告知

お兄ちゃんが車で迎えに来てくれて，一緒に病院に向かう。
二人ともあえて避けるように関係ない話をした。

外来診察時間が終わった病院は，人がまったくいなくて暗かった。
和田先生を呼び出してもらっている間，私のカルテをお兄ちゃんに読んでもらった。
「（腫瘍が）よく動くので良性？でもエコーで顔つきが悪いから悪性の可能性が高い」というようなことが書かれていた。

和田先生に招かれて診察室に行く。

「残念ながら乳がんです。」

覚悟していたからか，衝撃が大きすぎたからか，泣き虫な私が泣かなかった。
他人の話を聞いているようにうわの空だった。

和田先生が，これから治療で通うことになるとここは遠すぎるから近くの病院を調べておきました，と別の病院を紹介してくれた。
本当は先生にお任せしたかったけれど，先生が近い方がいいとおっしゃるんだからそうなんだろう，と紹介状を書いてもらった。

病院からの帰り道。「乳がんとわかったからには両親に報告しなくちゃいけないけど，私は無理だからお兄ちゃんから話して」とお兄ちゃんにお願いした。

その話以降，なにを話したか，家に着いてからなにを考えたのか，まったく覚えていない。
とにかく人生最大と言っても過言ではない出来事があった。

嫌な予感

今日，先生は確かに４日後にならないと結果は出ないとおっしゃっていたけれど，深夜，先生からお兄ちゃんに電話があって，結果が出たから明日以降で都合の良い日に来てください，と言ったそうです。お兄ちゃんからその話を聞いた時，「もしかして悪性っぽいから検査を急がしたのかな」って思った。
急遽明日，お兄ちゃんと一緒に病院に行くことになった。
嫌な予感。

痛かった・・・

お兄ちゃんがお世話になった川崎の病院の和田先生に診察してもらいました。
昨日と同じく触診を受けて，昨日のクリニックで撮ったエコー画像を先生に渡した。早く詳しい結果が知りたかったので，胸に太い注射を射して腫瘍を吸い取る検査をしてもらった。針は太いし，ドロドロした腫瘍を吸い取るのはなかなかみたいで数回吸引されるし，終わったと思ったら場所を変えてもう一度同じ処置をされるしで，散々でした。
でも先生の人柄もあって，安心して検査に臨めました。

検査結果は４日後に出るとのこと。

胸に怪しいしこりが・・・

早朝5時半，寝ている時にふと胸の上に手を置いたら，右胸にしこりを発見。すぐに「乳がん」が頭をよぎって恐ろしくなって泣いた。
朝になるのを待って近くのクリニックで検診を受けた。
そこの医者に，「若い人に多い良性の腫瘍かもしれないし乳がんかもしれない，とりあえず取っちゃおう」と言われた。なんて人の気持ちのわからない医者なんだろう。「セカンドオピニオンを希望します」と言って帰ってきた。

お兄ちゃんに電話したらすぐに来てくれた。明日お兄ちゃんがお世話になった医師にもう一度診てもらおう，そして，乳がんとはっきりするまで両親には言わないでおこう，そう決めた。