以前にいただいて開封していなかった 元祖 純正奈良漬 、賞味期限を見ると来年の日付がついていたので、しばらく置いていたものです。
小さな木箱を開くと中には、びっしりと酒粕にくるまれた黒い物が見えます。瓜半本分の奈良漬けです。
まわりの酒粕を取り除いて、さっと洗って味見してみました。今まで口にしていた、べっこう色をした甘味のある味ではありません。甘味はかすかですが、酒粕の香りはしっかりついていて、一口で深い味だとわかります。
数日を経て、我が家の二人は意見が分かれました。ジィジは今まで普通に口にしていた物がいいと言います。やーやも最初はそう思えました。
でも食べているうちに、この滋味なる味は何だろう・・・と、段々とりこになっています。
今まで食していた奈良漬けを、奈良漬けと思っていたのですが・・・
元祖 奈良漬の店の説明書によると、人工甘味・人口着色・合成保存料等は一切使用せず、最低でも三年、最長十三年ものながきにわたり酒粕に漬け込む～～とあり、驚きました。
その酒粕も一年以上熟成させたものを用い、途中最低六回以上は漬け替えるのだそうです。
我が国で唯一、純正の呼称を許された奈良漬とか・・・
気のとおくなるような手間をかけられて出来上がった奈良漬けです。
決して、お店のまわしものではありませんが、
一つ一つが手造りの手間暇かけた芸術品のようなものですので、果たしていつまで続けられるか・・・という店の思いを知ると心配になります。
最近の体調不良の時、ちょっと食欲のないときも、この奈良漬に助けられました。
良いものは、良い物として残ってほしいと心から思っています。
奈良へ出かけたときには、この店に立ち寄ってみようと決めています。