041:「鉛」 色づいた 葉の舞い踊り どこまでも 比叡颪の 鉛色の空
042:「学者」 ふと頭 もたげて見やり 半眼に 開きて語る 学者顔の君
043:「剥」 陽炎の 纏わる土塀 剥げ落ちて 傘の落書き 蔦の葉絡み
044:「ペット」 庭の隅 君がエサ置く 石の上 ペットとなりし 雀や鵯や
045:「群」 恋人も 三角関係 色々の 湖畔で群れる 鴨は真面目で
046:「じゃんけん」 携帯で じゃんけんしよって ねだる君 意図することの お楽しみは後
047:「蒸」 蒸すわねと くねる辺りの 引き際の 小憎らしさの 尖がった口
048:「来世」 君といて 不思議な程に 億劫に 思えないのは 遥か来世も
049:「袋」 不揃いの イヤリングたち ビロードの 袋で眠り Christmas待つ
050:「虹」 晩秋の 夕暮れの虹 棚引くも 寄り添う君の 髪の流れの