道行きロマン

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キューポラのある街、川口を散策

2016年05月14日 | まち歩き

5/14(土) うす曇り 24℃。鋳物で栄えた川口を歩きました。ツレアイもあたしも吉永小百合さん主演の映画「キューポラのある街」は知っていました。そんな遠い記憶と、おもいでらしきものといっしょに歩きます。

川口駅に着くと、市のマスコット「きゅらぽん」が高いテンションでお出迎えです。

「びっくりぽん」です。頭がキューポラとかでいきなり出迎えられても、ひいてしまいますよね。。。

今日は川口駅東口から鋳物で栄えた町の歴史とモダンなたてものをめぐる6Kmのハイキングです。

駅の東口はキュポ・ラ広場です。トップに揚げた「働く歓びの像」はここにあります。

鋳物を造る職人がキューポラと呼ばれる溶鉱炉で銑鉄を溶かし、湯汲みと呼ぶ柄杓で受けて一気に鋳型に注ぎ込む作業を表しています。像の向いにはキューポラのモニュメントもありました。

昔は駅周辺でも鋳物工場が多くあり、キューポラ上部の巨大な煙突が屋根の上に見られました。

本町大通りを10分ほど進むと川口神社です。合祀されている金山神社は鋳物業の守護神として篤い信仰があります。社殿は旧川口町最古の神社建築として市の文化財になっています。今日は例大祭があるようです。社殿で巫女さんが練習?していました。

川口神社は川口市の総鎮守です。もとは「氷川社」です。大宮の氷川神社から分祀されたそうです。

川口市母子・父子福祉センターに行きます。旧鋳物問屋の鍋平別邸は和洋混合の建物でした。

入り口は和の家です。左手の洋館への渡り通路の下に庭園に抜ける道があります。

くぐりぬけた庭園から鍋平別邸を見ます。

季節の花が存分に楽しめる庭でした。

庭からは、あのキューポラの煙突が立つ町工場の屋根が見えて、少し胸キュンでした。

当時の宣伝用のポスターです。扱う商品が四辺に描かれています。

別邸なのに立派な蔵です。室内も贅と趣向をこらしたものでした。

モザイクタイルやベネチアガラス、和室の桟まで、手のこんだ造りです。平成13年には「再現が困難な建造物」として国の登録有形文化財となりました。

昭和初期に建てられたそんな文化財の建物が、福祉センターとして現在運営されていることも驚きでした。(良いことだと私は思います。)

さて、川口は鋳物製大砲でも名を馳せました。ここから歩いて5分。増幸産業の入り口には幕末の大砲が鎮座しています。

幕末の嘉永5年(1852年)、津軽藩の依頼で造られたもののレプリカです。19世紀、開国を迫る外国船に対して幕府は「異国船打払令」を出し、江戸のお台場など各所に砲台を据えて警戒しました。鍋、釜などの日用品が主だった川口の鋳物師が西洋式の大砲の研究を重ね、独自の大砲を鋳造したのです。幕末の5年間で213門の大砲と41,323発の砲弾を製作しました。展示されている大砲には幕府の砲術指南役を務めた高島秋帆と協力して作り上げた「鋳物師・増田安次郎」の銘が刻まれています。全長3.5m、口径15cm、重さ3t、射程2.5Kmは当時の日本では不可能といわれていたそうです。川口の鋳物を代表するものといえば東京オリンピックの聖火台くらいしか知りませんでしたが、武器鋳造もあったんですね。

国道122号と本町大通りが交差する本町ロータリーの脇に文化財センターがあります。市内の発掘調査による出土品や鋳物に関する資料、民族芸能に使う道具などが展示されています。

手前は実物です。写真で撮るとバックの工場のイラストと混然一体ですね。

出土された貝は自由に触れます。太古の人が食べていた貝です。

安行地区の神楽面です。こちらは全国共通な様式かしら。そして川口といえばこうした鋳物でしょう。井戸のポンプや石炭ストーブは団塊の世代の方には実際に使われたなつかしいものだと思います。

そうです。男の子はベーゴマも夢中になって遊びました。木のコマではなくて鋳物の鉄コマを回して取り合う遊びです。アメリカにはこんなコマ遊びはないのに、鉄のコマだから米国、ベーゴマなんでしょう。川口がベーゴマの産地です。

古い看板も展示されていました。こちらも木製ではなく鋳物です。サントリーがまだ創業当時の壽屋醸造になっています。

本町ロータリーを駅に引き返すように渡り、錫杖(しゃくじょう)寺に行きました。

江戸幕府2代将軍・秀忠が日光参拝の途中に錫杖寺を休憩所と定めて以来、徳川家と深い関わりを持ちました。本堂や屋根瓦・灯籠に「葵の御紋」が見られます。

さらに進んでショッピングセンターの先で右折、芝川を渡ると埼玉高速鉄道線の川口元郷駅です。国道122号に沿って歩くと旧田中家住宅に到着です。知りませんでしたが川口は江戸に供給する味噌で栄えたそうです。麦味噌製造と材木商で財を成した田中徳兵衛が大正12年に建てた住宅はレンガ造りの洋館と和館があり、国の有形登録文化財です。

洋と和の調和が素敵です。どちらも本格的な見事な造りです。当時はどのような人がここに招かれて、どんな話しをしたのでしょうか。

ツレアイはこうした建物が大好きです。外観を眺めてから中に入ると、いとおしそうに見てまわります。

洋館の屋内に入ります。シャンデリヤとピアノのある部屋。ここでショパンを聴きながら談笑したのでしょうか。

和室は五月の節句のよそおいでした。

足柄山の金太郎さんには思わず笑ってしまいます。垂れたおっぱいとか、リアルです。土俵入りの金太郎さんに比べると太刀持ちの熊さんが小さすぎかな。。。

節句の人形はもうひとつ別な座敷に飾られていました。

さてここで問題です。このなかで一番高価なものはなんでしょう?正解はおしまいに。川口駅に戻ります。国道122号を少し歩いて十勝甘納豆本舗の交差点を左に行くと「昌國利器工匠博物館(刃物)」がありました。

天皇陛下がお田植えなどで使われる鎌はこちらで献上しています。いっぱいの品揃え。

私は病院の検査技師なのでメスを研ぎます。そんな機械も展示されていて、思わず撮ってしまいました。みなさんには分からない機械でしょうね。

馬のたてがみを切りそろえるはさみもあるんですね、、。

川口市役所を右手に通り過ぎて歩きます。川口市立アートギャラリー・アトリアまで来ました。

今日のハイキングはここでおしまいです。川口市のマンホールを紹介します。市の花テッポウユリが描かれていました。

あともうひとつ。旧田中邸に飾られていた皐月人形のなかで最も高価なもの、なんだと思いますか?

答えは木彫りの神将達の後ろにある数本の旗ざおです。

螺鈿細工の旗ざおは、1本で車が買えるくらい高価なんですって。!

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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