■1月9日(火)、Sさん帰省につき、急遽稽古会を催しました。
埼玉在住のSさんのやや突然の帰省。
稽古希望とのことで、急遽稽古会を催しました。
19:00~21:00 神楽公民館:講堂で開催です。
平日の夜でもあり、参加者はあまり期待できません。
それでもSさん、先に到着されていて、ウォーミングアップは済ませたとのこと。
基本の移動稽古をやってから、護身術の組術。
第1部 全体稽古(19:30~20:00)
■移動稽古
足位(運足)
手技
上段正拳逆突き(逆手)
上段裏拳逆突き(逆手)
中段裏拳順突き(順手)
上段鉤突き(順手)・中段鉤突き(逆手)
上段熊手逆突き・上段熊手回し打ち(順手)
ここまでこなしたところで、なんと!
師範がいらしてくださいました。
「いや、久しぶりだね。会社の帰りなんだけど寄ってみたんだ」とのこと。
ご多忙な身で、急な稽古会にも関わらず、ありがとうございます!
ここからノンストップで護身術の組術です。
第2部 強化稽古(20:00~21:20)
Sさん実は埼玉某自治体の職員で、保護課に勤務。
生活保護は、基本、暮らしが成り立ちにくい方たちの
自立支援のための保証制度なのですが、
ごくたまに、意図的の不正に受給しているごろつきや、
精神や嗜好に問題がある受給者からの「暴力」に
遭遇することも高い割合であるのだそうです。
この相談をうけて、今回は、護身術の組術から特に、
現場での応用が効くものをピックアップしての教授となりました。
1.相手が掴みかかってきた場合:
相手の片手首を両手で掴み、やや下方に向かって引く。
一般人、武道的な訓練を受けていない人は、前に出ることしか知りません。
そして、相手が押してくる殴ってくると根拠なく想定してきます。
引くという動作は、意表を突くと同時に、相手の前進するベクトルを
利用して、相手を床に地面に誘導します。
あとは如何様にも。
2.相手が殴りかかってきた場合:
一般人、武道やボクシングなどを習得していない人は、「弓を弾く」。
つまり拳を振りかぶる動作をする上に、その軌道はカーブを描くため、
どちらの腕で殴ってくるか、どこを狙っているかなど、
攻撃が比較的予想がしやすい。
そこを踏まえて対応すること。
そして対応の基本は、【攻防一致:攻撃と受けは同時】であること。
3.相手が武器を手にしている場合:
ナイフをもって切りかかってくる・棒をもって打ちかかってくる場合。
初撃で見切り仕留めること。
攻防一致で、顔面・目など急所を狙うこと。
これも先述の訓練を受けていない一般人が武器を持っている場合、
「自分が武器をもっている緊張があること」も踏まえて対処。
4.心得として:
〇状況に陥ったら、過剰防衛などの法律は忘れて対処に専念すること。
仕留めないとこちらが、そして同行している人が犠牲になるかも。
暴力をふるうことで我意を通そうとする人間に交渉の余地はないし、
同情もいりません。
〇「相手を傷つけずに取り押さえる」という前提を捨てること。
取り押さえるべき…というのは、きれいごとです。
実際には、よほどの実力差がないと無理です。
十分にダメージを与えて、相手の抵抗する意思をくじいてから、
取り押さえましょう。
〇相手の正面に立たない、常に斜め45℃からの攻防を行うこと。
〇間合いは十分につぶすこと。
相手が武器を持っているなら、武器を持っている拳の更に内側に
位置すれば武器は使えないことになります。
後ろに下がるのが下策。
〇技にこだわらない。
この状況は小手返しで、この対処は腕絡みで、この体勢なら襟落とし…
稽古の上で、そういう手順と取り決めはありますが、実際の状況下で
そういった縛りはありません。
手が出てとった形・いまある位置から、頭でなく、からだが自然に技を
繰り出せるようになること。
〇初撃できめる。
興奮している相手は分泌されるアドレナリンなどの効果で痛みを感じに
くく、自分が攻撃される=拒否されるとさらなる興奮をします。
2度3度と攻防を行うと、相手にもこちらの動きに対応するようになり
事態が膠着することにつながります。
最初の攻撃を無効化し、相手にとって「なにがおこったのかわからない」
状態で、きめてしまうことが最も大事。
途中、20:30頃、出戻りWさん到着&合流。
出戻りWさんに受け手を務めていただきます。
体格的に出戻りWさんくらいでないと実地練習にはなりません。
21:20に〆。
退出であります。
師範、出戻りWさん、お時間割いていただき、ありがとうございました。
Sさん、お疲れ様でした。
次回も帰省の予定が決まりましたら、ご連絡ください。
>2018.01.09 Update