知られざる動機というタイトルで、1983年にドラマ化された。
昨日、BSで再放送があり、松本作品では初めて見ました。
母親が下宿人と関係を持ち、娘と結婚させ、気がついた夫を殺し、
その母を娘が殺し、遺産は娘婿のモノになるというストーリー。
新開地は東京郊外の農地がベッドタウンになり、お金と情が絡む事件で、
日本の何処にでも、事件までにならなくても、いざこざがあったと思え、
閉鎖社会の隠な部分に触れたような、深いモノを感じました。
下宿人と妻の情事を知り、逆上した夫は脳溢血の後遺症で不自由な身になり、
離縁されるかもという思いか、転んだ夫の頭を石段に打ち付け殺してしまう。
現場を目撃した娘は声も出ず、共犯意識と夫への疑念に悩むが、
母親の夫への情を知ると、自分も同じ血を感じ、母を殺害してしまう。
結局、遺産は夫のモノになるけれど、誰が一番悪党かでドラマは終わります。
現実に似たような事件は多くあったのではと、自身の育った環境を想う。
事件に成らずとも、大人の歪んだ情念は、子供ながらに感じて育った。
虐待の事件も後を絶たないけれど、現場を目撃した子供はどう育つのか?
私も嫌なモノを見てトラウマになり、嫌なモノを感じると感情が高ぶった。
農地を手放す時、弁護士さんに任せたのは、懸命だったと思う。
誰にも合わずに事がすみ、逆上する自分に出会う事も無く、難を逃れた。
もし、金銭に執着していたらと思いながら、ドラマを見ていた。
母や養母が亡くなった時も、育てて頂いた感謝の念はあっても、
深い悲しみは無く、娘としての仕事が終わったように感じました。
墓参りとかにも興味は無いけれど、時々、思い出して懐かしむ。
嫌な事は出来るだけ忘れ、手仕事を覚えた幼き頃の思い出を振り返り、
清濁合わせて、今の自分があると感謝する。