四割弱も取り込んでいる。地域別では父の代から地盤を持つ沼津市と清水、長泉両町で六割の支持を固め、保守が強い伊豆地域でも半数近い支持。年代別では二十~三十代で支持が七割以上。職業別では商工サービス業や事務・技術職、専業主婦などの支持が五割超だ。

 前回に比例からくら替えした倉田は、自民支持層で五割弱しか固め切れておらず、無党派層への浸透も難航していて、広い選挙区で「まだ十分に声を掛けられていない」(陣営)。

 ただ、今回初めて推薦を得た公明の支持層では八割に浸透。地域別では大票田の沼津市と清水、長泉町で二割弱、年代別では四十代、職業別では管理職が三割前後の支持を示した。

[7区] 城内先行 斉木、片山続く

7区立候補者=届け出順

城内  実 44 無元

斉木 武志 35 民新

竹内 隆文 51 諸新

片山さつき 50 自前

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 復活を期す城内が先行し、若手の斉木、再選を目指す片山が追いかける。態度を決めていない人は三割。

 投票先を決めている人では、城内は支持政党なし層の四割以上の支持を集め、古巣の自民支持層で四割に届く勢い。民主支持層も三割に食い込む。前回敗退後の支持固めが功を奏しており、終盤戦も「他候補をしのぐ活動」で引き離しを図る。

 斉木は民主支持層の五割をまとめたが、支持政党なし層は二割にとどまる。年代では四十代の支持が城内を上回る。全国的な党勢拡大の波に乗ろうと、「政策の具体性を訴える」と街頭演説中心の活動を貫く。

 片山は、自民支持層を城内と分け合う。「かつてない与党逆風」も加わり、組織の引き締めに必死。公明支持層の五割は固めた。支持政党なし層は二割に届いておらず、知名度を生かせる街頭活動にも力を注ぐ。

[8区] 斉藤、塩谷が並び激戦に

8区立候補者=届け出順

塩谷  立 59 自前

小西 高靖 54 諸新

斉藤  進 38 民新

平賀 高成 55 共元

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 斉藤が塩谷と横並びの激戦模様。平賀は苦戦している。態度未定は四割ある。

 投票先を決めた人では、斉藤は民主支持層の八割を固め、中央での選挙協力が進む社民党の支持層からも大半を得ている。支持政党なし層からは五割を取り込み、自民支持層にも一割が支持と浸透。反自民の風が有利に働いているうえ、大企業や労働組合などの支援も厚い。

 塩谷は、自民支持層で七割の支持を得ているが、さらなる地盤固めが急務。現職閣僚の知名度と保守地盤を生かしたいが、職種別の農林漁業でライバルにリードを許すなど苦しい状況。支持政党なし層でも二割にとどまる。ただ、推薦を得ている公明支持層では九割近くを得ている。

 平賀は共産支持層の七割を固めているものの、支持政党なし層では1割にも満たないなど、支持の広がりを欠いている。

 


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